どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
「商品(またはサービス)は良いんだけど販売不振が続いている。。。」
「新たな販売先が開拓できず事業成長が鈍化している。。。」
コロナの傷が完全に言えぬ昨今、相談先からこのようなお悩みを聞く機会が多くなりました。
事業成長の要件に一般解はありませんが、このような相談を受けた際に「社外CMOを活用してみてはいかが?」と提案することが増えました。
そこで本記事では、中小企業診断士の視点から「外部CMOの活用をお勧めする理由と、その上手な活用方法」について解説したいと思います。
▼最近はじめたYouTubeでも解説しております!ちょっと内容は異なりますが、こちらも覗いてみてくださいね!
- マーケティングに取り組んでみたい中小企業経営者の方
- マーケティング支援に強くなりたい中小企業診断士の方
中小企業に外部CMO(最高マーケティング責任者)の活用をおすすめする理由
中小企業が外部CMOを活用するべき理由は以下の通りです。
(それぞれ独立した理由というより、ロジックになっております)
- 「戦略なきマーケティング」はやらない方がマシ
- 戦略立案者にはオールマイティなスキルが必要
- 戦略立案はCMOの役割であるが、社内発掘も採用も難しい
①「戦略なきマーケティング」は無駄
まず大前提として「戦略なきマーケティング」はやらない方がマシです。
理由は、戦略なきマーケティングではその最大の目的である売上・利益アップが見込めないからです。
しかし、多くの中小企業が取り組むマーケティング(とすら呼べない取り組み)には戦略がありません。
マーケティングの大家の1人である森岡毅さんもおっしゃっていますが、戦略とは「目的を達成するために最適な資源(リソース)を配分するための選択」です。
「売上・利益アップに繋がる最適な方法を決定すること」と言い換えることも出来ます。
森岡氏の書籍はどれも素晴らしいですが導入にはこちらがおすすめ
これを定めること自体が難しいことですが「戦略を定める気がない」というのはより根深い問題です。
というのも、リソースネックになりやすい中小企業においてはマーケティングで取り組めることの「量・質」の限界があっという間に来るからです。
にも関わらず、例えば、ある中小企業経営者が
「知り合いの社長がブログでうまく集客できたから、うちもブログに取り組もう!」
と知識ゼロの状態で思いつきのマーケティング(と呼ぶこともできないような取り組み)を実行しようとした場合どうなるでしょう。
十中八九失敗しますしよね。
しかも、そのマーケティングと呼ぶことも出来ない取り組みがきっかけで「マーケティングは効果がない」と言い出してしまった日には目も当てられません。
この失敗経験によって「経験を以て思い知った」と言い張る経営陣によって、芽が出ていたかもしれない有益な取り組みを潰してしまいかねないですし、とにかく戦略なきマーケティングはやらない方がマシということが分かります。
マーケティングの成功には「戦略立案」が必須
②戦略立案者にはオールマイティなスキルが必要
では戦略を立てるにはどうすれば良いのでしょうか?
大前提として経営層によるコミットメントが必要ですが、その次に必要なのがマーケティングに関する幅広い知識・スキルを持った人材を確保することです。
というのも「戦略とは目的達成のための最適な方法を選択すること」だからです。
あらゆる選択肢を知らずして最適な方法なんて検討できませんよね。
戦略立案に必要な知識・スキルを挙げ出せば切りがありませんが、あえて例を出すとすると以下の通りです。
[必要な知識]
- 顧客(が求める価値)に対する理解
- 顧客接点から購入に至るまでのプロセスの理解
- 競合プロダクト・サービスに対する理解
- 自社プロダクト・サービスに対する理解
- 自社経営状況および経営に関する理解
- 戦略立案フレームワークの理解
- マーケティング施策に関する知識(SEO、広告、SNSなど)
- 世の中のマーケティングソリューション・代理店に関する知識
- 世の中のトレンドに関する知識
[必要なスキル]
- (上記必要な知識を用いて)顧客目線で企画立案する能力
- 自社組織・外部組織を率いてPDCAを回す能力
また、デジタルマーケティングの台頭によりマーケティングで取り入れられる考え方やソリューションは日進月歩で増えてきております。
例えば、以下はアンダーワークス社がまとめているマーケティングテクノロジーのテクノロジーのカオスマップです。
自社組織にとって最適な戦略づくりにはこれらのソリューションに対する知識を継続的にアップデートしていく仕組みも必要になります。
ハードルの高いことだと思います。
マーケティングテクノロジーの数々(アンダーワークス社HPより)
また、マーケティングにおける重要論点となる「認知~集客」のみを切り出しても以下のように幅広い知識・スキルが求められます。
- インバウンド(顧客主導、時間かかる、少しずつ関係性を強化)
- ブログ
- メルマガ
- YouTube
- SNS(Facebook, LINE, X, Linkedin, Instagram)
- SNS(アンバサダー / インフルエンサー)
- PR
- 出演・講演
- アフィリエイト
- 寄稿
- アウトバウンド(企業主導、短期、すぐ成果につながる)
- 広告(リスティング、Meta、YouTube)
- フォームマーケティング
- ポスティング
- テレセールス
- アライアンス
これらを全て自組織で回すには限界があります。
また、外部のベンダーやコンサルタントの力に頼らざるを得ない部分も多いです。
つまり、戦略とは、外部と協力関係を築き上手くディレクションしながら自組織のマーケテイングを推進していけることが前提の上で描くべきものになります。
戦略立案者に求められる知識・スキルは半端なく多い
③戦略立案はCMOの役割であるが、社内発掘も採用も「かなり」難しい
ここまで述べてきた戦略立案を行うのが「CMO(最高マーケティング責任者)」の役割です。
では、なぜ中小企業は外部CMOを活用する必要があるのでしょうか?
それは多くの中小企業にとってはCMO候補の社内発掘はおろか、人材市場を通じて採用することもかなり難しいからです。
そもそも「これからマーケティングを強化していきたい」と考える中小企業は、これまでマーケティングに取り組んでこなかった歴史があるはずです。
もしかしたら、営業やバックオフィスとの兼務で簡易的にホームページの管理やSNS運用をやってきたことはあるかもしれません。
しかし、このようなマーケティング(とすら呼べない取り組み)に兼務体制で取り組んでいた人が、いきなり広範な経験とスキルを必要とされるCMOを担当できるはずがありません。
(育成をすれば可能でしょうが、即戦力CMOになることは不可能でしょう)
また、オールマイティなスキルをもったCMO候補を人材市場から調達することもかなり困難でしょう。
マーケティング後進国である日本において、こうした人材はあらゆる企業から引っ張りだこであり、好待遇が求められるため、一般的な中小企業ではなかなか手が届かないと考えられるからです。
また、待遇面は抜きにしても、このような広範な経験とスキルを持った人材は、自身のスキルを常にアップデートしたいと考えますし、その機会が減ってしまうリスクがあるため中小企業一社にフルコミットさせることは非常に困難であると考えれます。
外部CMOの確保であれば現実的
しかし、パーマネント人材(正社員)としてCMO候補を採用するのではなく、社外人材として外部CMOを確保することであれば比較的容易です。
理由は以下の通りです。
- 中小企業でも手の届くコスト感
- 「外部人材としてであれば」参画したいと考える優秀なマーケターは多いから
①中小企業でも手の届くコスト感
役務範囲によりますが、概ね月額20万円〜40万円程度で調達できるでしょう。
パーマネント社員として雇用するよりも半分、1/3以下のコスト感に抑えることができます。
中には残念ながらCMOの役割を担えるようなハイエンド人材をうまく活用できない企業もいます。そのような企業がいきなり正規雇用をしてしまうのはリスキーでしょう。
自社がCMO人材を上手に活用できるかどうか?をテストする意味でも、変動費・柔軟な人材として活用可能な外部CMOを活用するのがリスク回避の観点からも得策です。
一方、「退路を経って本気でマーケに取り組む → そのために社内でCMOを抱えるんだ!」と強い気持ちで取り組む姿勢も大事です。一長一短の世界であり自社の事情を考えて判断しましょう。
②「外部人材としてであれば」参画したいと考える優秀なマーケターは多いから
マーケター目線の話をすると「外部人材としてであれば」外部企業のCMOとして案件に携わりたいと考える優秀なマーケターは多くなってきております(しかも大企業や有名スタートアップ出身の方が多い)。
理由は、向上心の強いマーケターは、自組織のマーケティングのみではなく、様々なプロダクトに触れ、そして自分たちのマーケティングスキルを試してみたいという気持ちを持っているからです。
そして、このニーズの解消を後押ししているのが、昨今の複業・フリーランスブームです。
複業・フリーランスブームによって、スキルを持ったマーケ人材を見つけやすくなってきております。
例えば以下の「カイコク(KAIKOKU)」ではフリーランスのマーケティング人材が10,000名弱登録されております。
外部CMO候補を探すことも可能ですし、人材調達が困難な地方における成功事例も豊富です。
外部CMO探しという観点では、カイコク(KAIKOKU)以外では「Workship」もよく使われております。
外部CMOを上手に活用する方法
では外部CMOはどのように活用するのが良いでしょうか?
私は以下の方法をお勧めしております。
- 社長がマーケティングの主体者となる
- 権限移譲する
- CMOの役務範囲に「育成」を含める & 期社内CMO候補がシャドーイング
①社長がマーケティングの主体者となる
まず「社長自らがマーケティングの主体者となる」ことが重要です。
「外部CMOを活用するのになぜ?」と思われるかもしれませんが、理由は明確で「丸投げのマーケティングは機能しないから」です。
というのもマーケティングをうまく推進するには、その事業に関する「深い知識(ドメイン知識と言います)」と「マーケティング知識」が必要だからです。
どれだけ優秀なマーケティング有識者を招き入れられたとしても、その方にドメイン知識を期待することはできません。
多くの中小企業において、その事業環境に深い知見を有するのは社長です。
つまり、社長が外部CMOの知恵を借りながら、二人三脚でマーケティング戦略を決定していくことが重要なのです。
そもそもマーケティングは企業経営の根幹である売上・利益に直結する。
つまり社長が自ら推進していく意思が必要。外部CMOはそのアシストを行う存在であるべきです。
②権限移譲する
一つ目のポイントと相反するかもしれませんが、外部CMOに対する一定程度の権限移譲が必要です。
というのも、マーケティング上の勝ち筋を見つけるには高速の学習が必要ですが、これには多くの組織学習と試行錯誤(リソース活用権限)が求められるからです。
この試行錯誤の段階で、いちいち社長の了解を取らなければならない状況を作ってしまうと組織としての学習スピードが鈍ってしまいます。
社長が許容できるリスクを定義づけ、一定程度の権限を外部CMOに与えることで勝ち筋を見つけるスピードを早めることができます。
③CMOの役務範囲に「育成」を含める & 次期社内CMO候補がシャドーイング
最後のポイントは外部CMOの役務範囲に「育成」を含めることです。
その上で、次期社内CMO候補を選抜し、外部CMOの動きの一部始終をシャドーイングさせましょう。
経営の根幹であるマーケティング戦略立案機能を恒常的に外部人材に頼り続けるのは健全ではありません(施策実行において外部を活用するのはOK)。
外部CMOがいなくなってしまったら機能しないマーケティング組織は社内の資産にはならず、一時的な成果にしかつながらないからです。
外部CMOの知恵を借りる場合は、その知恵を形式知化し内製化していくための仕組みづくりも念頭においておきましょう。
外部CMOは「外部」という名がつく通り、いつまで継続してくれるかわからない人材でもあります。外部CMOを活用する場合は、内製化を進めることを前提としておきましょう。
(ただのPR)信頼できる「外部CMO」候補が見つからなくて困っている事業者さまへ
ここまで長々と外部CMOについて説明しました。
理由は単純。私は現在、中小企業診断士として中小企業13社の外部CMOを担当させていただいており、私のサービスについてPRしたかったからです。
この記事でご紹介したカイコク(KAIKOKU)やWorkship、フリーランスエージェントを活用するのもおすすめですが、それでもなかなか「信頼できる外部CMO候補に巡り会えない。。。」という方はぜひご相談ください。
個人としてお話を受けておりますので、かなり融通が効かせられます。
これまでの実績
会社員をやっている傍ら、週末はWebマーケター兼中小企業診断士として中小企業のマーケティング顧問を担当しております(2023年12月時点:13社)。
これまでの支援実績は下記の通り。
[Webマーケティング]
- 大企業新規事業開発部門向けのキュレーションサイトを運営するスタートアップ向けSEOディレクション(東京都)
- 社労士事務所向けHP制作・SEO対策支援(東京都)
- ヘルステックスタートアップ向けSEO対策支援(東京都)
- 税理士事務所向けSEO対策支援(神奈川県)
- 社労士事務所向けWeb広告運用代行支援(東京都)
- 中小企業診断士事務所向けマーケティング支援(東京都)
- 住宅設備メーカー向けWebキャンペーン企画・実行支援(神奈川県)
- 飲食店向けWebマーケティング支援(東京都)
- SaaSコンサルティング事業者向けコンテンツSEO支援(東京都)
- システム開発会社向けECモール立ち上げ支援(東京都)
など、計50件以上
[経営相談]
- 飲食店フランチャイズ向け経営相談(神奈川県)
- 美容室向け経営相談(福島県)
- チョコレートEC販売事業社向け経営相談(岩手県)
- EC統合管理SaaS事業者向け経営相談(静岡県)
- 訪問美容事業者向け経営相談(神奈川県)
[執筆業務]
- 2次試験合格者の頭の中にあった全知識・全ノウハウ
(事例III担当)
[補助金]
- 飲食店フランチャイズ向け小規模事業者持続化補助金申請業務(2021年2月採択)
[セミナー]
- 埼玉県DX推進支援ネットワーク様向け
(中小企業のECビジネス成功のポイント)
また、中小企業診断士としてデジタルマーケティングを研究する研究会「デジタルマーケティングラボ(DML)」を運営しております(在籍人数:130名)。
外部CMOとして活躍できる人材プールを用意しております。
1ミリでも興味を持った方、マーケティングでお困りの方は躊躇せずご連絡ください!
まとめ
以上、本記事では「外部CMOの活用をお勧めする理由と、その上手な活用方法」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!