中小企業診断士の勉強法

【中小企業診断士】PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)はココを抑えておけばOK!②【企業経営理論】

どうも、Tomatsuです。

前回の「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)はココを抑えておけばOK!①」では、PPMの基礎知識について説明させて頂きました。

今回は、試験対策上のポイントについて説明させて頂きます。

PPMの過去問分析

PPM関連論点は、過去5年分だけで5問も問われております。

  • H26 – 2問 (問題 1, 6)
  • H27 – 1問 (問題 1)
  • H28 – 1問 (問題 2)
  • H29 – 1問 (問題 2)

TACリサーチデータによると、B~Cランクの論点(4割~8割の正答率)となっておりますが、ワンパターンな出題形式で覚える内容も多くなく、正直、難しくありません。

この記事でコツを掴み、ぜひ得点源にして下さい。

間違い選択肢を正解に直す

PPMについて覚えるべき論点を整理するためにやるべきことは

  1. 過去問(5年分)を横解きする
  2. 不正解の選択肢を正解に直す
  3. 正解に直した選択肢をリスト化
  4. 3を覚える

以上の4点のみです。

まずはH26 第6問を例にステップ1~2を確認しましょう

H26 企業経営理論 第6問

【企業経営理論】 H26 第6問

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】

(ア) 事業単位は他の事業単位と製品や市場について相互に関連した統合的戦略をもち、計画の範囲内で自由に対処する。

(イ) 資金の流出は市場での競争上の地位で決まると考える。

(ウ) 資金の流出量を削減して優位性を確保できる「問題児」の選択が重要である。

(エ) 自社の相対的な市場シェアと自社事業の成長率を基準として事業を分類する。

(オ) 全社的な資源配分のための論理のひとつとしての位置付けが重要であり、ドメインの定義と併せることで現実的な資源配分の指針となる。

間違い選択肢を直す

まずは普通に解きます。オが正解だということが分かりますね

この問題を振り返る際には、オだけに着目するのではなく、その他の間違い選択肢のどの部分を直せば正解にできたかについて考えましょう。

(ア) 事業単位は他の事業単位と製品や市場について相互に関連した統合戦略を持たない(事業間のシナジー考慮せず)

(イ) 資金の流出は市場成長率で決まる。または、資金の流入は市場での競争上の地位で決まると考える。

(ウ) 資金の流出量を削減して優位性を確保できるのは「金のなる木」である。

(エ) 自社の相対的な市場シェアと市場全体の成長率を基準として事業を分類する。

(オ) 正解。そのまま覚える。

以上のように不正解選択肢のどの部分が間違っていたか?を分析し、正解にしてやることで、試験対策上必要なPPM知識が拡充されます。

これを5年分やると気づくかと思われますが、出題形式・出題内容はかなりワンパターンです。

正解に直した選択肢、公開します

以降では、過去5年間全ての選択肢を正解に直したものを公開します。

H27 企業経営理論 第1問 (B)

【企業経営理論】 H27 第1問

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】

(ア) 競争優位性を期待できない「負け犬」事業からの撤退の検討に加え、資金投入によって成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択が重要である。

(イ) 競争優位性を期待できない「負け犬」事業からの撤退を進めるのに重要な資金提供源は「花形商品」「金のなる木」の事業である。

(ウ) 衰退期に入った業界の「花形商品」「負け犬」事業は、徐々に撤退してできるだけ多くのキャッシュを生み出させることが重要である。

(エ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入と流出は市場と自社事業との成長率と自社事業の相対的市場シェアで決まる。

(オ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、外部からの資金調達を考慮していない上、事業の財務面を重視して事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮しているも考慮していない

H28 企業経営理論 第2問 (C)

【企業経営理論】 H28 第2問

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】

(ア) 競争優位性のある「金のなる木」事業は、分野の将来性に大きな魅力はなく、さらなる資金投下には資金効率からの判断が必要である。

(イ) 市場成長率の高い「花形商品」「金のなる木」事業からの大きな余剰資金と「問題児」「負け犬」事業の売却で得た資金は、衰退期成長期に入った業界の「金のなる木」「花形」や「問題児」事業に集中的に投入して市場地位を維持することが重要である。

(ウ) 市場成長率の高い「花形商品」「金のなる木」事業の生み出す余剰資金は大きいので、その資金を「問題児」と「花形」事業に分散して投入を図ることが重要である。

(エ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、事業への資金の投入量 流入量は自社の相対的な市場シェアで決まると考える。

(オ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、キャッシュフローの観点から企業の事業戦略の方向性を示し、事業間のキャッシュフローのアンバランスを許容している訳ではない

H29 企業経営理論 第2問 (B)

【企業経営理論】 H29 第2問

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】

(ア) 衰退期に入った業界の「金のなる木」事業と「負け犬」事業は可及的速やかに撤退を検討し、成長率の鈍化した高い業界の「花形商品」事業の再活性化に多くのキャッシュを投入することが重要である。

(イ) 成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択と、競争優位性を期待できないが資金流出の小さい「負け犬」事業の中で市場成長率が低くとも高収益事業を選別することは重要である。

(ウ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入流出自社事業の成長率と市場の成長率、資金の流出流入は自社事業の競争上の地位(相対的な市場シェア)で決まる。

(エ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮してせず、複数事業に対して財務面を重視した資金の再配分のガイドラインとなる。

(オ) プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、自社技術開発、外部技術の導入、外部資金の再配分により、範囲の経済を達成して競争優位性を構築する業界に適用できるできない

H.26 企業経営理論 第1問 (B)

【企業経営理論】 H26 第1問

市場の成熟期を迎えた製造業の企業は、これまでの経営戦略を見直し、成熟期段階にふさわしい戦略をとることが重要になる。成熟期の戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】

(ア) 買いなれた顧客が増えて、市場成長率が停滞し、市場シェアを巡る競争は緩和激化するので、ブランド戦略を追求する。

(イ) 市場での競争が緩和激化するのでが、市場成長率が停滞するため、市場シェアの拡大のために生産や販売の分野に積極的な追加投資をすることが効果的になるではない

(ウ) 市場や技術はほぼ安定するので、競争の重点をコストとサービスに置くようにする。

(エ) 通常、成熟期に向かうにつれて流通業者のマージンが減少上昇し、撤退する流通業者が増えるので、製造業企業は強くなった交渉力が弱くなるを活かして流通支配力の強化を図る戦略を狙う。

(オ) 転用のきかない経営資産は、帳簿価格清算価格が生産価格を上回っていれば売却してキャッシュフローの増大を図る。

まとめ

本記事ではPPMの試験対策上のポイントについて過去問を例題に解説しました。

テキストのみの学習では試験に必要な知識は身に付きませんので、早い段階から過去問に着手していくことをおすすめします。

それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。

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