どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
中小企業診断士って独占業務がないことで有名だけど、今後新たに設けられる可能性はあるの?
このような疑問をお持ちでないでしょうか?
というわけで、この記事では中小企業診断士3年目の筆者が「診断士の独占業務の今後」について考察したいと思います。
何のデータも根拠もありませんし、私見100%マックスで語ります。
暇で暇でしょうがないという方以外は、本ブログの他の有益記事をご覧いただくか、そっとブラウザを閉じて頂ければ幸いですw
中小企業診断士に今後「独占業務」は生まれるのか?
正直分かりませんが、かなり厳しいと思います。
理由は、お国としてコスパが悪いからです。
どういうことか説明していきたいと思います。
独占業務の設置には法改正が必要
そもそも、中小企業診断士に独占業務がないと言われるのは、中小企業診断士の根拠法である「中小企業支援法」に独占業務に関する規定がないからです。
独占業務のある他の士業(例えば、税理士や弁護士)の場合、それぞれの根拠となる法律に、独占規定がキッチリ定められております。
つまり、診断士も他の士業のように「独占業務」を設置するとなると、その根拠法である「中小企業支援法」の法改正が必要となります。
法改正、、、相当重たいですよね。
中小企業支援法は昭和27年に策定されました。
そもそも独占業務って何のためにある?
そもそも独占業務の目的は「国民の利益を保護すること」です。
例えば弁護士なら国民の権利ですし、医者なら国民の健康、といったイメージです。
医者以外の人が病気を患っている人の治療に携わっていたとしたら末恐ろしいですよね。
つまり、独占業務というのは、誰しもがその業務を行える状態では、国民の利益や安全を守るのが難しい領域に対して、国家試験を通じてその能力を持っていないと判断されるものを排除することが目的なのです。
参入障壁を設けることで有資格者の仕事を保護することではありません。
診断士の仕事は幅が広すぎる
こういうことを言うと「診断士の仕事が国民の利益の保護につながっていないのか?」という反論が出てきそうですが、決してそう言うわけではありません。
というのも「中小企業診断士の仕事=経営支援」です。
経営支援は誰でもできる仕事ではありませんし、知識のない人がデタラメな助言をして会社を潰しまくっていたとしたらそれは国益を阻害するでしょう。
しかし一言で「経営支援」と言っても、事業計画、人事、マーケティング、財務・会計、生産、店舗運営、法務、ITなど、あまりにも範囲が広すぎます。
広すぎるので独占規定なんて設けられない
この広い領域に対して、イチイチ独占規定を設けていたら、極端な話、大半の生産人口が「中小企業診断士」を取得しないといけない状態になってしまいます。
これではパニック状態ですよねw
「専門知識がどうしても必須な経営支援領域を特定し、限定的な範囲で独占規定を作ればどうや?」みたいな意見も出てくるかもしれませんが、これには網羅的な議論が必要ですし、お国の偉い人たちが貴重な時間を使って議論すべき論点でもないでしょう。
しかも、この議論が仮に執り行われたとしても、世の中のなんちゃって「〇〇コンサル」を排除できるのが関の山です。
これではあまりにもコスパが悪すぎますよね。
そもそも論、なんちゃって〇〇コンサルから騙されないよう、経営者側のリテラシーを向上させることを国として考えていった方が100倍有益でしょう(100%私見です)。
そもそも独占業務はいらない
という訳で、ここまで診断士の独占業務は期待できない理由を述べさせて頂きました。
しかし私はそもそも診断士には「独占業務は無いほうが良い」と考えております。
理由は下記の通り。
- そもそも独占業務があっても安泰ではない
- そもそも公的業務という枠組みがあるので十分
- 独占業務がないからこそ診断士同士のネットワークが強くなる
一つずつ説明していきます。
①そもそも独占業務があっても安泰ではない
この手の話をすると「独占業務があるから安泰〜」「ないから安泰じゃない〜」のような議論になるのですが、これは圧倒的に間違っています。
独占業務の有無はビジネスの安泰具合と全く関係ありません。
というのも独占業務があったとしても、需要に対して有資格者の供給が多ければ、競争が生まれるからです。
実際、多くの士業は供給過剰であり、同業との差別化を図らなければ食べられない状況に陥っております(登録者は増えているものの、企業数は減っている)。
つまり、診断士に独占業務をあったとしても、有資格者に仕事が保障されるものではありませんし、いずれにせよ、この状況を受け入れ、打開していく力が求められます。
独占業務があろうがなかろうが顧客開拓力は求められる。
そもそも中小企業の経営コンサルを行う診断士にこそ、この弱肉強食の状況を受け入れる心構えが必要なのではなかろうか?
②そもそも公的業務という枠組みがあるので十分
また、診断士に独占業務はありませんが「公的業務」と呼ばれるお仕事はあります。
公的業務とは、商工会・商工会議所やよろず支援拠点等の公的機関からの委託を受け、中小企業に対して窓口相談に応じたり、専門家派遣という枠組みを使って経営診断・助言に赴くような仕事を指します。
これらは中小企業診断士にとって独占領域ではありませんが、一部の領域では、そのほとんどを中小企業診断士が占めるものもあります。
要するに、診断士の資格を持っておけば優遇される仕事はあるということです。
また、METIの「中小企業の事業承継・引継ぎ支援に向けた 中小企業庁と一般社団法人中小企業診断協会の連携について」に記載されている通り、中小M&AやPMIにおける中小企業診断士のコンピテンスが注目されており、こうした領域において公的業務が増えてくる可能性は十分にあります。
このように、業務独占はないものの、診断士というポジションを使って優遇される領域は確実に存在しますので、「それで十分じゃない?」ということを言いたい訳です。
公的業務を取りまとめている公的機関に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。
③独占業務がないからこそ診断士同士のネットワークが強くなる
これはよく言われていることですが診断士は他士業と比べて横の繋がりが圧倒的に強いです。
その証拠として診断士界隈では、診断士同士が協力しあって業務遂行していくことがかなり一般的です。
また、ほぼ毎日、横のつながりから発生した何かしらのイベント・研究会・勉強会が行われ、お互いを高め合う機運が相対的に強いと感じます。
私はこの雰囲気がめちゃくちゃ好きで、診断士資格の価値の99%はこの横のつながりが占めているとすら感じます。
このような雰囲気が生まれている理由は様々あるかと思いますが、その要因の一つとして独占業務がないことが挙げられます。
独占業務がないからこそお互いをライバルとして認識せずに住み、お互いの強みを活かし合う連携関係が築けるのでしょう。
現在、筆者は診断士同士でデジタルマーケティングを研究するデジタルマーケティングラボ(DML)を運営しております(130名在籍)。
興味のある方は以下をご覧の上、問い合わせからご連絡くださいませ〜。
まとめ
以上、本記事では「診断士の独占業務の今後」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!