実務家インタビュー

巣鴨餃子の生みの親・福沢史可さんが脱サラ起業したワケ【支援先経営者にインタビューしてみたvol.2】

どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のTomatsuです。

今回は新たな試みとして、私の支援先経営者に焦点をあてたインタビュー記事をアップしようと思います。

初回は、巣鴨の中華食堂「清緑園」を経営する福沢史可さん(中国出身)。

もともとは、知的財産の専門家でしたが「自分自身で事業を推進してみたい」との想いから、6年前に意を決して脱サラした異色の敏腕経営者です。

コロナ禍で飲食店が軒並み苦しくなる中、いち早く自社ブランド『巣鴨餃子』のEC事業をローンチ。徐々に成功の兆しが見えつつあります。

「ゆくゆくは餃子を通して大好きな日本と中国をつなぎたい」

このように語る同氏に「巣鴨餃子のEC事業にかける想い」「来日や独立に至った経緯」について話を伺ってみました。

福沢史可
株式会社日和 代表取締役

清緑園 店長

2002年に来日し、東京理科大学知的財産専門職大学院(MIP)にて知的財産やブランド戦略について学ぶ。卒業後ユニ・チャーム株式会社に入社。6年間、商標を中心とした知財業務に従事し、同社の中国を含む世界各国でのブランド保護に尽力。2015年に巣鴨地蔵通り商店街で清緑園を創業し、数年で地元民に愛される中華食堂に成長させた。2020年7月に自社ブランド『巣鴨餃子』のEC事業をローンチ。祖国のおばあちゃんに教わった秘伝のレシピで着実に100人以上のコアファンを獲得。口グセは「餃子食べてますか?」。

「餃子の神髄・中華料理店の裏側・第二の故郷巣鴨」について発信するTwitterも運用中(アカウント:餃子の鉄人しかちゃん@巣鴨餃子)。

この記事を読むのに必要な時間は「4分」です。

色々な出逢いに恵まれてここまで来れた

インタビューの様子(左:福沢さん、右:Tomatsu)

――ここまで巣鴨餃子のEC事業について伺ってきましたが、ここからは福沢さんについてお話伺いたいと思います。まずは来日のきっかけを教えて頂けませんでしょうか?

福沢史可さん(以下、福沢さん):はい、いろいろ理由はありますが、一番の決め手になったのは、ドキュメンタリーで中国人の先輩方が日本で一生懸命生活をしながら夢を叶えていっている姿を観たことに感銘を受けたことでしょうか。

私は高校卒業後、地元の外国語学院に通っていたのですが、正直友達と遊んでばかりであまり勉強してませんでした。1年くらい経って「僕は何をしてるんだろう」と自分のキャリアについて悩んでいたころ、このドキュメンタリー番組に出会いました。

「純粋にカッコイイ、こんな人達みたいになりたい」と考えるようになってからは、何の当てもありませんでしたが、すぐに日本行きを決めていました笑

何の当てもなく祖国・中国を飛び出す。行動力がえげつない

――何の当てもないのに、、、すごいですね。その行動力がいまの清緑園の成功に繋がってるんですね。日本に来られてからはどのように過ごされていたのでしょうか?

福沢さん具体的にやりたいことは決まってませんでしたので、色々な出会いに恵まれながらここまで来た感じです。

来日してから1年間は日本語学校に通い、その後、國學院大學に進学して会計学を学びました。在学中に日本ビジネス翻訳株式会社(NBT)という会社で知財関係書類の中国語の翻訳のアルバイトをしていたのですが、同社社長の原田様より「福沢君はもっと勉強した方が良い」と言われ、当時設立されたばかりの東京理科大知的財産専門職大学院(MIP)への進学を決めました。

――その後、ユニ・チャームに入社されたんですよね。ユニ・チャーム入社の決め手は何だったんでしょうか?

ユニ・チャーム東京本社。かっこいい!

福沢さん:就職活動を考える時期になり、日経新聞を読んでいたらユニ・チャームが中国の内陸部に進出するというニュースを目にしました。

それまで同社のことを知らなかったのですが、たまたまMIPの同期にユニ・チャームから社会人学生として勉強に来られていた方がおり、「興味があるのでぜひこの会社のことを教えて欲しい」とお願いし、中国語と知財が分かる人材を求めていることが分かりました。

私も理科大で学んだことを活かしたい気持ちがあったため面接を受けることにし、それから縁があって入社したという流れですね。

――なるほど~。そんなご縁があったんですね。入社されてからはユニ・チャームの知財戦略業務に従事されていたんですよね。その後、独立に至った経緯を教えて頂けませんでしょうか?

福沢さん:会社はとても好きでしたし、このまま知財の専門家としてのキャリアを続けても良いかなという思いもあったのですが、「自分で事業をやってみたい」「新たなチャレンジをしてみたい」という気持ちを抑えられなくなり独立に至りました。

自分で事業をやってみたいと思うようになった一番のきっかけはユニ・チャームの高原社長の後ろ姿を見ていたことでしょうか。たまたま同じフロアで働く機会を頂けていたのですが、組織の主としてあらゆる場面を切り盛りし、事業を自分が引っ張っていく姿をみて純粋にカッコ良いと思いました。私も独立して自分で事業を引っ張ってみたい、と考えるようになってからの決断は一瞬でした。

――ステキですね。やはりユニ・チャームという大企業を引っ張る主の背中は大きかったのですね。

自分の力で稼ぐことの難しさと充実

清緑園メニューのオールスター。美味しそうすぎて記事執筆が進みません

――独立後、一番よかった経験はなんでしょうか?

福沢さん:月並みですが、自分で試行錯誤を重ね、経営・店舗運営状況を改善しながら売上を向上させていくプロセスを経験できていることですね。2015年に開業して、知識ゼロ・お客様ゼロの状況から月商300万円まで持って行けたことは自分の中でも貴重な成功体験であったなと思っています。

また、自身で経営をするようになって身に染みて感じたのが「助けてくれる方々の存在のありがたさ」です。自分1人でやれることはたかが知れていますが、社員やパートナー、恩師や時には清緑園のお得意様のお力を借りながらであれば自分が考えもしなかったことが成し遂げられる。

今はコロナで店舗側がバタついていますが、助けてくれる人がいると感じられるのであまり不安は感じていませんね。

――福沢さん人格者ですもんね笑。その素晴らしいお人柄で多くの方々が福沢さんのファンになっていると思いますよ。私も含めて。

福沢さん:ありがとうございます。もっと精進します。そしてEC事業を伸ばすためにぜひよろしくお願い致しますね!

笑顔でしれっとEC事業の成長のコミットを求めてくる福沢さん

――逆に難しい、大変だな、と思ったのはどんな時でしょうか?

福沢さん:圧倒的知識不足でどうすれば良いか分からない状況が生じたときですね。サラリーマン上がりで飲食店経営が無いところからのスタートなので、大分苦労しました。

例えばコロナ以前まで清緑園とは別の二店舗目のお店(巣鴨餃子房)も出していたのですが、出店前の不動産の確認を甘く見ており、厨房の漏水でロクに店舗運営ができず相当困ったことがありました。

――ろ、漏水、、、めちゃくちゃ大変でしたね。

福沢さん:そうですね。。。契約上、こちらに責任があるスキームだったので運営でカバーしながら毎日神経をすり減らしながら開店しておりました。

それから二点目である巣鴨餃子房に関しては、直前まで何を売るのかを決めておらず、前日までラーメン推しでいくのか、小籠包を推すのか、みたいな議論をしておりました。もう家賃は払ってるのに。。笑

あれ以降は走りながら考えるスタイルではなく、重要な意思決定事項についてはもう少し熟考するスタイルに変えました。

――笑。決断の早さも時にはもろ刃の剣になるということですね。

巣鴨から全国に羽ばたくお店を

――いまさらですが、経営者として清緑園の経営で最も大事にしていることは何でしょうか?

福沢さん:もっと早く聞いて欲しかったです笑。経営者としてこだわり抜いている点は「料理が美味しいこと」「価格が安いこと」「素材の鮮度が良いこと」「従業員がおもてなしの気持ちを持っていること」「清潔で快適なお店であること」の5点です。

かなり当たり前のことですし、シンプルですが、愚直にこの5点を守り抜いた結果として地元の方々に愛されるお店になったと自負しております。

イジワルな姑でも文句のつけようがない清潔な店内

――遅くなりすみません。。当たり前のことを当たり前のように実行するのが大事ということですね。ちなみに今後、清緑園をどのようなお店にしていきたいですか?

福沢さん:やはり事業家ですから、成長志向は常に持っていたい。巣鴨の清緑園の経営盤石化を図り、その後は多店舗経営を展開していきたいと考えています。同時に前述のEC事業も成功させ、清緑園・巣鴨餃子の全国展開を図りたいと考えています。

――いやあ、全国展開、すごいですね。なかなか口にできる言葉ではないですが、福沢さんからは、やってのけそうなパワーを感じます。もっともっと色んなお話しを聞きたいところですが、次で最後にします。奥様との馴れ初めについて教えて下さい。

福沢さん:えええ、なんでこのタイミング??

奥さんとは東京理科大時代に清掃会社のアルバイトをしていた時に出会いました。はじめて会った時から可愛いな~と思っていたのですが、当時のバイトの主任がわざわざ2人のシフトを一緒にしてくれて急接近。その後、交際を経て結婚という流れです。娘にも恵まれて今はとても幸せです。

――イヤそうながらも答えて頂きありがとうございます福沢家の団らんを想像しただけでニヤニヤが止まりません笑

福沢さんご夫妻。巣鴨水餃子もばっちり写っていてステキです

福沢さんありがとうございました!

――ではインタビューはここまでとさせて頂きます。ありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願い致します。

福沢さん:こちらこそありがとうございました!今後ともよろしくお願い致します。

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