どうも、Tomatsuです。
この記事では2019年度2次試験『事例III』について、「私の再現答案」を交えて解説をしたいと思います。
個人ブログの特性上、独断と偏見が含まれていますが『イチ受験生のリアルな解説』として捉えて頂ければ幸いです。
事例III再現答案│2019年度(令和元年度)
まずは私個人の得点ですが、以下の通り事例IIについては「56点」と合格点ギリギリ届かずの結果でした。
各設問の再現答案と合わせて試験中の思考回路も紹介ますので、「リアルな受験生は試験中こんなこと考えてるんだな~」というイメージを掴んでみて下さい。
第1問(配点:20点)
【設問文】
C 社の事業変遷を理解した上で、C 社の強みを 80 字以内で述べよ。
【解答】
強みは、①設計・機械加工・熱処理加工が可能な一貫生産体制②特殊な技術を要する熱処理技術の有資格者が在籍している事③金属部品の製造業からの受注が増加していること。(80字)
【試験中の思考回路】
- SWOTは最終問題との一貫性が大切なので後回し
- リスク分散のためにキーワード盛り込み
- 「一貫生産体制」は事例III企業の強みとして度々出てくる
- あくまで与件ファースト
第2問(配点:20点)
【設問文】
自動車部品メーカー X 社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C 社における 生産面での効果とリスクを 100 字以内で述べよ。
【解答】
効果は①量産体制により材料調達効率化が図れる等、規模の経済性が働くこと②新規顧客向けの量産技術ノウハウが身につくこと。リスクは、①新たな工作機械への対応が必要②多額な設備投資が必要であること。 (96字)
【試験中の思考回路】
- 「生産面の」という制約を外さないこと
- リスク分散のため「効果」「リスク」の両方を多面的に答えること
第3問 設問1(配点:設問2と合わせて40点)
【設問文】
X 社から求められている新規受託生産の実現に向けた C 社の対応について、以下 の設問に答えよ。
(設問 1 ) C 社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のための新工場の在り方について 120 字以内で述べよ。
【解答】
在り方は、①X社向け以外の機械加工が可能な汎用ラインを有する事②作業の標準化・マニュアル化しOJT・研修などで定期的に共有し徹底する事③SLP等で最適な工場レイアウトとし一人当たり生産性を極限まで高める 。(98字)
【試験中の思考回路】
- 「在り方」って何だ?「在り方」は「課題」と同意語と捉えよう
- 与件文からの情報に知識を肉付けし、因果で答える
第3問 設問2(配点:設問2と合わせて40点)
【設問文】
X 社から求められている新規受託生産の実現に向けた C 社の対応について、以下 の設問に答えよ。
(設問 2 ) X 社と C 社間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるた めに、これまで受注ロット生産体制であった C 社では生産管理上どのような検討 が必要なのか、140 字以内で述べよ。
【解答】
必要な検討は欠品や過剰在庫を防止するための生産計画・統制体制の構築。具体的には①X社からの内示・受注情報を材料商社と共有し生産リードタイムに響く部品の欠品を防止すること②外注かんばんに基づく全社的な日次生産計画の立案および生産統制の強化で進度管理を徹底し在庫最適化を図ること。(138字)
【試験中の思考回路】
- 何だこの難問は?与件情報の抜出しと整理が難しい
- おそらく皆できていない。差はつきずらいであろうから時間をかけず知識ベースで解答しよう
- 「生産計画・統制の構築」は使いやすいフレーズ
第4問(配点:20点)
【設問文】
新工場が稼働した後の C 社の戦略について、120 字以内で述べよ。
【解答】
戦略は、①営業体制を強化し工業会が開催する商談会で新規顧客開拓を行うための提案営業を実施②ベテラン作業者の技術承継を図り、強みの熱処理技術の維持・向上③小集団活動の運営により作業設計等を定期的に見直し一人当たり生産性を極限まで高める。 (117字)
【試験中の思考回路】
- 最終問題は強みを活用すること
- 営業体制を整えて成長を図る施策を打つこと
- 多面的に解答すること
事例IIIを振り返って
難易度
振り返ってみますと今年の事例IIIの難易度は「かなり高め」だったと言えると思います。
というのも与件文から事例企業の問題点や弱み、脅威のようなポイントがなく、自らの知識をもとに各設問を解かなければならなかったからです。
問題3設問2については、与件文の情報を抜き出しと整理が困難で、特に取り組みづらかったものと思われます。
事例IIIが終わった瞬間、心の底から「オワタ」と思いました。
一方で諦めるわけにもいきませんでしたので、「おそらく周りも出来ていないであろう」と自分に言い聞かせて事例IVに挑んだのを覚えています。
反省点
個人的な反省点は下記です。
- 与件文の読み取りで普段より時間をかけてしまったこと
- 全体として一貫性に欠ける解答になってしまったこと
- X社依存からの脱却について言及できなかったこと
- 最終問題が「戦略」というよりも「戦術」よりの解答になってしまったこと
事例IIIは「知識」と「型」が大事
事例IIIは「知識」と「型」をしっかり固めることが重要です。
「知識面」については、2019年度試験では「マシニングセンタ」「各種工作機械(旋盤、フライス盤、研削盤)「後工程引取方式」「かんばん」「差立て」などが問われました。
過去問をさかのぼると下記の知識が問われていますので、しっかり整理しておく必要があります。
- 生産方式(受注生産、見込生産、連続生産、ロット生産、個別生産、セル生産方式)
- SLP(PQ分析、レイアウト)
- 在庫管理(発注方式[定期、定量]、ABC管理)
- IE
- 設備保全(事後保全、予防保全、予知保全、保全予防)
- CAD/CAM
また、「型」としては下記を身につけておく必要があります。
事例IIIで使える「型」
[考え方]
- 第1問のSWOTは最終問題を解いてから取り組む
- 生産統制を意識(進捗管理、現品管理、余力管理)
- 多面的な解答を心がける(QCD+育成面+営業面)
- 強みは徹底的に活かす
- 近隣企業とのパートナリングを行う
[よく使うフレーズ]
- 属人化された○○を標準化・マニュアル化し、OJTで共有
- 生産統制を徹底し○○すること
上記の記事に事例IIIのポイントについてまとめていますので、こちらもあわせてお読みください。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました!