どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。
「支援先からWeb広告に頼らない集客方法を提案して欲しいと言われているんだけど、アイデアが無い。。。orz」
「支援先企業に対してSEOを提案したいんだけど、具体的な取り組み方が分からない」
このようなお悩みを抱えておりませんでしょうか?
SEOは難しいと思われがちですが、人並みの成果を出すために必要な知識・ノウハウはそんなに多くありません。
そこで、今回は中小企業診断士の方々向けに、自然検索からのアクセスアップを狙う支援先企業に対して提案可能なSEO実践手順を紹介したいと思います。
この知識を持っているだけで、「理論のみの頭でっかち診断士」から「実践に精通した信頼できる診断士」に昇華できるはず(言い過ぎ?)ですので、ぜひ最後までお読みください。
「SEOってそもそも何?」という方は、前回記事でSEOの概要を解説しておりますので、そちらをお読みの上、本記事に戻ってきて下さい。
それではどうぞ!
- Webマーケティングを学びたい方
- 支援先の売り上げアップを図りたい中小企業診断士の方
無料配布資料
今回の記事用に無料配布資料を作成しましたので、ご自由にダウンロードいただければと思います。
SEOに着手する前に
SEO実践手順の説明の前に、まずは支援の全体の流れについて簡単に説明させて頂きます。
SEO支援はあくまでも「Web集客のための一つの手段」ですので、着手前に「本当に打ち手としてSEOが正しいのか?」を判断するアクションプラン(打ち手)を決めるステップが必要です。
診断士的に言うと戦略を固めてから戦術(施策・打ち手)を決定するということですね。
[アクションプラン(打ち手)を決めるためのステップ]
- 支援先企業の『商材・ビジネス』の理解
- KGI・KSF・KPIの設定、マーケティング戦略の立案
(5F、3C、STP、4P・4C) - KPIを満たす施策(アクションプラン)の絞り込み
- アクションプラン決定
各ステップについて詳細にお伝えしたいところです、これだけで一記事書けてしまいますので、今回はアクションプランとして「SEOが選択された」という前提でSEO実行支援の流れについて解説したいと思います。
KGI・KSF・KPIやマーケティング戦略の立案に必要なフレームワークについては、「中小企業診断士が教える「使えるデジタルマーケティングフレームワーク」8選」で解説しております。
こちらも併せて読んでみて下さいね。
SEO実践手順
それではお待ちかねのSEO実践手順についてです。
[SEOの実践手順]
- ラッコキーワードでキーワード候補を抽出
- 各キーワードをマーケティングフェーズに落とし込む
- Google キーワードプランナーを使ってキーワードの検索ボリュームを測る。
- 競合記事の調査
- キーワードの優先順位を決める
- ディレクション
本記事では、各ステップの具体的な流れを理解頂くために「健康志向のお客様向けにサプリ販売を行う事業者」を例に解説させて頂きます。
①ラッコキーワードでキーワード候補の抽出
SEO実践で、まず最初に着手したいのが「ラッコキーワード」を用いた「キーワード候補の抽出」です。
キーワードのあたりをつけずに記事を書き始めても、誰からも検索されない記事が出来上がってしまうからです。
それではやり方を見ていきましょう。
まずはラッコキーワードにアクセス。
すると、こんな画面が出てきます。
今回はサプリ販売事業者を想定しているので、「サプリ」まわりでどんな検索が行われているのか調べてみましょう。
検索窓に「サプリ」と打ち込むと、
サプリ関係のサジェストキーワードがずらずらっと出てきます(「サプリ」の場合、1,139キーワード)。
これらは実際に検索エンジンユーザーが日々検索しているキーワードであり、言い換えると「ユーザーが知りたがっている情報をまとめたリスト」となります。
画面右上の「CSVダウンロード」をクリックするとリストをCSVとして保存することもできます。
②各キーワードをマーケティングフェーズに分類
次に、得られたリストをマーケティングフェーズに分類します。
マーケティングフェーズとは、商品に対する顧客の購入意欲を時間軸にのせて表すものであり、「ニーズが潜在的なものなのか?」あるいは「ニーズが顕在化しているのか?」といったことを整理するために使われます。
ユーザーの検索キーワードが具体的であればあるほど、ニーズが高いことを意味しますので、購入に結びつけやすいキーワードであるということです。
サプリで言えば、下図のような整理となります。
「サプリ ○○ 口コミ」で検索しているユーザーは、サプリを購入することは決めていおり、サプライヤー比較の段階まできている。
つまり、かなり購入に近いキーワードであることが分かります。
一方で、「サプリとは」で検索しているユーザーはサプリのお勉強をし始めた段階でまだまだニーズが顕在化していないフェーズと言えます。
ちなみに「サプリ 亜鉛 おすすめ」のように三つのキーワードを組み合わせたものを「ロングテールキーワード」または「スモールキーワード」と呼びます。
一方で、「サプリとは」のように一つのキーワードは「ビッグキーワード」、二つのキーワードの組み合わせは「ミドルキーワード」と呼びます。
③Google キーワードプランナーを使ってキーワードのボリュームを測る。
つぎは「Googleキーワードプランナー」を使って、各キーワードの検索ボリュームを確認します。
「Googleキーワードプランナー」にアクセスします。
アカウント登録を済ませると、Google広告キーワードプランナーのトップページに遷移します。
「新しいキーワードを見つける」をクリックします。
するとこんな画面に切り替わります。
検索窓に「検索ボリュームを知りたいキーワード」を打ち込んでみましょう。今回は「サプリ」で試してみます。
するとこんな感じで「サプリ」の月間検索ボリュームが表示されるはずです。
「サプリ」というキーワードは1万~10万回検索されている訳ですね。
ちなみに、Google広告を運用しているアカウントであれば、月間ボリュームの推移やもう少し正確なボリューム数を把握することができます(上図は広告を止めてしまった私のアカウントを用いたものですので、簡易ボリューム検索の結果であるとご理解下さい)。
ラッコキーワードで抽出した数が多い場合は、一つ一つ手打ちするのではなく、CSVファイルをアップロードして一気に検索ボリュームを把握する方法もあります。
こちらの方法を使う場合は、キーワードプランナーのトップページに戻り、以下をクリックしましょう。
するとこんな画面が出てきます。
こちらに検索ボリュームを把握したいキーワードが掲載されたCSVファイルをアップロードすると、一気に処理することができます。
④競合記事の調査
各キーワードの検索ボリュームが把握できたら次は競合ページを確認しましょう。
やり方は簡単。各キーワードをGoogleで検索するだけです。
ちなみに、調査するのは検索結果の一ページ目に出てくるトップ10記事のみでOKです。
以下を重点的に確認しましょう。
- 法人が多いか?個人ブロガーが多いか?
→ 個人ブロガーが多いキーワードが狙い目 - 内容の質
→ 品質で上回れるキーワードが狙い目
⑤キーワードの優先順位を決める
情報がそろったら各キーワードの優先順位を決めましょう。
優先順位決めに使うべき指標は、ケースバイケースですが、最も多く使われるのが、「キーワードボリューム」「競合性」「購入意欲(コンバージョンへの近さ)」です。
もしオウンドメディアを立ち上げたばかりであれば、競合ひしめく「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」で戦うのは無謀ですので、検索ボリュームが大体「10~100」の「スモールキーワード」で、かつ競合サイトの弱いキーワードを狙うのが良いと思います。
このスモールキーワードを主軸とした戦略はリソースの限られた中小企業にとってはかなり重要となります。
スモールキーワードと言えども一つずつ積み上げていけば、半年~1年後には絶大な効果が発揮されるはずです。
⑥ディレクション
どのキーワードを優先するかが決まったら、いよいよコンテンツ作成にかかわるディレクションです。
コンテンツ作成フェーズでは下記の三つのタスクが発生します。
- ライター発注(および管理)
- 編集
- 効果測定(およびリライト)
ディレクターはこれらのタスクを実行・管理できなければなりません。
例えば、ライターに発注する際には「ライターの能力」を測れなければなりませんし「外注の費用対効果」も把握しておかなければなりません。
また、社内の編集体制が薄ければ自身で編集に入り込む必要もありますし、効果測定の結果からリライトの必要性が生じた場合、リライトを外注するか?自社で実行していくか?の判断もできなければなりません。
これらのタスク(ライターへの発注方法や、具体的な編集方法、効果測定結果を受けてのリライトの方法)の詳細については別記事で扱いたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていて頂ければと思います。
ここまで説明してきた手順を一通りこなせるようになれば、「WEB集客にほんの少しだけ強い中小企業診断士」くらいのイメージで仕事ができるようになるかと思います。
この世界も奥が深いので、まだまだ学ぶべきことは多いですが、まずは本記事の内容は抑えておくようにしてください。
まとめ
以上、本記事では「SEOの実践手順」について紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
ご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!