どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
「優秀な人材がなかなか定着しない。。。」
「売り上げが頭打ちで伸ばす方法が分からない。。。」
「新しいことに取り組みたいけどアイデアもノウハウもない。。。」
このようなお悩みを抱えておりませんでしょうか?
私は中小企業診断士として多くの企業を支援させて頂いておりますが、多くの経営者が「コロナ禍」「SDGs」「働き方改革」への対応など、日々目まぐるしく変化する経営環境において、無数の悩みのタネを抱えている状況を目にしてきました。
一方、経営者が最も頭を抱える悩みは時代や環境に左右されず普遍的です。
本記事では「企業経営者が抱える悩みTOP3と解決のヒント」について解説させて頂きます。
かなり多くの企業様に該当するかと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
それではどうぞ!
- 経営者の方
- 経営者を支援されている専門家の方(税理士、弁護士、中小企業診断士など)
経営者が抱える悩みTOP3
経営者は会社の頂点であり、すべての意思決定を任される最終責任者でもあります。
それがゆえに、会社の業績は良くも悪くも経営者の責任であり、社内でも本音を打ち明けられる相手がおらず、日々大きなプレッシャーと独りで向き合わなければなりません。
このプレッシャーの大部分を占める要因(悩みのタネ)は何なのでしょうか?
悩みTOP3=「人材」「販売力」「新しい取り組み」
まずは統計データを見てみましょう。
以下は中小企業庁が毎年発行している「小規模企業白書」からの抜粋です。
出典:2020年版「小規模企業白書」より
白書によると中小企業、小規模事業者の経営課題のTOP3は以下の通りです。
- 人材(確保・育成)
- 販売力(営業・マーケティング)
- 新しい取り組み(新商品・サービス、付加価値向上)
白書は毎年発行されておりますが、事業者が抱えている経営課題の部分は毎年同じであり、このTOP3の悩みは、どの時代・事業環境においても普遍的であると言えます。
また、これらの悩みのタネは中小企業診断士として多くの企業様を支援させて頂いてきた肌感覚とも一致します。
中小企業・小規模事業者の倒産理由とも一致
経営者が主観的に感じる課題と「最も正しい課題(最優先で解かなければならない課題)」は必ずしも一致しないケースがあります。
例えば、経営者が自社HPの見栄え(デザイン)が問題だと感じている状況においても、売上に繋がっていない真因を客観的に分析すると「そもそもサイトへのアクセスが生み出せていない」などの状況が多々ございます。
経営資源を「正しい課題」に効率よく投じるには、経営者が掲げる経営課題が客観的事実に基づいて正しいのかは見極める必要があります。
しかし、上記TOP3の悩みに関しては、実際に重要な経営課題であると言えます。
2018年東京商工リサーチ統計情報より当サイトにて作成
こちらは、東京商工リサーチによる中小企業・小規模事業者の倒産理由を示しておりますが、TOP2が「販売不振」「既往のしわ寄せ」となっております。
販売不振の理由はもちろん「販売力不足」ですし、既往のしわ寄せの理由は「新しい取り組みに着手できていないから」、新しい取り組みを推進できる「人材が不足しているから」です。
つまり、多くの経営者が抱える悩みのタネである「人材」「販売力」「新しい取り組み」は会社を挙げて取り組まなければならない課題であることが分かります。
1位:人材に関する悩み
経営者が抱える人材面での最も大きな悩みは「優秀な人材が育成できない・定着してくれないこと」です。
優秀な社員が定着しないことのデメリット
優秀な社員が定着しないことで発生するデメリットは相当大きいです。
- コストの増大(採用・育成)
- 会社の評判低下
- 上記による負のスパイラル
社員を雇用するには多大なる採用コストや教育コストが必要です。
長い期間をかけて育成をしていったとしても離職されてしまうと、新たな人材を雇うためのコストがかかりますし、職場に蓄積できていたはずの知見も人と一緒に外に出て行ってしまいます。
また、離職率の高い会社は労働環境や悪い可能性を勘繰られてしまい、評判が悪くなってしまいます。それゆえ、新たな人材を獲得するために更に高いコストを投じねばならず、負のスパイラルに陥ってしまいます。
解決に向けての第一歩
競合企業と比べて定着率が低い会社は、その人事制度に根本的な問題があるケースが多いです。
以下の切り口から自社の状況を整理し、最も取り除かなければならない問題を見極める所から始めるべきでしょう。
- 採用・配置
新卒・中途のバランスは?社員配置は適材適所か? - 賃金・報酬
自社には年功序列・成果主義が合っているか? - 能力開発
OJT・OffJT・研修制度は十分か? - 評価
能力や成果に見合った評価が実施できているか? - モチベーション
風通しは良いか?モラールが向上する仕組みが実装されているか?
なかなか改善が難しい要素ではありますが、どの要素が自社の定着率低下に効いているのか?を見極める所から着手し、一つずつ改善を進めていってみて下さい。
2位:販売力に関する悩み
「販売力の向上」は多くの会社が抱える根本的な経営課題です。
販売力欠如によるデメリット
販売力が欠如していることのデメリットは言わずもがなですが、以下の通りです。
- 赤字経営・倒産リスク
- 新しい挑戦への原資枯渇
- 社員の士気低下
強い販売力は会社存続に必要な利益の源泉であり、この販売力が低迷するということは会社が赤字に転落したり、更には倒産に陥ってしまうリスクを孕んでおります。
また、会社の利益剰余金(いわゆる内部留保)を枯渇させてしまうため新しい挑戦に取り組めなくなり、社員の士気減少を招く要因にもなります。
解決に向けての第一歩
まずは販売力が低迷している要因を突き詰める必要があります。
幾つか理由は考えられますが、外部環境要因・内部環境要因に分けて考えることが重要です。
[外部環境要因]
- 大手チェーンとの競争激化
- 競合店との差別化の必要性
- 販売チャネルの変化(対面からECへ)
[内部環境要因]
- 営業ノウハウの属人化
- サービス品質の低迷
- 技術力低迷によるコスト増を価格に転嫁
販売力の改善に簡単な処方箋はありません。あらゆる切り口から自社の販売力が低迷している理由をつきつめ、解決策を議論・整理していくという意識が必要になります。
昨今、中小企業・小規模事業者の販売力不振の大きな原因となっているのが「デジタルマーケティングへの対応不足」が挙げられます。
当サイトではデジタルマーケティング関連のお役立ち情報を発信しておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
3位:新しい取り組みに関する悩み
企業は外部環境との関係性や日々の新陳代謝でなりたっており、その存続には常に新しいことにチャレンジする文化が必要です。
一方、上記は心得ているものの、新規事業や新商品開発などの新しい取り組みにチャレンジできず悩んでいる企業も多いです。
新しい取り組みが生まれないことのデメリット
新しい取り組みが生まれない会社は遅かれ早かれ、以下の状況に陥ります。
- 他社との競争激化による業績不振
- 既存事業の縮小による業績不振
- 社員の士気低下
いまは上手くいっている企業でも、その業界の存続や競合の出現はイチ企業ではコントロールすることは不可能であり、遅かれ早かれ、競争激化・既存事業の縮小による業績不振に陥る可能性を孕んでおります。
また、仕事のやりがいやエンゲージメントが大切とされる昨今、新しい取り組みが生まれない会社は働き甲斐がないと感じられ、社員の士気が低下してしまう恐れがあります。
解決に向けての第一歩
新しい取り組みが生まれないことには幾つか要因があります。
- 社内の抵抗勢力の存在
- 無関心層の存在
- 経営者による放漫経営
- 知見・ノウハウ・人材不足
新しい取り組みに着手するには、これまで投じていた時間(リソース)を別の取組に割かなければならないことを意味します。
既存事業で活躍していた人材を引き抜く等、社内で軋轢を生む状況になるため、社内に抵抗勢力がいる場合は、その説得に時間を割かなければなりません。
また、無関心層の存在や経営者自身の放漫経営や、そもそも論でいうと知見・ノウハウ・人材不足も新しい取り組みを推進する上でブレーキ要因となります。
これらのうち、どの要素が問題となっているのかを分析し、解決するためにどのような取り組みが可能か検討する所から始めましょう。
どうしようもない場合は専門家に相談しよう
ここまで読んで頂いた方はお気づきかもしれませんが、すべての課題に対して「解決に向けての第一歩」として「現状を把握すること」をお勧めさせて頂きました。
世の中には千差万別な課題がありますが、その解決プロセスは以下のとおり普遍的です。
- 現状把握
- 課題設定
- 課題解決策の検討
- 実行
- 検証
経営者は良くも悪くも自社事業に一番近い立場におりますので、近視眼的に課題を決めつけているケースが多々見受けられます。
すると課題解決プロセスの中で最も重要な「現状把握」のステップをすっとばしてしまい、会社の貴重な資源を誤った課題解決に割いてしまうことになります。
現状把握のステップは、自社の状況を俯瞰でみることのできる第3者に依頼することも一案であり、日々あらゆる会社の経営相談に携わっている士業や有資格者に相談するのも良いでしょう。
以下の記事では、このような士業や有資格者とつながることができる経営相談窓口をまとめておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
まとめ
以上、本記事では「経営者が抱える悩み」TOP3と解決のヒントについて解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!