どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
「Facebookのリターゲティング広告は費用対効果が高いのでよく使ってるけど、実は仕組みが良く分かってないんだよね〜」
このような方も多いのではないでしょうか。
テクノロジーは仕組みを理解してこそ最大の効力を発揮します。
一方、Facebookのリターゲティング広告は「初心者向けの仕組みの解説記事」が少ないのが現状です。
そこで本記事では「Facebook広告のリタゲの仕組み」を初心者の方でも超わかりやすく理解できるよう解説したいと思います。
近年注目されている「コンバージョンAPI」についても触れております。
別に仕組みを知らなくてもテクノロジーは使えるからいいよ、という方はそ〜っとブラウザを閉じるか、当ブログの別ページを読んで楽しんでください。
- Facebook広告の仕組みを知りたい人
- コンバージョンAPIが気になっている人
そもそもFacebookリターゲティング広告ってなんだったっけ?
仕組みの説明に入る前に、Facebookリターゲティング広告についておさらいしましょう。
ちなみに21年10月のMeta社への社名変更に伴い、Facebook広告は正確にはMeta広告と呼ばれています。
本記事では、便宜上、Facebook広告と呼びますが注意してくださいね。
そもそもリターゲティングってなに?
リターゲティング広告とは、広告主のウェブサイトに訪問したユーザーに対して「のみ」、広告を配信する手段を指します。
一度広告主のウェブサイトに訪れたことがあるユーザーは、広告主が扱っている商品・サービスに対して一定の興味を示していると言えます(熱いユーザー)。
リターゲティング広告は、この熱いユーザーに限定してアプローチできる手段ですので、費用対効果(ROAS, CPA, ROI)が高く、真っ先に検討すべき配信手段とも言えます。
ちなみに、様々な広告媒体がリターゲティング機能を提供しており、Google広告やYahoo!広告にも当然完備されております。
超余談ですが、Googleのリターゲティング広告は「リマーケティング」、Yahoo!の場合「サイトリターゲティング」という名称が使われています。
リターゲティング広告がなぜ良いのか?
リターゲティングでは一度サイトを訪問したけれども、何かしらの原因で離脱してしまった方を追跡することが可能です。
離脱原因は様々考えられます。「そもそも欲しい情報・商品がなかった」であれば、追跡したところで何も対処しようがありませんが、皆が皆そういうわけではありません。
なかには「他のサイトも検討したい」というユーザーによる離脱もあります。
このようなユーザーは自社に興味がないわけではなく、あくまでも商品・サービスを検討している段階なだけです。
なので、簡単に見捨てるのにはもったいないユーザー層と言えます。
このようなユーザー層に対してリターゲティング広告を配信することは、商品・サービスを思い出していただくきっかけを作り、顧客を育成(ナーチャリング)する手段として効果的と言えます。
実際にリターゲティングユーザーは、一般ユーザーと比較して1.7倍コンバージョンしやすいという研究結果もあります。
- 参考記事:5 Lessons Learned in Site Retargeting:Software Advice)
Facebook広告のリターゲティング広告
では、Facebookのリターゲティング広告とはどんなものでしょうか?
基本的な考え方は他媒体のリターゲティング広告と同じで、一度、広告主のウェブサイトを訪問したユーザーに対して広告配信する手段になります。
一方、他の媒体と異なるのが配信先です。
Facebookのリターゲティング広告では、主に以下の配信先が選択可能です。
- オーディエンスネットワーク
オーディエンスネットワークとは、Facebookが提携している外部パートナー(アドネットワーク)を指し、国内ではグノシーや東洋経済などが含まれます。
Google広告やYahoo!広告にも、Facebookにおけるオーディエンスネットワーク同様、外部パートナーの媒体(アドネットワーク)に配信する仕組みが実装されています。
Facebook広告のリターゲティングの仕組み
ここからは、本題のFacebook広告のリターゲティングの仕組みを見ていきましょう。
基本的な流れは以下の通りです。
一つずつ順を追って説明していきたいと思います。
事前準備(Facebookピクセル)
まずは事前準備です。Facebookに限りませんが、リターゲティング広告を配信するには事前準備が必要になります。
その事前準備で一番重要なのが、「自社サイト訪問ユーザーを識別する仕組み」を実装することです。
Facebook広告上では、これを「Facebookピクセル」というツールを使って行います。
Facebookピクセルはユーザーの行動履歴を分析するためのツールを指します。
実態は自社サイトを訪問したユーザーに対して付加される以下のショートコード(タグ)です(このようなショートコードはクッキーと呼ばれるのが一般的です)
上記のショートコードが埋め込まれたサイトに訪問すると、訪問者はそれを認知しているか否かに関わらず、このショートコードを訪問者自身のブラウザに埋め込められます。
一旦このショートコードがユーザーのブラウザに埋め込まれると、Meta社がありとあらゆる手段を使って、訪問者が使用しているFacebookアカウントやデバイス、IPアドレス等との紐付けを行います。
小難しいことが嫌いな人のために簡単に言うと、上記ショートコードは、名探偵コナンが劇場版でよく使うGPS犯人追跡機の「発信機」の役割を担います。
これを設置されると、Facebookの追跡攻撃から逃れるのが難しくなるわけです。
リタゲ広告が配信されるまでの流れ
ここからは、リタゲ広告が配信される流れを見ていきましょう。
まずはユーザーが広告主Aのサイトを訪問します。
この広告主AのサイトにはFacebookピクセルが埋め込まれています。
なので、広告主Aサーバーからレスポンスを返す際に、記事コンテンツ情報と併せてFacebookピクセルが配信されます。
この時点でユーザーが広告主Aのサイトを訪問時に使ったブラウザにFacebookピクセル(クッキー)が保存されます。
また、ユーザーが広告主Aのサイトを離脱すると、広告主Aサイト内での行動履歴を含むイベント情報がFacebookサーバーに自動送信されます。
詳細は隠されているものの、この段階でFacebook社はユーザーのFacebook IDとイベント情報の紐付けを行います。
Facebook IDと「広告主Aのサイトを訪問した」というイベント情報が紐付けされたユーザーがご自身のFacebookを開くと、Facebookサーバーから広告主Aの広告が配信されます。
なお、上記では便宜上、1人のユーザーにフォーカスしていますが、実態としては、下図のように、自社サイトに訪問してくれたユーザーデータがどんどんどんどん溜まっていきます。
これらのユーザーはFacebookピクセルによって追跡可能な状態(コナンでいう発信機がついている状態と言える)となります。
リタゲ広告の効果を向上させるには、追跡可能ユーザーの数をどんどん増やしていかなければならないので、自社サイトへのトラフィックを増やす努力が欠かせません。
そもそものトラフィックを生むには、SEO・SNS・他広告手段を行う必要があります。
これはFacebook広告の管理画面をいくらいじってもどうしようもありませんので、ご自身の努力で頑張ってください!
脱クッキー時代の切り札「コンバージョンAPI」の仕組み
サードパーティクッキーの制限で生じる問題
詳しい人であれば、ここまでの説明を受けて「クッキーの利用が制限されている状況下、どうやってリタゲすれば良いのか?」という疑問をお持ちだと思います。
というのも、近年ではプライバシー保護の観点から、iOSやGoogle Chromeなどがサードパーティクッキーを制限してきているからです。
「サードパーティクッキーってなに???」という方に、簡単にどういう影響が生じるかを説明すると
上図におけるステップ④「Facebookサーバーにクッキーとイベント情報を送信」が行えなくなる、ということです。
この動きが制限されるとなると、Facebookサーバー側で広告主Aのサイトを訪問したユーザーの特定ができなくなります。
つまり、リターゲティングが行えなくなるということです。
Facebookが編み出した解決策「コンバージョンAPI」
そこで、Facebookが編み出した新たな手段が「コンバージョンAPI」というものです。
これがどういう仕組みかというと、以下の通り、広告主サーバーからFacebookサーバーに直接ユーザー/イベント情報を送信するものです。
これを見て頂くと「最初からこの方法で良かったやん」という印象を受けてしまいますが、広告主サーバーとFacebookサーバーの情報をやり取りするために、広告主側である程度の開発が必要になることもあり、追加の手間がかかってしまうというデメリットがありました。
一方、最近では、ノーコードで実装できるようFacebook側で工夫がなされている(ShopifyやMakeshopなどとのパートナー統合)ので、多くの方にとって必要とされる労力は変わらない状況になってきております。
コンバージョンAPIの新たな可能性
また、細かい話にはなりますが、コンバージョンAPIをうまく活用すると、電話やチャット、E-メール、実店舗の訪問イベントなどを直接Facebookサーバーに送信することも可能になります。
つまり、これまでは「自社サイトに訪問してくれたユーザーにのみ」アプローチ可能だった方法が、「自社とエンゲージメントのあったユーザー」にアプローチ可能な手段にレベルアップしたと考えることも可能です。
まさに新たな可能性を秘めた方法であり、ぜひ活用を検討したいところです。
詳細な設定方法は別記事で解説します!
まとめ
以上、本記事では「Facebook広告のリタゲの仕組み」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!