どうも、Tomatsuです。
「社員が徹底解説!プラントエンジニアリング業界とは?」では業界の大まかな紹介をさせて頂きました。
特徴や働くメリット・デメリットについては説明できていなかったので、今回はそこを深堀したいと思います。
プラントエンジニアリング業界の特徴と働くメリット
[メリット]グローバル人材になれる
エンジニアリング業界に入ると、自ずと海外案件に携わるチャンスが多くなります。
これは、売上に占める海外案件の比率が圧倒的に大きいからです。
専業三社(日揮、千代田化工、TEC)に至っては8割超が海外案件です。
国内はEV化の流れで製油所改造案件も小粒化しており衰退産業まっしぐら感がありますが、海外案件はLNGや石化プラント、再エネ案件を筆頭にまだまだ元気です。
というわけで、下記の特徴があります。
- 駐在・海外出張がとにかく多い
- 国内本社にいても打ち合わせやメール等で国外の方々とやりとりする
つまり、文字通り「世界を股にかけるグローバル人材」になれるということです。
良い響きですねえ。
社内のエレベータに乗ると周りは全員外国人でした、なんてこともザラです。
現場駐在や出張のオンパレードは正直大変ですが、仕事でしか行けない国に行くことができ、異文化にも触れられ、大変貴重な経験ができていると思っています。マイレージも溜まりますし。。。
なお、業務遂行上、英語力(リスニング、スピーキング、ライティング)は必須ですが、会社に入ってから十分身に付きますので、英語が不得意だからといって応募に躊躇する必要はありません。
[メリット] 地球規模の課題解決に携われる
エンジニアリング業界の仕事は、地球規模の課題解決に繋がります。
例えば、エネルギー、水、食料、など人間が生きていく上で不可欠なモノの生産に寄与します。
特に後進国への貢献は大きいです。
海外でプラントを造るには、現地の建設コントラクターの協力が必須であることが多いです。
そういった方々のために仕事を創出するという観点においてもエンジニアリング会社の貢献は大きいと言えます。
私は経験できていませんが、先輩社員曰く、自分たちが建ててきたプラントを起点に実施国の経済が潤い、町や住民が成熟していく姿を見ていると、何事にも代えがたい達成感が得られるようです。
私もいずれこの境地に立ってみたいものです。
就活生の方は、就活を本格開始する前に自己分析をやられるかと思いますが、「周りを喜ばせるのが好き」だとか「貢献意識が強い」と感じられた方は、エンジニアリング業界に向いていると思います。
[メリット]海外手当半端ないって
この業界の特徴と言えば現場駐在、海外オフィス駐在です。
異国の文化に触れ、グローバル人材としての成長に寄与する良い機会ですが、何よりのメリットは「給料」ではないでしょうか。
現場・海外オフィス駐在では海外手当や日当も付きます。また、大声では言えませんが残業代も青天井のことが多いので、とにかく給料が激増します。
また、宿泊費、食費、交通費、の全てが会社持ちになります。
つまり、給与明細分がそのまま口座に溜まり続ける、ということです。
新入社員が現場に行って半年後帰ってきたら銀行口座に300万円溜まっていた、なんてこともザラです。年次が上がっていけば数年でキャッシュでお家が買えるくらいの給与になります。
ただし、国内勤務期間の給料はとても平均的です。
四季報の数字は現場駐在員の数字も入っておりますので、だまされないよう注意ください。
ちなみに私は国内勤務組ですので給料は。。。お察しの通りです。
[特徴]アドホックな働き方(同じ仕事は二度と無い)
エンジニアリング会社は、EPC事業を生業としていますが、EPC事業はプロジェクトベースの仕事です。
プロジェクトマネジメント協会(PMI)によると、プロジェクトというのは、ある目的を達成するための計画で、「有期性のある業務」と定義づけられています。
つまり、開始時期と終了時期が明確に決まっているということです。
EPCは長くても5年ほどですが、一エンジニアが在籍する期間は1~2年程度です。
エンジニアは、2年ごとにプロジェクトを転々と変え、徐々に役割・責任を増やしながらキャリアアップを図っていくのですね。
この業界は、毎日新しい仕事をしたい!、ルーチンワークが苦手。。。といった方にはオススメと言えます。
[特徴]マトリックス組織
プロジェクトが開始すると、プロジェクトマネジャーの号令により、各部門から専門性を持ったメンバーが臨時的に招集され、プロジェクトチームを組成します。
招集されたメンバーの視点でみると、プロジェクトチームでの上司はプロマネになりますが、一方で部門(職能・専門別に組成されている半永久的な組織)にも部門長という上司がおります。
上司が二人いるということです。
これは「ワンマンツーボス制」と言い、時折ボス同士の争いや指示系統の乱れなど、組織に混乱を生むきっかけを作ります。
しかし、プロジェクト業務で求められるスピード感と専門性の蓄積(組織知化)を両立させるには必須の組織形態です。
部門のサイロ化防止にもつながり、風通しの良い組織の構築に一役買っています。
マトリックス組織の運用はエンジニアリング会社の特徴ともいえます。
エンジニアリング会社で働くデメリットと課題
では、エンジニアリング会社で働くデメリットはなんでしょう?
一つずつ見ていきましょう。
[デメリット]激務
エンジニアリング会社の多くは激務で知られています。
最近は働き方改革もあり、各社とも労務管理を厳しくしておりますが、あまり上手くいっている印象はありません。
仕事量が変わらないので、「人を増やす」、又は「業務効率化する」以外の方法でカバーしようとしても上手くいく訳ありませんよね。
プロジェクトベースの仕事をしていると、汎用ICTシステムが痒い所に手が届かないことが多く、山場では「人海戦術でカバー!」になることが多いです。
山場では残業や休日出勤に頼らざるを得ないということです。
各社ともこの状況を重く捉えており、本質的な業務改革により、社員が働きやすい環境の構築に邁進しております。
ただし、業務改革はすぐに達成できるものではなく、この激務状況はもう数年間は続くかと思われます。
激務耐性が無いと思われる方、アフターファイブは週5で満喫したい、という方はエンジニアリング会社向きではないかもしれません。
[課題]新たな事業の柱を作れるか?
プラントエンジニアリング会社は良くも悪くもEPC事業の遂行に特化しています。
プロジェクトを受注→プロジェクトを遂行→完工!→新たなプロジェクト受注→サイクル続く
こんなサイクルを長年続けているため、プロジェクトの遂行能力は鬼のように強いのですが、それ以外の能力はスカスカです。
このような形でも長年食べてこれたのは、石油・ガス産業が他業界と比べてイノベーションが起こりづらく、変革の必要性があまりなかったからです。
しかし、現在は再生可能エネルギーの台頭がすさまじく、エネルギー産業も変革の時代を迎えています。
再エネの特徴としては、多くのベンチャー企業が大企業のR&D部門を凌駕するほどの技術を日々生み出し始めていることです。
また、再エネは地産地消型の技術であることが多く、サイズが小さくエンジニアリング会社の関与をそれほど必要としません。
再エネ系ベンチャーと大手資本がくっついて石油・ガス資源が代替されるようになると、エンジニアリング会社は食い扶持を失ってしまうかもしれないのです。
本業のEPCで食べていけるうちに新規事業の開発を進め、新たな事業の柱を作らねば、数年後にはエンジニアリング会社がなくなっているかもしれません。
いかがでしたか?
本記事ではエンジニアリング会社の特徴、メリット・デメリットについて取り上げました。
本当はまだまだ書きたいことは山のようにあるのですが、今回はここまでとさせてください。
就活生の方向けに直接お会いして説明することも出来ますので、気になるという方は連絡頂ければと思います。