中小企業診断士について

中小企業診断士の英語名称って何?【SMEC?RMC?】

どうも、Tomatsuです。

中小企業診断士

英語表記の名刺や履歴書に「中小企業診断士」と載せたいです。

「中小企業診断士」って英語表記でなんというんでしょうか?

気になりますよね。

私はここ最近までずっとRegistered Management Consultant(RMC)だと思っていました。

実際にこのブログのパーマリンク(個別ページのURL)も「registered-management-consultant」を使っていました。

ただ、実際のところは中小企業診断士の法律上の根拠である中小企業支援法は英語版」がなく、公式な統一名称はないそうです。。。

「な、なんと、、、仮にも国家資格なのに公式名称がないとは?」

とショックを受けていたのですが、文句を言っても何も始まりませんよね。

では、英語表記ではどのように表現されているのでしょうか?

いくつかの公的機関の英語ページを調べてみましたので紹介します。

中小企業診断士の英語名称って何?

今回は以下の団体を調べてみました。

  • 中小企業庁
  • 中小企業診断協会
  • 東京都中小企業診断協会

中小企業庁

中小企業診断士制度はご存知の通り

「中小企業支援法(昭和38年法律第147号)」

および

「中小企業診断士の登録及び試験に関する規則(平成12年9月22日通商産業省令第192号)」

に基づいて、経済産業大臣が登録する制度です。

ということで、経産省傘下の中小企業庁HPを見れば答えが見つかるのでは?と思い早速HPを見てみました。

するとトップページにデカデカと

「The Small and Medium Enterprise Agency」

という組織名が書かれています。

ということは「中小企業」=「Small and Medium Enterprise」だから

「中小企業診断士」=「Small and Medium Enterprise Consultant」?

と思ったのですが、ちょっと違うようです。

英語ページのIntroduction of SME Policiesを見ると下記の通り記載があります。

Registered Smaller Enterprise Consultant

The Registered Smaller Enterprise Consultant system sets official qualifications for SME business consultants under “the Small and Medium Enterprise Support Law”…

中小企業庁HPより

おお!これが答えなのではないか!と思っていたところ、そのすぐ下にこのような記載がありました。

SMRJ and the Prefectural SME Supporting Centers dispatch experts on IT introduction such as IT coordinators and SME management consultants to SMEs that are promoting IT-based systematization.

中小企業庁HPより

な、なんと、「Small and Medium Enterprise Management Consultant」と書かれてありますね。

つまり、中小企業庁としても統一名称は定めていないということが分かりますね。

英語HPを見ると明らかに数年前からアップデートされておらず、省庁としては「英語名称をそれほど重要視していない可能性が高いこと」が分かります。

中小企業庁は下記を採用

  • Registered Smaller Enterprise Consultant
  • Small and Medium Enterprise Management Consultant

中小企業診断協会

では、診断士試験で大変お世話になった我らが「中小企業診断協会」はどうだろう!?

中小企業庁の調査では残念な思いをしたので頼むでアニキ、という気分でした。

さっそくHPに飛ぶと下記の組織名が目に入ります。

「Japan Small and Medium Enterprise Management Consultant Association」

おお、ということは

「中小企業診断士」=「Small and Medium Enterprise Management Consultant」か?

と思っていたところ、英語ページに飛ぶと、以下の記載がありました。

(1)About SMEC System

SMEC, standing for Small and Medium sized Enterprise Consultant, is a non-literal translation of the original “SME Diagnostician,” or SME “Shindan-shi” in Japanese…

中小企業診断協会HPより

ぜんぜん整合取れてないやん!!!

と思っていたところ

さ、更に

衝撃の事実が発覚します。。。

なんと中小企業診断協会の概要というページに飛ぶと、、、

中小企業診断協会HPより

  

な、なんと「シンボルマーク」なるものにRegistered Management Consultantとの標記が。。。

この段階でいろいろ諦めがつき、その他の標記方法がないか?を探す旅を始めまていましたw

中小企業診断協会は下記を採用

  • Small and Medium sized Enterprise Consultant
  • Registered Management Consultant

東京都中小企業診断士協会

最後は診断士登録者数が圧倒的に多い「東京都中小企業診断士協会」です。

HPの英語ページでは以下のような記載があります。

Our mission, as Small and Medium Enterprise Management Consultants (hereafter “SME Management Consultant(s)”), is to contribute to healthy growth of Japan’s economy by supporting SMEs…

私たちは、中小企業診断士として、中小企業を支援することで、日本経済の健全な成長に貢献することを使命としており…

東京都中小企業診断士協会HPより

これは中小企業庁の片方の見解と一致していますね。

東京都中小企業診断協会は下記を採用

  • Small and Medium Enterprise Management Consultant

結局どれを使えば良いの?

以上の調査をまとめると下記の通りとなります。

[中小企業庁]

  • Registered Smaller Enterprise Consultant
  • Small and Medium Enterprise Management Consultant

[中小企業診断協会]

  • Small and Medium sized Enterprise Consultant
  • Registered Management Consultant

[東京都中小企業診断士協会]

  • Small and Medium Enterprise Management Consultant

結局どれを使えばよいのか分かりませんが、個人的見解は、

「上記のいずれかを使っていれば間違いない」

です。

TomatsuはRegistered Management Consultantがシンプルでお気に入りです。

なんでこんな不整合が発生するのか?

あくまで個人的な考察ですが、

やはり「中小企業診断士制度」そのものが日本国内の中小企業の支援を目的としているDomesticな制度であり、国際的な認知度を必要としていないため各団体がテキトーに決めているのが現状なのではないでしょうか?

今後、国内中小企業の海外進出により多くの診断士が携わることが見込まれており、ある程度は海外事業者に対して認知されることが望ましいと考えます。

中小企業庁や診断協会には早く公式見解を定めて欲しいですね!

他の士業は?

診断士を調べていたら「他の士業はどうなっているの?」と急に気になったので調べてみました。

  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 税理士

弁護士

一般的には「Lawyer」ですが、「Laywer」は弁護士に限らず検察官、裁判官や司法書士など法律に係る仕事を指す言葉のようです。

という訳で、公式にはAttorney at Lawというようです。

カッチョイイですね。

「Attorney」は「代理人」という意味です

公認会計士

Certified Public Accountantというようです。

現に、アメリカではUSCPAという国家資格がありますよね。

現地では単に「CPA」というらしいですが、日本国内では日本の公認会計士と区別するためにUSCPA(米国公認会計士)と呼ぶようです。

これもシンプルでカッコイイですね。

日本の公認会計士は日本国内でのみ通用しますが、USCPAは英語圏の多くの国で高い評価が得られる資格です。

税理士

さて、問題の「税理士」です。

日本税理士連合会によると、税理士の英語訳は昭和45年からCertified Public Tax Accountantとしてきたようです。

が、しかし、

この英語訳が「税理士の職業を適切に表現できているか?」「外国人の方々に理解されやすいか?」という指摘が多く寄せられているようです。

「弁護士や公認会計士のように世界に普遍的に存在している士業と異なり、日本独自の税務専門家を表す英語訳を決定するのは困難」

という結論から、平成23年6月9日に下記の方針に変わったようです。

以下のいずれかを採用する。

  1. Certified Public Tax Accountと標記(現行通り)
  2. 「ZEIRISHI」と標記し、必要に応じて「Certified Public Tax Accountant」を併記する

調べている最中、なんども「へぇ~」となりました。

果たして「ZEIRISHI」と記述することで外国人の方の理解が得られるか?は置いておいて、中小企業診断士界隈よりも英語表記について真剣に議論している様子が感じられ、少し羨ましく思いました。

他国ではこんな呼び方をするようです。

  • 韓国税務士:Certified Publice Tax Accountant
  • 中国注冊税務師:Certified Tax Agent
  • ベトナム税理士:Tax Consultant
  • モンゴル税理士:Certified Tax Accountant & Consultant
  • ヨーロッパ税務連合加盟税務専門家:Tax Adviser

まとめ

以上、本記事では「中小企業診断士の英語名称」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

ご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。

お答えできる範囲で答えさせて頂きます。

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!

POSTED COMMENT

  1. すけ より:

    はじめまして。興味深い記事です。

    海外でお仕事している診断士候補ですが、registerdよりもcertifiedの方が外国人には通じるため、個人的にはCertified Management ConsultantやCertified Business Management Consultantの方が良いです。

    グローバルでは認知度全くない資格ですがグローバルなネットワーク作り頑張りたいと思います。

  2. かなぶん より:

    USCPAとして外資系会計事務所で働いていました。とてもよく調べられていて感心しました。同時に、現在中小企業診断士の資格の準備もしています。

    すげさんの意見に同感です。アメリカではSmall BusinessやStart-Up Businessのような表現が多いようですが、日本での英語表記には「中小企業」を大手企業や上場企業と区別するこだわりのようなものが感じられます。中小企業診断士が大手企業にコンサルしてはいけない決まりがあるわけでなく、私もSmallやMediumにこだわる必要はないように思います。

    非常に詳細な調査に感服しました。これからもフォローさせてください。

    • tomatsu より:

      かなぶん様
      コメントいただきありがとうございました。ブログ継続の励みになります。
      そもそも診断士で学ぶ内容のほとんどが中小企業向けで無いですし、おっしゃる通りsmall, mediumにこだわる必要はないですよね。
      診断士資格のご準備もされているとのことで、今後ともよろしくお願いいたします。

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