どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
晴れて中小企業診断士になりました!個人事業主として開業する予定です。
せっかくなので「屋号」を構えたいのですが、どう考えるべきか分かりません。
ポイントを教えて頂けませんでしょうか?
とても気になるトピックですよね。
私も診断士の仲間が多いので、この手の議論はよくするのですが、せっかく開業届を出して個人事業主としての活動を開始するのであれば「屋号を決めておきたい」と考える方は少なくありません。
そこで本記事では、「中小企業診断士の屋号の考え方」について、現役診断士の視点から解説していきたいと思います。
- 診断士として開業予定の方
- 受験中の方で将来、診断士として開業したいと考えている方
そもそも屋号って必要?
そもそも論、「中小企業診断士に屋号は必須ではありません」。
これから個人事業主として開業される方はお近くの税務署に開業届を出されるかと思いますが、実はこちらは無記載のままでも開業届は受理されます。
開業届のサンプル
必須ではないのはわかった。では、屋号は決めておいた方が良いのか?
正直、「屋号」の有無が、中小企業診断士としての事業の成否を分けるほどのインパクトを与えることはありえないと考えています(私見です)。
というのも、顧客は屋号に興味があるわけではなく、「個人事業主の〇〇さんから受けられる提供価値」に興味があるからです。
よくこの手の記事で、屋号を決めておけばブランディングに繋げられるという話があります。
しかし、これは「〇〇ベーカリー」や「マーケティング〇〇」など、よほど屋号でサービス内容が把握できるビジネスに限定された論点であり、中小企業診断士として幅広なコンサルを担う予定の方々にとってのブランディング効果は限定的でしょう。
逆に、「ウチは原則、法人との取引しか行いません」という事業者様がチラホラいらっしゃいます。
ただ、この場合の論点は「法人か?」「個人か?」ということであり、どれだけ立派な屋号を構えていようが、個人事業主は個人事業主であることに変わりはありません。
深い考えがないのであれば決めておいた方が良い
その意味で、屋号があろうがなかろうが、個人事業主としての活動に大きく影響を与えることはありません。
その一方で、特に屋号に対して深い考えがないお方であれば、屋号は決めておいた方が良いと思います。
めちゃくちゃ直接的な理由ではないのですが、無いよりあった方が良いという理由を説明します。
①フリーメールだとかっこ悪い
私が個人事業主として働き始めてからとても違和感を覚えているのが「メールアドレス問題」です。
診断士になって初めて知ったのですが、ほとんどの診断士の方々が「Gmail」等のフリーメールを使っています(肌感ベースですが95%以上)。
個人的にはこれが一番勿体無いと考えております。
BtoBの現場においてはメールコミュニケーションが未だにメジャーでありますが、法人顧客とのやり取りの際に「Gmail」を使うのは相当かっこ悪いです。
前述の通り、これが直接的に事業の成否を分けることはありませんが、なんとなくプロフェッショナル感が毀損され、その後のコミュニケーションに影響が出る可能性は否定できません。
もちろん屋号を構えなくても、メールドメインは取得できますが、ドメイン名を決定する際に何か軸になる名前があった方が決めやすいのも事実です。
ちなみに、企業のオウンドメディアからホワイトペーパーをダウンロードする場合、フリーメールが受け付けられないケースが多いですが、メールドメインを持っていればダウンロードもし放題になります。
ちなみに独自ドメインのメールアドレスは以下の「ムームードメイン」から簡単に入手可能です。持っていない方はぜひ取得してみて下さい。
②気持ちの問題
こちらは人を選ぶ論点かもしれませんが、屋号を設定しておくと「やる気アップ」につながる方は一定数いるでしょう。
というのも、屋号は店舗ビジネスで言えば「お店の名前」に相当します。
屋号によって法人格ができるわけではありませんが、自分の体とは分離された「守らないといけないもの」が生まれます。
これが間接的にやる気の向上につながる効果が期待できます。
プロフェッショナルとしての意識づけに役立つということでしょうか。
私も開業時に屋号を構えましたが、やはり一定のやる気アップにつながったことを覚えております。
③サービスの内容がわかる屋号はやっぱり分かりやすい
また、サービス内容がパッと見でわかる屋号であれば、顧客から「〇〇分野のプロフェッショナル」と意識していただけるきっかけになるとは思います。
その意味で、幅広な経営コンサルティングではなく、ある特定領域のサービスに特化することをお考えであれば、屋号の設置がプチブランデイングとしての効果は期待できます。
とは言え、繰り返しになりますが、屋号がどれだけ立派であろうが、そのことが診断士としてのビジネスの成否を分けることは無いです。
屋号は後から追加することもできますので、考えるのが面倒な人は無記入で開業しても問題ないと考えます。
屋号の決め方は?
では、屋号を構える場合、どのように決めるのが良いでしょうか?
ここでは、気をつけるべきポイントと合わせて紹介したいと思います。
①王道パターン
多いのはご自身の名前や好きな言葉の前後に「中小企業診断士」「事務所」「コンサルティング」「経営」などをまぶしていく王道パターンです。
- ○○中小企業診断士事務所
- 中小企業診断士○○事務所
- 〇〇コンサルティング
- ○○コンサルティング事務所
- 経営コンサルタント○○事務所
考える手間も省けますので、悩んだ方はこれでも良いかもしれませんが、苗字がポピュラーな方は被ることも多いでしょう。
②ぱっと見わかるパターン
次に多いのが、サービス内容がぱっと見でわかるパターンです。
例えば「〇〇マーケティングコンサルティング」「〇〇事業再生コンサルティング事務所」など。
③将来のイメージから逆算するパターン
他で言えば、ビジネスを通してどんな将来を作りたいのか?をイメージしながら造語で構成するパターンもあります。
法人の例になりますが、お菓子等で有名なカルビー株式会社の社名は、カルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語で構成されております。
造語で検討する場合、考える手間はかかりますが、無限の候補が立てられます。
屋号を決める際に気をつけるべきポイント
屋号を決める際に気をつけるべきは基本的に「他社と被らないか?」を意識することです。
理由は3点です。
- ドメイン名が取得できた方が良いため
- (ホームページを持ってマーケティングを頑張る場合)競合との不要な戦いを避けるため
- 周知表示混同惹起行為で訴えられるリスクを回避するため
①ドメイン名が取得できた方が良いため
前述の通り、ドメイン名を取得できた方が良いです。
簡単にGoogle検索をかけてみて屋号の被りがない場合は、ほぼ100%、ドメイン名が取得できる可能性が高いでしょう。
心配な方は以下から確認してみてください。
②(ホームページを持ってマーケティングを頑張る場合)競合との不要な戦いを避けるため
また、将来的にホームページを持ってマーケティングを頑張る予定の方は、なおのこと屋号の被りがない方が良いでしょう。
というのも、将来的に見込み客やパートナーから検索エンジン上で指名検索してもらったとしても、他社がSEOに強かった場合、上位表示されず、見込み客の流入機会を失ってしまうからです。
ご自身のSEOスキルが高ければ競合に打ち勝つことも可能と思いますが、わざわざ不要な戦いを挑む必要はありません。
避けられるなら競合との屋号被りは避けましょう。
③周知表示混同惹起行為で訴えられるリスクを回避するため
また、診断士試験で学んだかと思いますが、屋号被りがあった場合、最悪の場合「周知表示混同惹起行為」で訴えられる可能性もあります。
法人の例になりますが、SONYの伝説的な商品である「ウォークマン」を用いた商号を使った「有限会社ウォークマン」が周知表示混同惹起行為で有罪判決を受けた事例などがあります。
まとめ
以上、本記事では「中小企業診断士の屋号の考え方」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!