どうも、Tomtasuです。
経営を体系的に勉強したいと思い診断士の勉強をはじめたんですが、そもそも「中小企業診断士」って需要はあるんでしょうか?
とても気になる疑問ですよね。
私自身、試験に合格してそんなに時間が経ってないので診断士の世界の全てが見えているわけではありませんが、この疑問について個人的見解に基づきお答えしたいと思います。
まずは結論から述べますが、
切り口によっては「Yes」にもなるし「No」にもなる
といったところです。
え?なにそれ?と思われたかもしれませんが、ここからひとつずつ理由を述べていきますので、気になる方はこのまま読み進めてみて下さいね。
- 中小企業診断士を勉強中または気になっている方
- 中小企業診断士の活躍の場が知りたい方
あくまでTomatsu個人の主観に基づく考察であることを予めご了承下さい
中小企業診断士って需要あるの?
まずは「No」と思う理由
まずは、個人的に「No」と思う理由について説明します。
- 認知度が低く、そもそも相談しようと思わない
- 中小企業の社長は「具体的な施策」を求めている
理由①:
認知度が低く、そもそも相談しようと思わない
これが一番大きいでしょうか。
中小企業診断士の資格を取るには、合格率4%という狭き門を通過せねばなりません。
また、私個人としても実際に多くの診断士の方々にお会いして優秀な方々が多いな~という印象は持っています。
しかし、悲しいことに診断士は「圧倒的に認知度が低い」のです。
ここで「需要」という言葉の意味を見てみましょう。
需要とは「商品・サービスに対する、購買力の裏づけのある欲求」である
コトバンク
そう、需要とは「購買欲求」なのです。
これを考えたときに診断士の需要が高いのか?と問われると簡単に「Yes」とは言えなくなってしまいます。
なぜなら、人々の購買行動を表す「AIDMA」では、「Desire(欲求)」の前に「Attention(認知)」が来ます。
つまり「診断士に相談したい」という欲求を持ってもらうには、まずは「中小企業診断士の価値を認知してもらう」必要があります。
残念ながら現段階で診断士資格の認知度は高いとは言えませんので、診断士資格を持っていることは大したシグナリング効果になりえず、その結果需要が高くはないという見方もあるという結論が生じてしまいます。
この課題に対しては地道な情報発信、地道な価値提供を通じて世の中への認知度を高めるしかないかと思います。
理由②:
顧客は「経営相談」をしない
次の理由は「顧客は経営相談をしない」というポイントです。
多くの中小企業の社長さんは法律の課題があれば「弁護士や社労士」、税務の問題があれば「税理士」を頼りますよね。
このように「問題・課題が明確になっているケース」では社長としても、その具体的な問題を解決できる士業に対して支援を求めざるを得ません。
一方で、「経営に問題を抱えている場合」はどうでしょうか?
すごく抽象的ですよね。
そうなんです。多くの場合、経営に問題を抱えている会社というのは、社長自身が「何がどう上手くいっていないのかが分かっていない」、
つまり「誰に、何を、どのように相談したら良いかが分かっていない状態」なんです。
「中小企業診断士に相談する」という発想をもった社長さんが大多数を占める世の中になれば話は別ですが、先ほど述べた通り診断士の認知度は低く、結果「経営相談をしてくる社長さんは少なくなる」という構図になります。
このような状況を解消するには、「売上アップの直接的な支援」や「補助金申請」など、具体的なサービスを提案して「顧客と一度関係性を作ることが重要」になります。
一度でも具体的なサービスで実績を残した経験があれば、顧客である社長さんとしても「実はウチの会社の経営が上手くいっていなくて、どこをどうすれば良いのかが分からんのです。。。」といった相談をしやすくなりますよね。
多くの診断士が「総合経営診断」をやりたがりますが、入口では「売上アップ」「税務対策」など具体的なサービスを提案した方が良いのです。
「診断士×○○」の○○に入る「専門性」を身につける必要があると良く言われるのはこのためなんですね。
「Yes」と思う理由
ここからはポジティブなお話をします。
切り口によっては「診断士の需要が増加する」と思う理由は下記です。
- 行政と企業を繋ぐパイプ役として数が全然足りていない
- 幅広い知識を持っている分、需要が出てくるあらゆる分野に進出できる
- 「診断士資格必須」を求人要件としている企業が増えている
理由①:
行政と企業を繋ぐパイプ役として数が全然足りていない
中小企業診断士を行政と企業を繋ぐパイプ役として捉えた場合、「診断士の数は全然足りていません」。
国は中小企業を支援するために様々な施策・サービスを提供しているものの、中小企業の社長・従業員の方々はそういった制度を知らないことが多いのです。
中小企業診断士は、行政が提供しているサービスを中小企業に対して説明し実際に導入するところまで支援することが出来ます。
しかし、中小企業白書によると、現在の中小企業の数は「360万社」ですが、それに対して中小企業診断士の数は「2万7千人」程度です。
1人で100社に対応したとしてもカバーできない数ですね。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府系金融機関や商工団体などに設置されてある相談窓口の利用状況が劇的に増えております(275,597件)。
こういった相談に対しても診断士が対応していることが多いのですが、やはり数が少なく需要をカバーできていない状態と言えます。
理由②:
幅広い知識を持っている分、需要が出てくるあらゆる分野に進出できる
中小企業診断士は幅広い知識を持っている分、あらゆる領域に進出することが可能です。
つまり、今後需要が出てくる領域に進出することで、多くの仕事を勝ち取ることができるわけです。
いまホットな分野で言うと下記でしょうか。
- 農林水産業、介護・福祉、NPOへの支援
- 新分野進出、新規創業、事業再生支援
- デジタルトランスフォメーション(DX)
- 海外展開
- 事業承継、M&A
- デジタルマーケティングを活用した売上向上支援
私も個人的に「デジタルマーケティングを活用した売上向上支援」を武器にスタートアップ企業向けのコンサルティングを行っておりますが、「中小企業診断士」というバックグラウンドを持っているおかげで、単なるWebマーケターと比較して「より俯瞰した経営に直結する提案」が行えております。
需要が伸びてくる分野の知識を身につけて、診断士としての体系だった経営知識と掛け合わせることで「付加価値の高いサービス」が提供できるようになるわけです。
こういった取り組みを積み重ねていくことで、ゆくゆくは診断士の認知度も高まり、需要が伸びていくものと思います。
理由③:
「診断士資格必須」を求人要件としている企業が増えている
ちょっと違う切り口での理由になりますが、「中小企業診断士資格」を求人要件に掲げている企業はかなり増えております。
例えば有名な外資系コンサルティング企業であるデロイトトーマツは求人要件に明確に「中小企業診断士」と記載されております。
デロイト以外にもその他コンサルティング企業や投資銀行、総合商社なども中小企業診断士資格を要件とするケースが増えてきております。
転職をひとつの出口と捉えた場合、診断士の需要は伸びていると言えるわけですね。
まとめ
以上、本記事では「中小企業診断士って需要あるの?」という疑問に対して個人的な見解を述べさせて頂きました。
他のホームページをみると診断士資格を進めたいあまりポジティブな情報しか載っていませんが、本記事ではあえてネガティブな側面も記載しました。
ご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!