こんにちは、Tomatsuです。
前回の「PPM(Product Portfolio Management)はココを抑えておけばOK!」では、企業経営理論の超頻出論点のPPMについて学びました。
診断士の勉強中、あれ?この考え方って人間にも当てはめられない?と思ったので、昨今話題の「副業」と絡めて気付きを書きたいと思います。
ゆるい話なので、さらっと流して頂ければと思います。
おさらい
まずはPPMのおさらいから。
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、多角経営企業が各事業にどのように経営資源を配分するか?を考えるためのフレームワークです。
色んな用語が出てきて最初はややこしいですが、まとめると
- 稼ぎ主の大黒柱事業(金のなる木)で得た貯金を、将来の稼ぎ主となる新規事業(問題児、花形)に配分すること
- 新規事業のタネの開拓は怠らないこと
- 事業の新陳代謝を促すこと
以上を怠ると大黒柱が急に倒れた時に困りますよ~ということを教えてくれるおばあちゃんの知恵袋的な理論です。
平たく言うと一本足打法ではなくバランスよくいこうぜ、ということです。
以上でまとめられていますが、しっかりおさらいしたい人は以下で。
サラリーマンのスキル・ポートフォリオ
サラリーマンに置き換えると
ではPPM理論をサラリーマンに置き換えるとどうなるでしょう。
PPMでいう所の「事業」を「スキル」に置き換えると、横軸はその「スキルの価値」、縦軸は「そのスキルの保有人数」になるでしょうか。
勝手ですが、このポートフォリオを個人の「スキル・ポートフォリオ」と命名します。
バランスの良いスキル・ポートフォリオは言うまでもなく、コアスキル+サブスキルを幾つか保有し、コアスキルで稼いだ資源(カネ、時間)をサブスキルの育成に回す。
そして、継続的にスキルの新陳代謝を図ることで個人の人材価値向上を図ることです。
サラリーマンはバランスが悪い
結論から言いますが、サラリーマンはスキル・ポートフォリオが悪くなります。
なぜか?
業界はどうであれ、新卒社員は入社後どこかの部署に配属され、その部署に必要なスキルを身に着けます。
まずは、多くの人材が保有する価値の低いスキルから着手することになりますので、右上(問題児)からのスタートとなるでしょう。
そして経験を重ねるにつれてスキル向上を図り、「花形」、「金のなる木」とランクを上げていきます。
ここまでは順調そうに見えます。
しかし、日本企業の多くは終身雇用慣行に縛られており、所属企業でしか力を発揮できない社員を量産するのが得意です(無論例外もあります)。
能力開発面ではダイバーシティ、多様性など耳障りの良い言葉を使いますが、社員に社外で活躍されては困る(せっかく育てたのに転職してしまう)ため、本心では社内で必要なスキルのみ身につけさせます。
こうして出来上がるのが、本業のコアスキルに特化した一本足打法人間です。
バランス悪いですよね。
パワプロで言うと、パワー特化型のAFFF(ミート1)みたいな感じです。
大化けする可能性のある新規スキル(問題児、花形)がスカスカです。
ローテーション制度で色んな部署を巡り、多様性を身に着けている人も多いかと思いますが、基本的に、その会社内あるいは業界内でしか通用しないスキルしか身につけられていない可能性が高いです。
また、どちらかというと上図の状態の方は良い方です。ポートフォリオの左下(金のなる木)に到達できるのは一部のエース社員のみで、ほとんどは中途半端なスキルレベルで会社員人生を終えることになります。
会社をクビにされたり、業界自体が衰退してしまうと唯一の食い扶持を失ってしまい生活に支障が出ます。
ポートフォリオ的にアウトですね。
会社任せにしない
例外はもちろんあるかと思いますが、多くの会社員は一本足打法人間になっているのではないでしょうか。
かくいう私も診断士を志すまでは、本業のプラント設計スキルと英語以外に誇れるスキルを保有しておらず、ポートフォリオすかすかの雑魚社員でした。
会社に頼らない
普通の会社員でいることは心地よいのですが、いまは世の中の変化が目まぐるしく、会社と一蓮托生の関係ではリスクが大きい。
それに、コアスキルの習熟度も高くなってきたし、他のスキルも身に着けて人としての幅も広げていきたい。
何より自分自身のキャリアやスキルを会社任せにするのは危険。
そう思って志したのが診断士でした。引くに引けない状況を作るために即日TACに30万円振り込みました。
結果、ビジネスマンとして圧倒的に幅が広がりましたし、経営コンサルタントとして会社に依存しない形の「個人としての価値向上」に繋がり、当時の意思決定は正解だったと思っています。
このブログも個人としての発信力強化の場として始めました。
今は記事を書きながら試行錯誤を繰り返している段階で、食べれもしないですし、時間もかなり持っていかれます。
ただ、新しいことにチャレンジすることは楽しいです。
また、PPMは将来の食い扶持(金のなる木)となる新規分野(問題児)を発掘し続けろと教えてくれました。新規開拓を続けることそのものが創造力に繋がると。
今は問題児中の問題児ですが、将来大化けさせられるよう、時間(経営資源)をつぎ込み続けたいと思います。
こうすることで、会社に依存しない形でキャリア・スキル開発が可能となり、個人としての価値が上がると思っています。
一歩踏み出す
形は様々かと思いますが、個人として脱皮を図るためには、それなりの代償が付きまといます。趣味の時間、睡眠時間は削らなければなりませんし、お金もかかります。また、成功も確約されていません。
ただし、その見返りも大きいです。
どの自己啓発本を読んでも「結局は行動することが大事」と教えてくれます。
自分がこれだって思うものがあれば、新規スキル開拓の一環として、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
副業でスキル・ポートフォリオを充実させる
一歩踏み出すきっかけとしては副業がおすすめです。
老後資金2000万円問題以降は、お金稼ぎの手段としての副業が論じられる傾向が強いですが、スキル・ポートフォリオを充実させ「最強のサラリーマン」を目指すためにはスキルアップを目的とした方が良いです。
特に、本業とのシナジーが期待できるものが良いです。
詳しい記事は別途書きたいと思いますが、例えば下記などがおすすめです。
- 資格の活用(診断士、キャリコン、など)
- スクール講師
- 営業代行
- Webデザイン
- Webライター
- 動画編集(Youtubeなど)
- Youtuber
- プログラミング(アプリ開発、機械学習など)
- ブログ 運営(アフィリエイト)
- 司会(結婚式など)
- カメラマン
走りながら勉強
上記の副業は全て専門性が求められますので、明日からすぐに着手できるものではありません。
ただし、「私には本業以外に専門性ないしな~」と躊躇していたらいつまで経ってもスキルは身に付きません。
これだ、と思うものがあれば、まずは「行動」に移しましょう。
ブログを始めるのであればWordPressを入れる、エンジニアを目指すのであればTECH::CAMPに申し込む、カメラマンを目指すならカメラを買ってみる、などです。
やってはいけないのは、調べるだけ調べてハードル高そうだからや~めた、となるパターンです。
どの道の専門家も最初はド素人からスタートしていますので、走りながら勉強するイメージで取り掛かりましょう。
最初の一歩は自転車を漕ぎ始めるのと同じで重たいですが、二歩目・三歩目はそうでもないはずです。
まとめ
まとまりのない感じになってしまいましたが、言いたかったことは下記です。
- サラリーマンはスキルが偏っており生活リスクが高い(会社倒産、業界衰退、陳腐化、など)
- 会社まかせではスキルの幅は広がらない
- スキルの幅を広げるには副業がおすすめ
毎月の継続収入を見込めるのがサラリーマンの特権です。その特権を活かしつつ、副業に着手し、あなたも「最強のサラリーマン」を目指しましょう。