どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
自社Webサイトで成果をあげようとする企業が増えているなか「SEO対策」の重要性が年々高まってきております。
一方、私も経営コンサルタントとして多くの企業様のデジタルマーケティング支援をさせて頂いておりますが、業界全体の深刻な人材不足を理由に、適切なSEO対策が取れている企業はごくわずかの状況です(肌感覚として全企業の数%程度)。
これを背景に、年々、SEOを専門とした「フリーランスSEOコンサルタント」の需要が高まってきており、いま狙い目の分野と言えます。
そこで、この記事では「未経験からフリーランスSEOコンサルタントになる方法」について解説したいと思います。
結論から言うと「副業から始める!」のがおすすめですが、わたし自身の経験から具体的なステップを解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
*本ページの内容は一部宣伝を含みます。
- SEOコンサルティングに興味のある方
- 経営コンサルタントして武器が欲しいと思っている方
そもそもフリーランスSEOコンサルとは?
企業が運営するWebサイトで成果を上げる方法にはいくつか方法がありますが、その中でも特に重要視されているのが「SEO対策」です。
SEO対策とは、サイトへの流入数やコンバージョン数(問い合わせ、売上)を増やすことを目的にGoogleやYahoo、Bingなどの検索エンジンの自然検索結果において、「特定のWebサイトが上位表示されるように、サイト構成・コンテンツ作成を進める施策」を指します。
SEOには専門的な知識が求められるので外注する企業も多く、受け手を担うプロフェッショナル人材をSEOコンサルタントと呼びます。
SEOコンサルタントはSEO会社や広告代理店から派遣されることもありますが、近年は復業人材や独立されている方も多く、このような「フリーランスSEOコンサルタント」が注目されています。
フリーランスSEOコンサルタントの仕事内容
フリーランスSEOコンサルタントの仕事は多岐に渡りますが、基本的には以下のいずれかを担うことが多いです。
- ヒアリング
- サイト診断による現状把握
- 戦略立案
- キーワード選定
- コンテンツ作成・ディレクション
- アクセス解析・レポーティング
- PDCA
ちなみに筆者は①〜⑦を担当しています。
一つずつ見ていきましょう。
①ヒアリング
まず、クライアントの悩み・課題、事業目標、サービス・プロダクト内容、ターゲット層、予算感を把握するためにヒアリングを行います。
先方の悩みによって今後打っていくべき施策はガラリと変わってきますので、ヒアリングは超重要です。
例えば、
- サイト訪問者の問い合わせ率は十分高いが、そもそものトラフィックが低い
- トラフィックは十分出ているはずなのに、なぜか問い合わせ率が低い
という状況があった場合、前者に対しては「検索ボリュームの多いKWにおける上位表示を多数獲得」、後者に対しては「コンバージョンまでの導線設計を考慮したコンテンツ制作」が重要課題になるはずです。
ヒアリングにより、SEOが施策として適切でないと感じた場合は、以下のような別施策を提案できるようスキルの幅を広げることも重要です。
- Web広告(リスティング、Meta広告)
- SNSマーケティング(Twitter、Instagram、YouTube、LINE、Facebook)
②サイト診断
ヒアリングにおいては、クライアントの主観が混じってしまいますので、現状を正確に把握するためにサイト診断を行います。
具体的には、Google Analytics、Google Search Console、ヒートマップ、(ECサイトの場合)各種売上•顧客データを確認します。
中小企業の場合、アクセス解析ツールが導入されていないケースも多いため、その場合は、コンサル側でタグ設定を行い、データ収集を行うところから開始する必要があります。
③戦略立案
ヒアリングと現状分析の結果に基づき、戦略立案を行います。
具体的には、3C分析により、クライアントの「顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)」を分析し、どのようなコンテンツを作っていくべきかの方針を立てます。
細かい部分は割愛しますが分析のポイントは下記です。
[顧客(Customer)]
- 自社サービス・プロダクトが属するカテゴリーにおいて、どのようなニーズ・ウォンツを保有しているか?
- 上記ニーズ・ウォンツに基づきどのような検索行動を取っているのか?
- 上記検索行動において、問い合わせ・購買に最も近いキーワードにはどんなものがあるか?
[競合(Competitor)]
- 顧客ニーズがバッティングする競合はどこか?
- 競合の保有するオウンドメディアはどのようなコンテンツを提供しているか?
- 競合がカバーできていない部分はどこか?
[自社(Company)]
- 上記で特定した競合と比較し、自社サイトのドメインパワーは強いか、弱いか
- 競合と比べて、自社の方が独自性の高いコンテンツを提供できる領域はどこか?
なお、3C分析は「顧客→競合→自社」の順番で行うのが良いでしょう。
④キーワード選定
SEOコンサルティングの中で一番大事な要素です。
このステップでは、これまで収集してきた情報に基づき、成果を上げやすいキーワードを選定します。
ケースバイケースで考え方は異なりますが、一般的なSEOコンサルティングにおけるキーワード選定ステップを紹介します。
- ラッコキーワード等のツールを用い、顧客の検索行動仮説に基づくキーワードを洗い出す(まずは目標記事本数の10倍程度のキーワード数を目指す)
- キーワードプランナーで検索ボリュームを把握
- 各キーワードのクエリタイプを分類(Do・Know・Go・Buy フレームワーク)
- Do・Buyキーワードのみを抽出
- 自社サイトのドメインパワーを考慮し、上位表示が可能なキーワードから最も検索ボリュームの多いものを優先的にピックアップ
- 目標記事本数に到達するまで①〜⑤を繰り返す
⑤コンテンツ制作・ディレクション
キーワード選定が完了しましたら後はコンテンツをひたすら作っていくのみです。
SEOコンサル兼ライターとして自ら記事執筆を行うこともありますし、外注ライターチームをディレクションする立場として参画する方法もあります。
私は前者から始めましたが、より大きな成果を出そうと思うと、ライターチームをマネージするスキルを養っていくことをおすすめします。
また、クオリティの高いコンテンツを作っていくには、読者の検索意図を考慮した記事構成スキル、SEOライティングのスキルも必要となります。
⑥アクセス解析・レポーティング
記事数が増え、ユーザーデータが増えてくると、これまで作成してきたコンテンツの効果測定を行う必要があります。
世の中にはさまざまなアクセス解析ツールがありますが、Google AnalyticsとGoogle Search Console、ヒートマップツールのスキルは必要不可欠です。
また、分析結果を発注主に理解いただくため、レポーティングを行うための資料作成・プレゼンテーションを行います。
⑦PDCA
アクセス解析の結果、これまで打ってきた施策の改善点が炙り出されるはずです。
この改善点をもとに再度、戦略・戦術見直しを行い、発注主・ライター陣をうまくディレクションしながらPDCAサイクルを回していくこともコンサルタントの所掌に含まれます。
コンサルの技量は、PDCAのスピードや精度に最も表れると言われます。
フリーランスSEOコンサルの報酬目安
報酬の目安は以下の通りです。
- 戦略〜PDCA(①〜⑦まで)
10~80万円/月 - コンテンツディレクション〜PDCA(⑤〜⑦)
5万円〜20万円/月 - アクセス解析〜PDCA(⑥〜⑦)
3万円〜10万円/月
行う業務の質が同じであったとしても資本力の強い大企業案件であれば、80万円/月の高単価案件もありますし、中小企業であれば10万円/月というものも多いです。
参考までにITプロパートナーズに掲載されている過去の求人情報を紹介します。
どの業界でも同じですが、上流の「戦略部分」を担えるコンサルタントはやはり強いです。
経験のない状態からいきなり上流業務を担当するのは難しいかもしれませんが、高単価案件を取りに行きたいのであれば避けて通れない要素と言えるでしょう。
求められる5つのスキルセット
フリーランスSEOコンサルタントに求められる5つのスキルセットを紹介したいと思います(私見も入ってますが悪しからず)。
- SEOの最新知識
- コンテンツ企画力・制作力
- ロジカルシンキング
- プロジェクトマネジメントスキル
- 顧客マネジメントスキル
一つずつ見ていきましょう。
①SEOの最新知識
Webマーケティングの技術は日々進化しております。
なかでもSEOは、Googleが定期的に実装するコアアルゴリズムアップデートにより、上位表示に必要となる対応がコロコロ変わっていきます。
このような最新知識を保有することこそが「SEOに特化したコンサル」としての付加価値です。
最新トレンドは常に押さえておきましょう。
②コンテンツ制作力
SEO施策の中心はなんといってもコンテンツ制作です。
コンテンツ制作と一言でいっても求められるスキルは様々ですが、コンサルタントとして最低限押さえておきたいのは以下の3つです。
- キーワード選定スキル
- リサーチに基づく構成スキル
- SEOライティングスキル
これらに加えて、クリエイティブ制作スキル(アイキャッチ、見出し画像、図解など)やHTML/CSSスキルが加わるとコンサルタントとしての付加価値は向上するでしょう。
③マーケティングスキル
SEO対策は「マーケティング」における枝葉の対策と言えます。
言い換えると、成果を最大化するには、クライアントのマーケティング戦略の全体像を把握し、その中でSEOに求める機能を定義した上で施策を進められる必要があります。
マーケティングとは顧客にサービス・プロダクトを認知してもらい、比較・検討による競争を経ながら購買に至って頂くための仕組みづくりを指します。
時折これらを感覚的に実装できる天才もいますが、再現性をもたらすには、PEST・5フォース分析・STP・3C・4P・カスタマージャーニーマップなどのフレームワークを学び、日頃から売れる仕組みづくりを作るためのトレーニングを行う必要があります。
④プロジェクトマネジメントスキル
コンサルタント1人の力で挙げられる成果には限界がありますので、チーム・プロジェクトをまとめ上げる力が求められます。
特にSEOにおいては、ライターチームをまとめ上げ、計画通りにコンテンツをアップしていくためのプロジェクトマネジメントスキルが重要となります。
また、根本的なスキルとしてコミュニケーション能力が求められるのは言うまでもありません。
⑤顧客マネジメントスキル
SEOは成果が約束されていない施策の一つです。
契約前の段階では顧客から「何記事アップしたら成果が出るの?」「どのくらいの問い合わせが生じるの?」などの、あたかも成果をコミットさせられるような質問が飛んでくることもあります。
しかし、このような質問に対して適切な期待値コントロールを行いながらも、同じ方向性を向いてSEO対策を進められるような顧客マネジメントスキルが求められます。
この顧客マネジメントスキルは、仮に他のスキルが全く同じレベルであったとしても、その有無によって案件の成否が分かれるほど重要なスキルと言えるでしょう。
未経験からSEOコンサルを目指すには副業がおすすめ!
ここからは本題の「未経験からフリーランスのSEOコンサル」を目指す方法について説明します。
結論から言うと「副業で実績を積みながらスキルアップを図るのがおすすめ」です。
具体的には以下の通りです。
- 個人ブログで一通りの流れを自分で経験する
- クラウドソーシングで担当の仕事を経験
- クラウドソーシングでディレクターの仕事を経験
- 自身のコネクションやエージェントを通じてコンサル案件を獲得
一つずつ見ていきましょう。
① 個人ブログで実績をつくる
一番重要なステップです。
はっきりいってSEOコンサルを目指すのなら、代理店やSEO会社に入るよりも個人でメディアを運営したほうがよいでしょう。
理由はSEOコンサルティングに必要な要素を全て「自身の手を動かしながら経験することが可能だから」です。
ブログを運営していると以下のスキルが身に付きます。
- HPの構成・企画・ディレクション
- SEOによる集客
- アクセス解析
- 成約につなげるセールスライティング
- HTML/CSS, WordPressの運用
- 集客の多様化(リスティング、SNS)
- Webライターへの発注
代理店やSEO会社などの組織に属すると、すべての領域にチャレンジできるようになるのにどうしても時間がかかってしまいますが、個人ブログでは否が応でも全てを自分でやらなければなりません。
また、自身のメディアを育てる過程で露出が増えますので、将来的な集客チャネルとして機能させることも可能です。
クラウドソーシングで案件を取れるようになる目安として、「月間1万PV・月収1万円」を超えるレベルを目指しましょう。
ここに到達できればSEOのみならず、Webマーケティングのイロハは身についたと言って良いでしょう。
②クラウドソーシングで担当の仕事を経験
個人ブログでそれなりに成果が上がるようになったら、次はクライアントワークにチャレンジしてみましょう。
いきなりディレクターポジションに入るのはリスクが高いので、SEOコンサルティングにおける要素タスクに準ずる以下の仕事を狙いにいくのが良いでしょう。
- Webライティング
- アクセス解析業務
これらのいずれかを担当していればディレクターとのやり取りから、ディレクション業務に求められるスキルの肌感覚が養われるはずです。
また、ディレクターと仲良くなれば、ディレクションスキルに必要となるスキルを教えてもらうことも可能でしょう。
③クラウドソーシングでディレクターの仕事を経験
要素タスクの経験を積めたら次はディレクターポジションの案件を狙いにいきましょう。
ディレクターとの仕事を通じて求められる仕事内容はおおよそ分かってきているかと思いますが、「業務を理解すること」と「実際に実行すること」には雲泥の差があります。
最初は失敗だらけでしょうが、この失敗経験が今後の糧になります。
④自身のコネクションやエージェントを通じてコンサル案件を獲得
クラウドソーシングである程度の実績・経験を積んだら、次は自身のコネクションやフリーランスエージェントを活用して高単価案件を狙いにいきましょう。
ここまで来ればSEOに関しては慣れてきていると思いますので、クライアントの課題によっては別のWebマーケティング施策を提案してみて、スキルの幅を広げにいく動きを混ぜてみるのも良いでしょう。
[登録しておきたいエージェントサイト]
[HiPro Techの特徴]
HiPro Techは大手人材紹介会社「パーソルキャリア」が運営しており、累計契約社数950社を突破している注目のエージェントサイトです(2022年8月時点)。
事業会社や直請けの案件が多いため、保有案件の約60%が80万円以上と高単価での契約を実現しやすいですし、WEBマーケティングなどの案件も幅広く揃えているのが特徴です。
SEOのおすすめ勉強法
ここまで、副業を通じてフリーランスSEOコンサルタントになる方法を説明してきました。
しかし、なかには「いきなり副業から入るのか〜」とハードルの高さを感じている人も多いと思います。
そこで、そのような方々のためにインプットにおすすめの本・サイト・動画・資格を紹介したいと思います。
おすすめの本
これだけやれば集客できる はじめてのSEO
新しくWebサイトを立ち上げられた個人事業主や会社のWeb担当者の方にはぜひ読んでいただきたい本です。
書かれている内容は基礎中の基礎なのですが、初心者でもわかりやすいようにタスクの手順をまとめてくれておりますので、この本に書かれていることをそのまま愚直にこなしていけば上位表示を獲得できるでしょう。
実際に、私のブログもこの方法で中小企業診断士関連で1位表示30件以上獲得できました。
10年つかえるSEOの基本
SEO系の本は片っ端から読み漁りましたが、この本は「実践方法」に加えて「SEOの在り方」にまで触れていて過不足がないので相当おすすめです。
SNSマーケティングが台頭しつつありますが、未だにSEOはWebマーケティングの重要な要素です。
上記の「これだけやれば集客できる はじめてのSEO」では少し物足りなかった方におすすめの本です。
おすすめのサイト・YouTubeチャンネル
SEOの最新情報を得るには、各種メディアに目を通すのも良いでしょう。
以前投稿した以下の記事におすすめサイト・YouTubeチャンネル6選をまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの資格
最後に資格の紹介です。
ウェブ解析士とは「一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)」が運営する民間資格であり、下記の人材の育成を目的としています。
アクセス解析をはじめとしたWeb解析データを活用し、Webマーケティングで成果を出す人材
ちなみに、ウェブ解析士は、下記の3つのグレードがあり、実務での成果にフォーカスしたカリキュラムを用意しております。
- ウェブ解析士
ウェブ解析及びウェブマーケティングの知識を習得 - 上級ウェブ解析士
KPI設定や戦略立案のほか実践的な提案・コンサルティングスキルを習得 - ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士の育成や企業研修等の講師に必要となる教育・指導スキルを習得
元々はWebマーケティングに疎い中小企業の経営者向けに開発されたカリキュラムだったようですが、近年では「博報堂」「電通」のような大手広告代理店の社員も取得を目指しているような資格です。
費用が高く「資格商法だ」と指摘されている側面はありますが、同協会が出しているYouTube動画を観る限り内容はとても実践的で充実していると感じました。
SEOスキルに加え戦略の考え方やWeb広告に関しても学べますので、コンサルとしての総合力がアップすることも期待できます。
資格取得に興味がある方は以下のテキストで勉強してみてはいかがでしょうか?
まとめ
以上、本記事では「未経験からフリーランスSEOコンサルタントになる方法」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もし本記事の内容でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それではまた!