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FF7リメイクの成功要因を中小企業診断士が勝手に分析【答え:圧倒的なマーケティング力】

どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のTomatsuです。

今回は、2020年4月に発売された神ゲー・オブ・神ゲーであるFF7リメイクの成功要因について、いちおう経営コンサルタントな私がマーケティングの視点から分析します。

需要が全く無いのは承知しておりますが、1ミリでも興味のあるFFファンの方や、中小企業診断士の戯言に興味がある方はぜひお付き合い下さいw

FF7リメイクのリリースで収益性が爆発的に改善

上述の通り、FF7リメイクは言わずと知れた神ゲー中の神ゲーです。

全世界で累計出荷・ダウンロード販売本数が500万本を突破しており、名実ともに大ヒットコンテンツと言えます。

本作のリリースにより、スクウェア・エニックスの20年度第一四半期の売上高は533億円⇨870億円に伸び、営業利益率も9%⇨27%と20ポイント弱の伸びを記録しており、同社の業績に大きく貢献しました。

開発年数が長く、予算をじゃんじゃん費やしているイメージが強いですが、IR情報からも読み取れるように、本作のみでもFF7リメイクは十分業績の押し上げに貢献していることが分かります。

成功要因は何か?

では本作が成功した要因は何でしょうか?

「細部まで作りこんだ美麗なグラフィック」、「個性モリモリの魅力的なキャラ」、「没入感マックスのバトルシステム」、「原作の良さは維持しつつこだわりの編曲により破壊力を極限まで高めたBGM」、「目からウォタガを誘発する感動ストーリー(今回はその入口のみだが)」。。。など、並べ始めたらキリがありません。

しかし、グラフィック、キャラ、バトルシステム、BGM、ストーリーはあくまでもコンテンツを構成する要素であり、これだけで商業上の成功が収められたと結論づけるのはあまりにも短絡的と言えます。

私は個人的に、FFの成功要因は圧倒的なマーケティングに基づくものであると思っています。

しかも、それはそれは緻密な計画に基づいたものです。

あくまで個人的な仮説ですが、スクウェア・エニックスは下記の3段ロケット法でFF7リメイクのマーケティングを計画したものと考えております。

  1. 「ロイヤル顧客」の感情に火をつけ「ロイヤル顧客予備軍」の購買意欲を促進
  2. 緻密なターゲティング・広告戦略で「認知・未購入顧客」の取りこぼしを阻止
  3. UGC誘発により情報爆発を起こし、FF7熱の維持と未認知顧客を掘り起こし

 

これだけでは何を言ってるのか分からないと思いますので、ここから一つずつ深掘りしていければと思います。

読み終える頃には「うわ、スクウェアさん、すげえ」ってなっていること間違いなしですので、最後まで読んで頂ければ幸いです。

ぜひ、ここからは神曲中の神曲であるFF7リメイクのメインテーマを聴きながら読んで頂ければ幸いです。

心穏やかになること間違いなし。植松さん最高!

戦略①:ロイヤル顧客への火付け

まずは戦略①です。

私は、スクウェア・エニックス社内のマーケ戦略上、最優先課題として掲げられたのは「ロイヤル顧客への火付け⇨ロイヤル予備軍への熱の伝染」だったのではと思っています。

というのも、FF7リメイクは分作であるのにも関わらず、フルプライスである「9,878円」とかなり強気な価格を打ち出しておりました。

ロイヤル顧客は放っておいてもフルプライスで買ってくれるでしょうが、予備軍ともなれば、「中古が出回ってからでいいや」と考えても不思議ではありません。

現に私がそのような状態でした。

そこで考えられた施策が「自燃型であるロイヤル顧客に火をつけ、その爆発力をもって予備軍に熱を伝染させる方法」だったのではと思っています。

感情マーケティングによる火付け

では、どうやってロイヤル顧客の心に火をつけたのでしょうか?

答えは「感情マーケティング」です。

顧客が購買を判断する際には、ニーズ(必要性)とウォンツ(欲求)の2つが関係してくると言われています。

感情マーケティングは、このうちウォンツを刺激することにより、顧客の購買行動を喚起するというものです。

顧客の購買行動は、ニーズよりウォンツが大きな影響を及ぼすとしているからです。

更にウォンツを刺激された顧客はその熱を周りに伝染しやすいと言われております。

この伝染熱をもって予備軍の購買意欲を刺激するという作戦な訳です。

失望から歓喜でロイヤル顧客の感情は揺さぶられまくり。こりゃ買わないわけがない。

ではどうやってロイヤル顧客の感情に火をつけたのか(ウォンツを刺激したのか)。

答えは「ファンの期待値をコントロールして気持ちを揺さぶりまくる」です。

このやり口がすごかったのです。

百聞は一件にしかずなので、動画がみれる環境の方はぜひこれをご覧ください。

動画が観れない方のために要約すると、下記の通りとなります。

裏切りの2014年

2014年、アメリカにてSONYのゲームのみを取り扱うPlay Station Experience 20141というイベントが開催されました。

すると、

会場にスクウェア・エニックスのゲームプロデューサーである橋本真司さんが登壇。

会場のゲームファンの方々からすると「何だ何だ?」となったはずです。

すると橋本さん、なんとこんな発言をされました。

橋本氏:「あのタイトルが再びプレイステーションに戻ってきました」

な、何?!!

もしかして「あのタイトルが戻ってくるのか?」

会場の方々はこう思ったはずです。

前提をお話しすると、97年に原作となるPS1バージョンのFF7が発売されて以降、ファンの間では「FF7のリメイクはいつ発売されるのか?」といった議論は度々されてきました。

PS2の時代には「は〜、PS2の最新グラフィックでFF7がプレイできればな〜」

PS3が発売されてからは「このグラフィックでFF7がプレイできたら死んでも良い」

こんな会話がファンの間で交わされていました。

私自身もそのような会話をしていたファンの一人でした。

そのような中、こんな発言が出てきたので、「も、もしかしてPS4で、、、お、俺たちはFF7がプレイできるのか?」と期待したファンが出てきたのも頷けます。

お家でPlay Station Experience 2014を見守るファンの方

しかし、

そこで再生されたデモ動画がこちらです。

そう、

会場で再生されたデモ動画はただの原作版の焼き回しだったのです。

。。。

解説者が語っているように、

オレたちが求めているものを分かっていない

こう思わされたファンの間では、落胆の声が広がりました。

「はぁ、オレたちはFF7リメイクを一生プレイできないんじゃないか」

こう思ったファンも多かったと思います。

歓喜の2015年

しかし、翌年の2015年に事件が起こりました。

世界最大のゲームショウである「E3」にて突然。。。

会場の大きなスクリーンに突然FF7のプレイ動画が再生されました。

しかし、この時点でファンは至って冷静です。

なんせ前年に期待を大きく裏切られたのだから。

しかし、

その後、

司会者が登場しこんな発言をします。

司会者:「会場、並びにお家でご覧のファンの方々に大きなプレゼントを用意しました」

アメリカ人らしい言い回しですね。

しかし、この発言を聞いてもまだファンは半信半疑です。

しかし、

その後、

会場の大きなスクリーンが真っ暗になり、

な、何と超・超美麗なグラフィックで描かれたミッドガルが映し出されます。

しかし、一部のファンはまだ冷静です。

中には映画オチを心配する声も

しかし、

その後、

何と、あの待ちに待ったクラウド様が画面に登場

そしてナレーションによって

「PS4でのリメイク発売正式決定」が公表され

会場は大パニック

お家で見守るファンも

まるでアポロ13号が地球に帰還した際の管制塔さながらの盛り上がりを見せました。

元バルサのシャビ似のおっちゃんが言っているように

大多数のファンがスクウェア・エニックスに対して

「アイツらやりやがった」

と思ったことでしょう。

ポイント:期待値コントロールで心を鷲掴み。購買意欲を倍増

ここでのポイントは、2014年に期待値を一旦下げ、その後、一気に巻き返したことによって、顧客の感情を激しく揺さぶったことです。

この出来事により、ゲームショウを観ていた「いわゆるロイヤル顧客層」はオンライン・オフライン問わずあらゆる場面でFF7に関する話題が持ちきりになりました。

そう、ロイヤル顧客層は、この発表の瞬間に立ち会えたことを自慢したいがために、いわゆるロイヤル顧客予備軍に「E3でこんなことがあったんだぜ」と報告して、自ら広告塔となった訳です(しかも熱量MAX)。

彼ら、彼女らの熱量MAXの説明を受けて購買意欲が一気に高まった予備軍も相当多かったことでしょう(私もその一人です)。

この期待値コントロールについては、意図的にやったのか否か?が議論されていますが、私はスクウェア・エニックスのマーケチームなら計画していたものと踏んでいます。

戦略②以降は次回記事で

戦略①では「ロイヤル顧客を火付け役として予備軍の購買意欲の促進」について解説しました。

しかし、これではボリュームゾーンである「認知・未購入客」へのアプローチは不十分です。

ちょっと長くなりすぎたので、戦略②「認知・未購入客」へのアプローチについては次回記事で解説したいと思います。

それではまた!

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