どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
「デジタルマーケティングで集客したいんだけど、、、」
中小企業診断士として活動していると、上記のようなご相談を頂く機会が多いと思います。
皆様はこのような相談を受けた時は、どのように対応されているでしょうか?
正解・不正解はもちろんありませんが、本記事では私の対応方法について解説しようと思います。
診断士やマーケティングコンサルタントを目指している方、または成り立ての方にとっては参考になる部分も多いと思います。
ぜひ最後まで読んでくださいね!
▼最近はじめたYouTubeでも解説しております!ちょっと内容は異なりますが、こちらも覗いてみてくださいね!
- 診断士、マーケティングコンサルタントになりたての方
- 診断士、マーケティングコンサルタントを目指している方
「デジタルマーケティングで集客したいんだけど」と相談された際に最初にやるべきこと
結論から申し上げると、私は60分を使って以下をクイックに見極めます。
- 本当にデジタルマーケティングで良いか?
- リスティング広告の活用是非
なお、こちらの見極めは60分という短時間で行うことに意義があり、私自身「クイックスクリーニング」と呼んでおります。
クイックスクリーニングを行うべき理由
クイックスクリーニングを行うべき理由はずばり
「これをやるのとやらないのでは、支援の方向性や効果に雲泥の差が出るから」です。
例えば、相談者の業種・業態やこれまでの取引先との関係次第ではデジタルマーケティングよりもよっぽど良い打ち手はいくらでも思いつきます。
にも関わらず「相談者からデジタルマーケティングの相談を受けたからデジタルマーケティングでなんとかしようと考える」。
これはコンサルタントに推奨される行動ではありません。
コンサルタントは「目的」を実現する支援者
コンサルタントは相談者が思い描いている「手段」を実現するのではなく、「目的」の実現に注力すべきです。
「デジタルマーケティングで集客をしたい」は多くの場合目的ではなく手段です。
相談者が実現したいことを抽出し、その実現にデジタルマーケティングが最も効率の良い手段でなければ、デジタルマーケティングの活用は避けるべきです。
つまり、相談者の目的をヒアリングし、そこに向かうための最短ルートを目指す。
これこそがコンサルタントの実力の見せ所です。
コンサルタント側にもメリットあり
目的に最短ルートで向かうことができれば、必ず支援先から信頼されるようになります。
また、クイックスクリーニングによって検討不要なオプションを最初から除外できていれば、コンサルティング効率にも雲泥の差が生まれ、これがサービスの付加価値向上や時給アップにつながります。
もう、これはやらない手はありませんね。
ただ、私の周りのコンサルタントを見渡してみても、上記のようなスクリーニングを行わず、一般論・感覚論で支援の方向性を決定している方が多すぎると感じております。
今回この記事を書くに至ったのにはこのような背景もあります。
ここからは、クイックスクリーニングの各ステップを一つずつ説明したいと思います。
①「本当にデジタルマーケティングで良いか?」を見極める
最初のステップは「本当にデジタルマーケティングで良いか?」の見極めです。
「本当にデジタルマーケティングで良いか?」を見極めるべき理由
最初に「本当にデジタルマーケティングで良いか?」を見極めるべき理由はなんでしょうか?
これは「デジタルマーケティングが必ずしも効率の良いマーケティング手段では無いから」です。
月並みな表現ですが、中小企業はリソースが限られております。
本当は色々試したい施策はあれど、ほとんどの場合リソースネックにあり、施策展開が叶いません。
つまり、無駄にできるリソースが寸分たりともないということです。
そのような中、どのマーケティング施策にリソースを割くべきか?を見極める能力が企業の生死を分けると言っても過言ではありません。
つまりやらないことを見極めることが極めて重要ということです。
デジタルマーケティングは魔法の杖ではなく、労力・負担がかかる施策です。
デジタルマーケティングを使わず効率よく集客する手段が考えられるのであれば、そちらを優先すべきでしょう。
見極めの方法
では、どのようにしてデジタルマーケティングの実施是非を見極めるべきなのでしょうか?
判断方法は様々ありますが、私は以下のガイダンスを使っております。
- ターゲットとしている企業が100社以下か?
- このプロダクト・サービスは「これまで自社が培ってきた既存事業の顧客に対して提案可能か」?
- 既存事業の顧客リスト数は、事業目標の達成に十分か?
こちらの回答が全て「いいえ」の場合は、デジタルマーケティングを検討しても良いと考えております。
一方、例えば①の問いが「はい」の場合は、そもそもデジタルマーケティングが得意とする「広いターゲットに向けたプロモーションや認知活動」が意味を成しません。
そもそも対象ターゲットが少ないのであれば、デジタルマーケティングにリソースを割くよりも、ターゲット先に直接アプローチし、強固な関係構築に努めた方がよっぽど効率が良いでしょう。
また、②や③の問いが「はい」の場合も同様です。
この場合は、既存客とのコネクションは既にありますし、既存チャネルで意見交換を打診し、面談を重ねる過程で顧客育成していくアプローチの方がよっぽど効率が良いでしょう(既に取引関係があるのであれば、無碍にされないでしょう)。
にも関わらず「デジタルマーケティングが流行っているから」と、バズワードに引っ張られ、間違った戦略を立てている企業がたくさん存在します。
繰り返しになりますが、中小企業はリソースに限りがあります。目的に一直線に向かうためにも「本当にデジタルマーケティングが最適なのか?」を見極めるようにしましょう。
ちなみに、上記のガイダンスは垣内勇威氏(WACUL代表取締役)のBtoBマーケティングの定石で紹介されており、私自身大変共感したため、自身のコンサルティングに取り入れているものです。
レビュー記事も書いておりますのでぜひご覧ください。
②「リスティング広告の活用是非」を見極める
「デジタルマーケティングへの取り組み意義」が見出せたら、次は「リスティング広告の活用是非」を見極めましょう。
「リスティング広告の活用是非」を見極めるべき理由
理由は極めてシンプルで「顧客獲得単価(CAC)が最も優れていることが多いから」です。
リスティング広告は競合との競争が厳しくなってきておりオワコン化しているという話があります。
たしかに近年、Meta広告(旧:Facebook広告)やYouTube広告等が台頭してきており、リスティング一本ありきで考える必要性はなくなりつつあります。
ただし、リスティング広告は「自ら能動的に検索をかけている熱いユーザーにリーチできる」ため、未だに他のWeb広告媒体よりも受注効率が高いのです。
この事実はまだまだ揺らぎません。
また、「デジタルマーケティングで集客をしたいんだけど、、、」という相談をして来られる相談者はデジマの知見がないことが想像できます。
このような相談者に対していざWeb広告の実行を提案する際には十中八九、「で、どの程度の結果が得られそう?」と聞かれるでしょう。
リスティングでは成果のシミュレーションも簡単に行えますし、提案の説得力が増し、実行フェーズに移りやすいというメリットもあります。
リスティングはそもそも広告投稿にかかる労力が少ないという利点もあります。
SNSやオウンドメディアもあるじゃないか?という反論もあるかもしれませんが、これらの施策は時間と労力がとてつもなくかかります。
デジタルマーケティングを組織に根付かせるには、成功体験をクイックに獲得することが非常に重要です。
その意味でも費用対効果が合うのであれば、リスティング広告に投じるのが良いでしょう。
次回は「リスティング広告の活用是非を見極め方」を3ステップで解説
次回はステップ②の「リスティング広告の活用是非」を見極め方を3ステップで解説したいと思います。
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