中小企業診断士について

【中小企業診断士】話の流れで中小企業のマーケティング顧問に就任!こんなときって何をすれば良いの?(1/2)

どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。

流れに身を任せていたら、中小企業のマーケティング顧問に就任することになった

引くに引けない状況だけど、何をしたら良いかわからない。。。

こんな状況でお困りの方なんて流石にいませんよね?、、、、と思いつつ、つい先日友人の診断士からも上記の相談を受けましたし、意外に多いお悩みなのです。

本音を言えば、流れに身を任せて案件を受けるのは避けたいところですが、一度引き受けた仕事はしっかりやりきりたいですよね。

私も昔は出来ないを出来ると言い張り、無理をして案件を受注していたタイプなので気持ちはわかります。

というわけで本記事では、僭越ながら友人に助言した内容を中心に話の流れでマーケティング顧問に就任した際にやるべきことを解説したいと思います。

話の流れで中小企業のマーケティング顧問に就任!何やれば良いの?

どんな流れで顧問に就任するの?

診断士をしていると「中小企業経営者をしている知人・友人・親戚」からの猛プッシュを受け、話の流れで「顧問に就任!」という状況が意外に発生します

あるいは診断士の先輩が抱えている案件が横に流れてきて、、、というパターンもあるでしょう。

このブログでも何度も申している通り、中小企業の倒産理由No.1は「販売不振」であり、売上アップにつながるマーケティング支援は特に需要の多い分野と言えます。

診断士歴の浅い人たちからすれば、案件獲得や実績作りが目下課題であることが多いため、「願ってもないチャンス」ということで飛びついてしまう気持ちは良くわかります

とは言えども、「マーケティング支援なんてやったことない、、、」、「チャンスは掴んだが不安だ、、、」という方も多いでしょう。

マーケティング支援をしたことがない人が「1人で顧問に就任」なんて不可能

最初に元も子もないことを申しますが、マーケティング支援をしたことがない人が1人でマーケティング顧問なんて出来ません

マーケティングってなに?偉い人の定義を6つ集めてみた」でも述べましたが、かのドラッカー氏はマーケティングを以下の通り定義しております。

マーケティングの目的は、販売を不必要にすることだ。マーケティングの目的は、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることなのだ。

この「販売を不要にする」は商品・サービスが「勝手に売れる仕組みをつくること」と読み替えることが可能です。

それはすなわち、顧客に商品・サービスを認知してもらい、購入、拡散・リピートしていただくまでの一連の流れを構築する行為を指します。

これには支援先企業がマーケティング戦略上、「ターゲット選定」、「プロダクト・サービス設計」、「価格戦略」、「チャネル戦略」、「プロモーション戦略」上のどの部分にボトルネックを抱えているのかを見極め、当該支援先が対策可能な戦術レベルまで提案可能な幅広い知識とノウハウが求められます

上記のうち、「プロモーション戦略のみ」を切り出しても、コンテンツマーケティング等のオウンドメディア施策には広いSEO知識やコンテンツ作成力が求められますし、広告媒体を活用したペイドメディアにおいては各種媒体のターゲット特性や運用方法のテクニックが必要です。

また、その他にもSNSによるアーンドメディアや、ポスティング・店頭販促などのオフライン施策など、幅広い論点と戦術があるわけです。

繰り返しになりますが、マーケティング支援をやったことがない人が、上記を幅広く理解し、支援先企業が求める「次なる一手」を導くことなんて到底不可能です

顧問契約を開始したとしても短期間で方向性を見失ってしまい、支援先も自らも「こんなはずじゃなかった」という状況に陥るのが目に見えております。

真っ先にやるべきこと=駆け込み寺を確保しておく

ではマーケティング支援をやったことない人は何をすれば良いのでしょうか?

知見不足という理由だけで、顧問に就任してはいけないのでしょうか?

大前提として知見がない人が顧問就任するのはお勧めできません。

しかし、やむを得ない状況もあると思います。

その際にご提案したいことは支援先のマーケティング支援の方向性を相談できる『駆け込み寺』を確保しておくことです。

戦略立案は駆け込み寺アドバイザーに任せ、自らは戦略・戦術の実行を管理するディレクターに徹するという割り切り方があるでしょう。

駆け込み寺の見つけ方・付き合い方

ここまで読んでいただけた方は、戦略立案のアドバイスをくれる「駆け込み寺」のような都合の良い人物なんているのだろうか?とお考えだと思います。

答えはYesです

そんなに難しい話ではなく、純粋に駆け込み寺のアドバイザーに対して何かしらのインセンティブを与えるのと引き換えに相談に乗って貰えば良いのです。

例えば以下のスキームのように、クラウドソーシングサイトやマーケティングスクールの講師、知人リストの中からスキル・条件等を満たす人を見つけ、有償のアドバイスを求める方法が考えられます

もちろん、顧問契約を通じて利益を上げたいなら、ご自身が受け取る顧問料よりもアドバイザーフィーを安く抑える必要がありますが、場合によっては実績やノウハウ獲得のために赤字覚悟で試してみるのもアリだと考えます

特に診断士になりたての人は、利益を削ってでも将来の資産となる実績やスキルを取りに行った方が良いでしょう。

研究会の先輩に駆け込み寺になってもらう方法

もちろん有償以外の方法もあります。

これは診断士の方のみに許された方法なのですが、「研究会のネットワーク」を利用するのも良いでしょう。

例えば、中小企業診断士の中でもマーケティングに関するものでいえば、当方が主催する「デジタルマーケティングラボ(通称DML)」も含め多くの研究会が存在します。

こういった研究会に所属しておき、駆け込み寺となってくれる先輩とお近づきになっておくと、案件遂行の際にめちゃくちゃ捗ります

実際、DMLでは各メンバーが各々抱えている顧問案件について、他メンバーに相談することも多く、私自身、日常的に数多くの相談を受けさせていただいておりますし、案件相談という建付で全体定例会で案件概要をご発表いただき、参加メンバーで今後の戦略・戦術の方向性を議論することもあります

筆者(トーマツ)と研究会メンバーのSlackやり取りの様子

普段からネットワーク形成にも注力し、いざとなった時のためのコネクションを確保しておくことも顧問活動を捗らせるために重要です。

アドバイザーの関与方法

アドバイザーとの付き合い方で注意しておきたいのが、案件遂行時の関与の方法や度合いを良く議論しておくことです

どれだけアドバイザーと仲良くなっていても、全ての意思決定を委ねることは出来ないですし、手を動かしてくれる訳ではありません。

「ご自身の実力」と「支援先から求められている要求」を考慮し、アドバイザーの方にどの程度の頻度、どのようなサポートが欲しいのかを決めておきましょう。

アドバイザーの関与方法の代表例として以下のようなパターンが考えられます。

①必要最小限ケース
アドバイザーの関与は最小限。必要に応じてSlackで対応相談。

②定例会設置ケース
アドバイザーとの定例会を開催。支援先の状況をフィードバックし、今後の方向性に関わる助言をもらう。

③フル関与ケース
アドバイザーが支援先との面談にも顔を出すケース。表向きの顧問はご自身が務められるので、支援先にアドバイザーをどのように紹介するか要検討(エキスパートと称して紹介するケースが多い)。

何もこれらのパターンに縛られるものでもありませんが、ぜひご参考にしてみてください。

なお、どのような頻度・度合いでアドバイザーに関与いただくかは、支援先とのキックオフミーティング前には確定させておきましょう。

(ただのPR)マーケティング駆け込み寺をお求めの診断士の方

マーケティング駆け込み寺をお求めの方は本記事の筆者が主催するDMLに参加いただくのをおすすめします。

以下はただのPRですが、興味がある方は流し見で結構ですので、お読みください〜。

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診断士向けデジタルマーケティング研究会(デジタルマーケティングラボ)を運営しております(2023年1月更新)

中小企業診断士としてデジタルマーケティングを研究する研究会「デジタルマーケティングラボ(DML)」を運営しております(在籍人数:130名)。

当該研究会は中小企業政策研という300名以上の中小企業診断士が在籍する研究会の分科会と位置付けです。

詳細は「デジタルマーケティングラボを設立しました(中小企業政策研究会)」をご覧ください。

設立の目的

中小企業にデジタルマーケティングをもっと身近にをモットーに、中小企業経営における重要課題である売上向上を支援していくためのデジタルマーケティングツールや方法論を検討し、実践を通じて使えるスキルを身につける。

最終的には本研究会から中小企業の外部CMO(チーフマーケティングオフィサー)を50名輩出するのが目標です!

なぜ今デジタルマーケティングなのか?

  • デジタル広告需要の増加しているため
    (2019年にテレビ広告費を抜いてトップに!)
  • コロナ禍においてデジタル媒体の重要性が高まっているため
  • デジタルマーケティングは売上向上に直結するため
    (企業が倒産する理由のNo.1は販売不振)

方針

「デジタルマーケティング」をキーワードに、診断士活動の情報交換、事例紹介、ネットワーク形成のきっかけとなる「場」を目指します(独立・企業内問いません)。

私自身もデジタルマーケティングを始めたばかりですので、一緒に切磋琢磨できる仲間を探しております。見学・様子見入会OKです。少しでも興味がある方はぜひ!

[求める人材像]

  • オウンドメディア(ブログ・SNS)を保有し、自らデジタルマーケティングを実践している方(あるいは実施する予定の方)
  • マーケティングや消費者行動に対する興味・関心を持っている方
  • 新しいツール・考え方への好奇心を持ち、自ら学習できる方

活動内容

主に以下の4つのアクティビティを軸に活動しております。

  1. デジタルマーケティングラボ定例会
  2. デジタルマーケティング実務家による講演会
  3. 中小企業支援用:デジタルマーケティングマニュアルづくり
  4. 読書会

①デジタルマーケティングラボ定例会

毎月第4土曜日にデジタルマーケティングを題材とした勉強会を開催しております。

SEO・コンテンツマーケティング・SNSマーケティング・運用型広告・コピーライティングなど幅広い領域を扱っております。

定例会での相互学習の様子(第16回定例会:SEOの基礎)

②デジタルマーケティング実務家による講演会

マーケティング業界の著名人をお招きして講演会も企画・開催しております。

22年5月にはマーケティングトレース主宰として有名な黒澤友貴さんをお招きし、「マーケティング思考力は鍛えられる!マーケティングトレースのすゝめ」という内容でご講演いただきました。

開催報告記事:【セミナー開催報告】マーケティングトレースの黒澤さんに診断士研究会にお越し頂きました!

マーケティングトレース主宰・黒澤さんの招待講演の様子

③中小企業支援用:デジタルマーケティングマニュアルづくり

相互学習や実践支援で得たノウハウをもとに、中小企業支援の実践に活用可能なデジタルマーケティングマニュアルを作成しております。

各クライアントに合わせて自由にカスタマイズ頂けるよう研究会メンバーにはパワポファイルを提供しております。

デジタルマーケティングマニュアル集(全23巻) *現在6巻完成

④読書会

各メンバーが経営やマーケティング関連の本で得た知識を共有しあう読書会も開催しております。定例会とは異なり少人数開催なので、メンバー間の交流を深める場としても人気です!

これまで取り上げてきた本の例

活動頻度・実施日

  • 定例会:毎月第4土曜日16:00~18:00
  • 読書会:月2回(Slackにて開催日案内)

メンバー

独立・企業内診断士問わず、様々なバックグラウンドを持った個性豊かなメンバーが集まっております。

デジタルマーケティング初心者が大半なので、初心者の方も超ウェルカムです。

在籍人数:約130名(2023年1月時点)

22年7月に開催した第2回リアル飲み会にて

連絡手段

本研究会では、主にSlackを使って情報交換しております。ご入会後にSlack登録させて頂きます。

ご入会方法・見学方法

①まずは「入会申込受付フォーム」(外部ページに飛びます)より、中小企業政策研究会にご入会ください。

②中小企業政策研究会への入会完了後、本ブログの問い合わせページより、デジタルマーケティング入会希望の旨、連絡ください。
※入会前に定例会を見学希望の場合も、上記問い合わせページよりその旨連絡ください(見学は1回のみ可)。

③入会希望の連絡を送付頂いた時点で入会手続きは完了です。松尾よりSlack招待メールを送信させて頂きます。

次回は「具体的なマーケティングアクション」について

ちょっと長くなりましたので、続きは次回に回したいと思います。

次回は駆け込み寺は抑えられたことを前提に、では支援先に対してどのようなマーケティングアクションを取っていくべきなのか?について解説しようと思います。

続きが気になる方はこちら↓

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