WEBマーケティング

【セミナー開催報告】マーケティングトレースの黒澤さんに診断士研究会にお越し頂きました!

どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。

筆者が所属している中小企業政策研究会では診断士業務に活かせるテーマを学ぶことを目的に毎月定例会を実施しています。

そして2022年5月17日(火)には、な、なんと。。。

マーケティングトレースの主宰としても著名な黒澤友貴さん(ブランディングテクノロジー株式会社・執行役員CMO)にご講演いただくことができました!!

マーケティングトレースは、デジタルマーケティングラボ(DML)でもたびたび取り上げさせて頂いておりますので、このような講演会がセッティングできて感無量です。

というわけで、本記事では、黒澤さんの講演内容をまとめていきたいと思います。それではどうぞ!

[講師紹介]

黒澤友貴
ブランディングテクノロジー株式会社
執行役員・CMO

新卒でブランディングテクノロジーに入社。中小・中堅企業向けのマーケティング支援に10年間従事。2018年6月より「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに10,000人近くのマーケターが集まる学習コミュニティ「マーケティングトレース」を主宰。マーケティング思考力を高めるための学習プログラムを作り、全国でミートアップを開催している。著書:「マーケティング思考力トレーニング」   /   「マーケター1年目の教科書」


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ご講演内容

まず大前提として、中小企業政策研究会は中小企業診断士のみで構成されておりますが、皆がマーケティングに強いわけではありません

一方、中小企業の倒産理由の7割以上は「販売不振」であり、中小企業の最も身近な支援者である診断士には「マーケティング力の向上」が求められております。

そこで今回、黒澤さんには「マーケティング思考力は鍛えられる!マーケティングトレースのすゝめと題して、マーケティング思考力アップにつながるトレーニングである「マーケティングトレース」をご紹介いただくとともに、中小企業診断実務への適用方法についてご教示頂きました。

総勢120名の診断士が参加する、大盛況の講演会となりました!

マーケティングトレースとは?

成功事例をなぞって(トレースして)成功要因を抽出する

マーケティングトレースとはフレームワークを活用して成功企業や商品・サービスのマーケティング戦略をなぞり(トレースする)、その過程で成功要因を言語化することでマーケティング思考力を養う取り組みを指します。

成功している企業や商品・サービスには必ず「成功要因」があります。

その「成功要因」を紐解くことができれば、支援先のコンサルティングや自社ビジネスに適用できるマーケティング上の引き出しが増えます

これを繰り返していけば自ずと「マーケティング思考力」が向上していくわけですね。

フレームワークで全体を俯瞰する

しかし、企業の「成功要因」を読み解くのはなかなか困難です。

そこで、マーケティングトレースでは、事例を「①事業環境の理解」、「②差別化要素の明確化」、「③価値の届け方」の3ステップに分解し、全体を俯瞰するという方法で成功要因の抽出を行います。

この過程では、PEST分析、5Forces分析、STP分析、4P(4C)分析などのマーケティングフレームワークを活用します。

私が中小企業診断士試験で各フレームワークを学んだ際には、それぞれのフレームワークを独立したものとして覚えておりましたが、黒澤さんが考案されたメソッドでは、それぞれのフレームワークを相互作用させ「外部環境⇄戦略⇆戦術」というロジックチェーンを形成します

この一連の整理が終わると、不思議なことに事例企業の成功要因の仮説が浮き彫りになってくるわけです。

もし自分がCMOだったら?

マーケティングトレースの面白いところは、成功要因を整理した上で、最後に自分がその企業のCMO(Chief Marketing Officer)だった場合、どうするか?を考えていくことです。

この最後の一手間を加えることで、単純に読み物として事例を読み解くのではなくジブンゴト化された生きた知見を得ることが可能になります。

まさにマーケティング思考を鍛える筋トレですね。

詳細は割愛しますが、今回はマーケティングトレース結果の一例として「星野リゾート」さんの事例をご紹介頂きました。

なんとなく、星野社長の露出が増えてるな〜としか考えていなかったのですが、黒澤さんのトレース結果を拝見してなぜ同社がコロナ禍において成長しているのかが良く分かりました。

なぜマーケティングトレースを開発したのか?

黒澤さんは入社後10年近くデジタルマーケティング業界に携わり、多くの中小企業の支援を行なってこられました。

しかし多くの中小企業ではいまだにマーケティング=集客という考えが拭えず、支援先への提案内容もリスティング広告の運用であったりLP改善といった施策レベルの話が主だったと言います。

本来マーケティングは「誰に」「何を」「どうやって」ご提案していくのか?というプロセスを検討することであり、「集客」はこの全体のプロセスのうちの一部にすぎません。

通常業務のみでマーケティング力を向上させることに限界を感じられたのと同時に、施策レベルの提案のみでは支援先に真の価値を提供できていないのでは?という疑問を抱いたことからマーケティング思考力を向上させるための手法」を開発されたとのことでした

徐々に活動を進めていくなかで同様の悩みを持った方が多く存在していることに気づき、現在では10,000人近くのマーケッターが集まるコミュニティに成長。日本国内のマーケッター育成に多大な貢献をされております。

「視座の高さ」「ロジカルシンキング」「行動力」全てにおいてスゴいと感じました。筆者と同い年とのことでもっともっと頑張らねば〜と感じましたw

質疑応答

冒頭の1時間半でお腹いっぱいでしたが、最後の30分を質疑応答に当てさせて頂くことになりました(めちゃくちゃありがたかった)。

質疑のなかで貴重なアドバイスをたくさん頂きましたので、2点のみ共有させて頂きます。

①ポジショニングマップの軸はどうやって設定すれば良いのか?

「ポジショニングマップの軸はどうやって設定すれば良いのか?」という質問をさせて頂いたところ顧客に選ばれる理由を起点に設定すると良いというアドバイスをいただきました。

例えば、プロダクトが選ばれる理由が「品揃えの豊富さ」と「スタッフの豊富な知識」なのであれば、「バラエティ」「買い物時のスタッフの関与度」を軸とするイメージです。

私のように不慣れな人がポジショニングマップを使うと、どうしても自社本意の要素で軸を設定してしまいがちですが、黒澤さんはこれを間違いと指摘されております

なぜなら、例えば自社がどれだけ「精巧な加工」を売りにしていても、顧客が精密加工を求めていない限り、この要素を競合との差別化ポイントとして打ち出しても顧客に全く響かないからです。

最終的に買ってくれるのは顧客なので顧客起点で考えることが重要ということです

基本中の基本ではありますが、私を含め多くの方々は忘れがちかと思いますので、何度も何度も「顧客起点」と唱え続けたいと思います。

②顧客に選ばれる理由を探るにはどうすれば良いでしょう?

次に「顧客に選ばれる理由を探るにはどうすれば良いでしょう?」という質問をさせて頂いたところロイヤル顧客に購買時の行動を再現してもらうのが良いというアドバイスをいただきました。

例えば「どんな媒体(自然検索、Web広告、SNS)から自社ページに辿り着いたのか?」、「LPをみた後どのような動線をたどったのか?」を再現してもらうイメージです。

私のように単純な人間であれば「なぜ当社のサービスを選んだのですか?」と聞いてしまいますが、これでは顧客から的を得た回答は得られません。

なぜなら自身の購買行動を100%理解している消費者は存在しませんし、消費者は企業からインタビューを受ける際、程度の問題はあれど企業側に忖度して「本心とは異なる回答」をしがちだからです(良いことを言おうとする気持ちが働く)

一方、顧客が「購買時に実際に取った行動は精度高く抽出可能なデータであり、この行動事実から消費者心理を探ることは可能です。

この行動事実から顧客の深層心理を突き詰め、マーケティングに反映していくのがマーケターの仕事というわけですね。

こちらは私がまさに現在課題感を持っていた領域でしたし、かなりハラ落ちしました。

今後の診断士実務にも活かしていければと考えています。

なお、「ロイヤル顧客」へのアプローチ方法については西口一希氏(元P&G、スマートニュース)の「たった1人の分析から事業は成長する 実践顧客起点マーケティング」をお奨めされました。

まとめ

今回、黒澤さんにご講演いただき、改めてマーケティング思考力を養うことの重要性」と「支援先に価値を提供するにはマーケティング全体を俯瞰してみることの重要性」を学ばせて頂きました

この気づきを中小企業支援に生かすと同時に、診断士業界にマーケティングトレースを幅広く普及させたい考えております。

また、黒澤さんは中小企業向けのデジタルマーケティング支援をご専門にされており、中小企業診断士とのシナジーもあるかと思います。

今後コラボの機会を頂けるよう精進していきたいと思いました。

最後に、黒澤さんの著書を紹介して終わりにしたいと思います。

今回のセミナーでお話し頂いたマーケティングトレースの話は、「マーケティング思考力トレーニング」に各企業の事例とともに詳しく記載されております。

マーケティング思考力を向上し、中小企業の売上アップに貢献したい方々は必読ですので、ぜひ手に取っていただければ幸いです。

以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!