どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のTomatsuです。
近年、中小企業やフリーランスのWEB集客においてFacebook広告の活用シーンが増えてきました。
モノ・サービスによってはFacebookの機械学習アルゴリズムに任せておけば上手くいっているようにみえるため、仕組みをあまり理解せずに使っている方も多いのではないでしょうか?
私自身も最初の方は仕組みを理解せず使用しておりましたが、仕組みを理解せずになかなか成果はあげられません。
そこで、本記事では「Facebook広告のオークションの仕組み」について解説したいと思います。
図解で分かりやすくまとめておりますので、まだFacebook広告を試したことない方にとって有益な情報であると思います。
それではどうぞ!
- Facebook広告を学習中の方
- Facebook広告のオークションの仕組みが知りたい方
Facebook広告のオークションの仕組み
Facebook広告では「ユーザー」が広告を表示する機会があるときに、必ずオークションが発生します。
この際、数多く存在する「広告主」は、ユーザーが発生させた広告枠を獲得するために競争を行います。
ここでは市場の原理が働きますので、ライバルが多ければ多いほど競争は激化しますし、少なければ少ないほど有利な状況を作ることができます。
Facebookが提供する広告媒体アプリ全体で、毎日数十億ものオークションが実施されているようです。
競争相手は誰か?
Facebook広告では、広告作成の際に広告を届けたいターゲットを設定することができます。
例えば、広告主Aが「都内在住の30代男性」、広告主Bが「英語をしゃべるサッカー好きな方」をターゲットとした場合、「英語をしゃべるサッカー好きな都内在住の30代男性」であるユーザーC向けの広告枠を、広告主Aと広告主Bが競い合うことになります。
オークションにおける評価基準
通常のオークションでは、ある特定の商品に対して、最高値を提示した方が落札しますよね。
しかし、Facebook広告のオークションでは「広告の総合的な価値」という一見すると意味不明な指標をつかって落札者を選定しております。
三つの価値基準
この「総合的な価値」という指標は、「広告主の入札価格」「推定アクション率」「広告品質」の三つの価値基準で構成されております。
細かい内容は後述しますが、各要素が高ければ高いほど落札の可能性が増すということです。
広告主価値と利用者(ユーザー)価値の最大化
なお、Facebookは「広告主」に向けた価値と「ユーザー」に向けた価値の最大化を図ることが理想であると考えています。
- 広告主のニーズ
成果につながる広告を可能な限り安く、広くユーザーに届けること - ユーザーのニーズ
自分のライフスタイル向上につながる広告に触れること
前述した3つの価値基準は、Facebookの理想を達成するために測定されているもので、3つの指標の最大化を促す制度設計がなされていることにより、広告主とユーザーがWin-Winの関係を築けるようになっているということです。
- 広告主の入札額
⇒ 高いほど広告主による広告配信ニーズが高い(配信意思が強い) - 推定アクション率
⇒ 高いほど広告主の成果(ニーズ)に繋がりやすい - 広告品質
⇒ 高いほどユーザーニーズに合致する
Facebookは、この理想を達成するために、広告主の入札で「広告主の意志」を、広告品質で「利用者の関心度」を、推定アクションは「広告主の広告表示の目的に対して、利用者がアクションを起こしたか」を測り、利用者と広告主がWin-Winの関係を築ける様に設計されていると言えます。
オークションのイメージ
イメージしづらいかと思いますので、ここでオークションの例を見てみましょう。
(注)イメージしやすいように単純化しておりますが、本当はもっと複雑な計算をしております。
こちらの事例では、広告主Bの方が「入札価格」は低くなっておりますが、「推定アクション率」と「広告品質」が上回り、結果、広告主Bが広告枠を勝ち取っています。
入札価格を高くすれば良いというわけではないことが分かりますね。
総合的な価値はどうやって決まるのか?
では、具体的に総合的な価値はどうやって決まるのでしょうか?
先述した三つの価値基準の各要素について見ていきましょう。
①広告主の入札額
Facebook広告では基本的に1日または任意の期間における「上限予算」を設定します。
これ以上、何の設定もしなければFacebook広告側で、予算を消化するよう各オークションにおける入札価格を決定します。
競合の状況にもよりますが、予算上限は高ければ高いほど、入札価格を高められ、落札可能性を高めることに繋がります。
入札戦略
初心者の方であれば基本的にFacebook広告が自動で算定する入札価格に従うのが良いですが、入札戦略を設定し、入札価格をある程度コントロールすることも可能です。
例えば、各オークションにおける「入札価格」を制限したい場合は、「入札価格上限」を設定することも可能です。
上図の例では、100円を上限価格に設定しております。
他にも「平均目標達成単価上限」を設定することで、広告キャンペーンにおいて最適化したい結果(例えば、リンククリック、コンバージョンなど)の単価に上限を設定することも可能です。
- 入札戦略を定めない場合は、予算上限を消化しきるようにFacebook広告が入札価格を決定する。
- 入札戦略を定める場合は、戦略設定に応じて入札価格が調整される
②推定アクション率
推定アクション率とは、特定のユーザーが、広告主が意図した目的(ユーザーにとって欲しいアクション)に沿ってアクションを実行する可能性を示す推定値です。
ややこしいですね。。。
例えば、広告主が設定した目的が「コンバージョン(自社サイトにおける商品購入)」としましょう。
このとき、広告が配信されたユーザー100人のうち2人に購入される「見込み」である場合、推定アクション率は「2%」となります。
推定アクション率はどうやって計算される?
推定アクション率は、ユーザーがこれまで取ってきたFacebook内での行動(どんな広告にどのような反応を示してきたか?など)と、広告キャンペーンのこれまでのパフォーマンスを基準にFacebookが自動的に推算します。
言いかえるとパフォーマンスを測るために必要十分な結果が得られていない場合、推定アクション率の算定精度が下がることになります(結果、オークションに勝ちにくくなる)。
統計的に有意な推定結果を出すために、目的を継続的に達成していく必要があります(上の例でいえば商品購入件数)。
つまり、目標達成のためにある程度予算を投じないといけません。
必要予算は商品・広告内容によってケースバイケースですので、実際に試しながら感覚を掴んでいく必要があります。
③広告品質
広告品質は単純に「広告とそのランディングページ(LP)がユーザーの役に立っているか?」を測る指標です。
広告とLPの品質を高められれば、入札価格を抑えることができ、費用対効果の高い広告を打つことが可能となります。
品質は何で測られているのか?
では品質はどうやって測られているのでしょうか?
Facebook広告では広告の品質を次の3つの指標で測定しています。
- 品質ランキング
– ターゲット層が同じ競合する広告と比較した際の広告全体の品質の相対評価
– ユーザーリアクションや低品質と見做される広告の特徴有無から計算される - エンゲージメント率ランキング
– ターゲット層が同じ競合する広告と比較した際のエンゲージメント率の相対評価
– ユーザーからのクリック、反応、コメント、シェアなどの確率から計算される - コンバージョン率ランキング
– ターゲット層と広告の目的が同じ競合する広告と比較した際の予想コンバージョン率の相対評価
– コンバージョンの確率から計算される
ちなみに、これらの指標は「広告関連度診断」と呼ばれており、それぞれ下記の五段階で評価されています。
- 平均以上
- 平均
- 平均以下(下位35%の広告)
- 平均以下(下位20%の広告)
- 平均以下(下位10%の広告)
なお、これらの指標の確認には、正確性の担保のために、500インプレッション以上が必要となります。
関連度診断の確認方法
これらの指標は広告マネージャから確認することができます。
デフォルトでは見れないようになっておりますので、500インプレッション獲得後に、広告マネージャのレポート画面の「列をカスタマイズ」を選択しましょう。
[広告の品質を高めることが最重要]
費用対効果の高い広告を打つには広告の品質を高めることが重要であり、下記のアクションが不可欠となります。
- ターゲットを絞る
- A/Bテストでクリエイティブ(画像、コピー)を最適化する
- 広告鮮度を保つ
具体的な施策については次回記事で取り上げようと思います。
まとめ
以上、本記事では「Facebook広告のオークションの仕組み」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!