どうも、中小企業診断士兼WEBマーケターのTomatsuです。
最近、Webマーケティングの勉強を始めました。
「CPC」や「CPA」などの「Cで始まる3文字略語」がめちゃくちゃ多くて全く頭に入ってこないのですが、良い覚え方はないでしょうか?
良くある悩みですね。
Webマーケを勉強し始めるとなぜかCで始まる3文字略語をたくさん学ぶ必要があります。
もともとCPCやCPAなどの概念は広告代理店やWeb担当者のみが知っておけば良かった領域でした。
しかし近年、自社事業のEC化やWebマーケティング需要の増加も相まってはビジネスマンであれば誰しもが知っておくべき基礎知識になりつつあります。
ネットでこの手の記事を読んでも数式を羅列しているものが多く、しかも数式の背景の解説が少なく、わかりづらいですよね。
そこで本記事では例題も含めて図解で分かりやすく解説したいと思います。
この記事を読めば超初心者の領域は脱出できます。それではどうぞ!
- Webマーケティング初心者の方
- これからWebマーケティングを学び始めたい方
CPM, CTR, CPC, CVR, CPAなどのWebマーケティング指標・用語を分かりやすく解説
それでは早速、CPM, CTR, CPC, CVR, CPAがそれぞれ「何の略なのか?」「どんな計算式なのか?」を見ていきましょう。
CPM(Cost Per Mille)
CPMは「Cost Per Mille」の略で「Web広告を1,000回表示するごとに発生する広告費」を意味します。
Web広告では広告が表示されることを「インプレッション」、表示された回数を「インプレッション数」と呼びます。
CPMは1,000回広告を表示するための「インプレッション単価」とも言える訳ですね。
「インプレッション課金型広告」には、Facebook, Instagram, YouTube広告など色んな媒体がありますが、CPMという指標を用いることで各媒体の費用対効果を比較することができます(CPMの優劣のみで決定するわけではありませんが)
Milleとはラテン語で1,000を意味します。
なぜ、わざわざ1,000を掛け算するのかというと1表示あたりの単価で計算すると小さすぎてイメージがしづらいからのようです。
CTR(Click Through Rate)
CTRは「Click Through Rate」の略で「広告が表示された回数(インプレッション数)のうち、広告がクリックされた割合」を指します。
例えば100回広告が表示され、そのうち30回広告がクリックされた場合、CTRは30%となります。
CTRは「広告そのものが魅力的かどうか?」「掲載場所の適切性(読者ニーズとマッチしているか?)」などに左右されます。
想定よりもCTRが伸びない場合は、広告自体のデザインとコピーライティングや、掲載場所の見直しが必要になるということですね。
Rateとは英語で「割合」や「率」を表す言葉です。
最後の一文字が「R」の場合は何かしらの割合である、ということを理解していれば覚えやすいですね。
CPC(Cost Per Click)
CPCは「Cost Per Click」の略で「広告がクリックされる度に発生する広告費」を指します。
CPCは、リスティング広告等の「クリック課金型広告」に用いられる指標です。
クリックされて初めて費用が発生するため、表示された回数(インプレッション数)がいくらでも費用は変わりません。
ユーザーを自社サイトに誘導した回数と広告費が比例しますので、費用対効果が明確である利点があります。
CVR(Conversion Rate)
CVRは「Conversion Rate」の略で「自社サイトに訪問したユーザーがコンバージョン(転換)した割合」を意味します。
コンバージョンとは自社サイトの運営目的を達成することであり、例えばECサイトであれば「商品の購入」、見込み客の獲得を目的とするリードジェネレーションサイトであれば「問い合わせや資料請求」を指します。
細かいですが、分母にあたるセッション数は「ウェブサイトを訪問された回数」を指します。
模式図で表すとこんな感じです。
この例において訪問者はウェブサイト中の3ページを見て回っていますが、「セッション数はあくまでも1回」です。
また、セッションが消滅した後に同じユーザー(ユニークユーザー)が後日ウェブサイトを訪問した場合は別セッション扱いとなります(セッション数=2回となる)。
CTRと同様、3文字目が「Rate」ですので割合を表す指標であることが分かります。
CPA(Cost Per Acquisition)
CPAは「Cost Per Acquisition」の略で「コンバージョン1件を獲得するのに費やす広告費」を意味します。
例えば、ECサイトにおいて10件の商品購入(コンバージョン)を獲得するのに、20,000円の広告費をかけた場合、CPAは2,000円となります。
CPAは当然、低ければ低いほど良いものです。
とはいえ目安が必要になりますので、そこで覚えておきたいのが「限界CPA」という考え方です。
限界CPAとは1件のコンバージョンを獲得するためにかけられる最大のコストを指します。
商品・サービス単価から原価を引いた部分(粗利)に相当します。
CPAが限界CPAを超えてしまうと赤字になってしまいます。
なので目標CPAは確保したい利益に合わせて「限界CPAの30%」みたいな形で設定すると良いでしょう。
限界CPAの考え方は各企業の戦略によって異なります。
認知獲得のために限界CPAを超える広告宣伝費をかける企業もありますし、あるいは毎月一定の広告宣伝費予算を設け、CPAはあくまで観測対象という位置付けの企業もあります。
CPM・CPCからCPAまで計算してみる
やはり数式を並べられても覚えられないので、一緒に例題を解いてみましょう。
- インプレッション課金型を用いる場合
- クリック課金型を用いる場合
例題①:インプレッション課金型を用いる場合
まずはインプレッション課金型を用いた場合です。
おさらいですがインプレッション課金型とは広告が表示された回数ごとに費用が発生する課金方式です。
[例題]
あなたはFacebook広告への出稿を通じて自社サービスへの問い合わせ件数を増加させていきたいと考えています。
1ヶ月間のテスト出稿を終え、以下の結果が出ました。このテスト出稿期間におけるCTR, CVR, CPAはいくらでしょうか?
課金方式はインプレッション課金型であり、CPMは400円とします。
- 表示回数 = 100,000回
- クリック数 = 4,000回
- 問い合わせ = 200回
一つずつ情報を整理しましょう。
(1) CTR
表示回数が100,000回であり、そのうち4,000回クリックされたので、CTRは 4,000÷10,000 = 4%となります。
(2) CVR
また、自社ページに遷移した4,000人のうち200人が問い合わせをしたのでCVRは 200÷4000=5%となります。
(3) 広告費
CPMが400円であり、100,000回広告が表示されたので、広告費は400×100,000÷1,000 = 40,000円となります。
(4) CPA
問い合わせ件数が200回であり、広告費が40,000円なので、CPAは40,000÷200 = 200円となります。
以上を図にまとめるとこんな感じになります。
この手の概念は自ら手を動かして計算してみないと定着しません。
簡単ですので、ぜひコーヒーでも飲みながら一つずつトレースしていって頂ければと思います。
例題②:クリック課金型を用いる場合
次にクリック課金型を用いた場合の例題をみてみましょう。
[例題]
あなたはFacebook広告への出稿を通じて自社サービスへの問い合わせ件数を増加させていきたいと考えています。
1ヶ月間のテスト出稿を終え、以下の結果が出ました。このテスト出稿期間におけるCTR, CVR, CPAはいくらでしょうか?
課金方式はクリック課金型であり、CPCは20円とします。
- 表示回数 = 5,000回
- クリック数 = 500回
- 問い合わせ = 25回
(1) CTR
表示回数が5,000回であり、そのうち500回クリックされたので、CTRは 500÷5,000 = 10%となります。
(2) CVR
また、自社ページに遷移した500人のうち25人が問い合わせをしたのでCVRは 25÷500=5%となります。
(3) 広告費
CPCが20円であり、クリック回数が1,000回広告なので、広告費は20×1,000 = 10,000円となります。
(2) CPA
問い合わせ件数が25回であり、広告費が10,000円なので、CPAは10,000÷25 = 400円となります。
以上をまとめると下記の通りです。
以上の計算より
- 例題①
インプレッション課金型CPA=200円 - 例題②
クリック課金型CPA=400円
となりましたので、この例題においてはインプレッション課金型の方が費用対効果が高いことが分かりました。
また、問い合わせ件数そのものについてもインプレッション課金型の方が多く、売上増加に繋がる期待がもてることから例題①の方が望ましいことが分かりました。
まとめ
以上、本記事では「CPM, CTR, CPC, CVR, CPAなどのWebマーケティング指標・用語」について解説させて頂きました
ご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!