実務家インタビュー

事業家×コンサルの二刀流経営者に聞く中小企業診断士の魅力【萩原賢明さんインタビューvol.1】

現在、「事業家×コンサルタント」として活躍中の萩原さん。

創業期から育て上げたSaaS事業の一部上場企業へのM&Aを経験し、幹部としての華やかなポジションを約束されていながらも、起業という道を選んだ。

「安定に興味は無い。やってみないと分からないことは、とにかく試してみる。」

このように語る同氏に「中小企業診断士資格の魅力」「今後の展望」等を伺ってみました。

萩原賢明
株式会社TimeSkip 代表取締役社長

理系大学院卒業後、研究職につくも2ヶ月で退職。ベンチャー企業に就職し経理系システムの企画販売営業3年、営業マネージャー5年経験後、事業部長としてSaaS事業の立ち上げを経験。取締役5年経験後、一部上場企業のM&Aを経験。2020年に株式会社TimeSkipを設立。代表取締役に就任。中小企業診断士。

SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引した経験を基に、システム開発企業のセールス・マーケティング体制を強化するTimeSkipコンサルティングサービス等を展開。

「変化の立ち会い人」としての理念・活動を発信するブログ、Twitterも運用中(Twitterフォロワー数は2022年4月時点で7,000人超)。
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将来、起業するためにベンチャーに入った

株式会社TimeSkip HP

――まずは萩原さんが現在展開されている事業の概要を教えて頂けませんでしょうか?

萩原賢明さん(以下、萩原さん)はい、弊社では「TimeSkipコンサルティング」というシステム開発企業・SaaS事業者向け営業組織強化支援サービスを展開しております。

BtoB営業では、事業がスケールしていく過程でどうしても営業の属人化が進行してしまいますが、営業手法の標準化や研修等を中心に「営業組織の属人性の排除」といった観点でのコンサルティングサービスを展開しております。

――まさに前職で培われたノウハウを活かされている形ですね。

萩原さん:そうですね。前職のSaaS事業部長経験から、セールス・マーケティング・CSなど、顧客対応を担うすべての部分に携わることが出来ました。

また、キャリア前期は大企業向けセールスを主に担当していましたが、SaaS事業に軸を移す過程で中小企業向けの「面を取るセールス/マーケティング」も身についたため、BtoBであればほぼ全領域カバー可能です。

デキる人オーラ全開の萩原さん(左)と相変わらず間抜けヅラな筆者(右)

――私は営業が苦手なので、ぜひご指導を受けてみたいです(笑)。ちなみに学生時代は理系大学院に通われていたとのことで、営業コンサル兼実業家としてのご自身の現状とギャップがかなり大きく大変驚きです。これまでのキャリアを簡単に教えて頂けませんでしょうか?

萩原さん:理系大学院を卒業してからは、研究職として社会人キャリアをスタートさせました。当時はノーベル賞を取ることが目標だったのですが、ひとたび企業の研究職に就くと化学の研究や大企業の文化が肌に合わないことを実感しました。

このとき人生で初めて「これからどうしようか?」と真剣に悩んだことを覚えております。

いろいろ悩みましたが「いずれ起業してみたい」という想いがあり、起業の訓練のためにベンチャー企業への転職を決意しました。

――なるほど〜。ベンチャー企業と言っても様々かと思いますが、転職先はどのような軸で選ばれたのでしょうか?

萩原さん:ありがたいことに幾つか内定を頂いていたのですが、最も創業者の近くで仕事ができると感じた「いかにもベンチャーっぽい」と感じた従業員数4名のシステム開発受託会社の門を叩くことにしました。

最初は4人で食べていくことで必死でしたので、経理系システムの受託開発を売りながら日銭を稼ぎ、事業のタネを探す日々を過ごしていました。

その後、7年ほど前にクラウドの波がきたのですが、時代のうねりに乗っかる形で債権管理パッケージのクラウド化に踏み切り、これが大ヒットしました。

――その後、誰しもが知るクラウド会計大手からM&Aを受けられるんですよね?幹部としてのポジションを約束されていたかと思うのですが、なぜそのポジションを捨て企業に至ったのでしょうか?

萩原さん:大変ありがたいオファーだったのでかなり悩みました。

ただ、幹部といえども大手クラウド会計の一グループ会社としての参画になる以上、大株主のもとでNo.2として自由にやらせて頂いた環境と比較するとフットワークは重くなります。

また、決断を迫られるなかで「起業するためにベンチャーに入った」ことを思い出しました。

もともと安定することに興味がない人間ということもあり2020年9月末に退社し、翌月10月にTImeSkipを創業することとなりました。

――私なら迷わず経営幹部のポジションに飛びつくと思いますが、萩原さんのそのフロンティアスピリッツ、大変カッコよいと思います。

萩原さん:そうおっしゃってくれる人もいるのですが、私は特に起業をすることがスゴイと思っていません。振り返ってみると、ただ単純に、自由度の高さや人に縛られない働き方にこだわる側面が強いところもあり、このような決断に至ったんだと思います。

「中小企業診断士資格」取得の魅力

――話は変わりますが「中小企業診断士」資格を取得された動機を教えて頂けませんでしょうか?

萩原さん:診断士資格の取得が営業上、プラスに働くと考えたからです。

前職ではエンタープライズ向けにシステム開発を売っていたのですが、社歴の浅い社員数4人の零細企業ということで、与信審査が通りづらい状況に悩まされておりました。

ところが、ある日、提案先の審査資料に「中小企業診断士の在籍人数」という項目があることを知りました。

当時の我々は、加点対象になるならなりふり構わず何でも取りに行く、というスタンスでしたので、これを知った後すぐにTACに申し込んだのを覚えています。

これが私の診断士資格との出会いです(笑)

――なるほど〜。自己研鑽目的で取得する人が多いなか、かなり珍しい部類の受験動機ですね(笑)

萩原さん:そうだと思います(笑)。このように最初は業務上の目標達成手段としか考えてなかったのですが、診断士試験は7科目とかなり領域が広く、知らない概念に触れていく過程でどんどん勉強にハマってったことを覚えています。

狭かった自分の視野がどんどん広がっていく感覚があり、これが普段の業務遂行力を格段に向上させてくれたと感じています。

例えば、営業として商談に臨む際に、これは「一般用語なのか?」それとも「先方に意味を聞いても失礼にあたらない専門用語なのか?」の判断に迫られる場面ってありますよね?

このあたりの判断力が格段に向上したことで商談がスムーズに進められるようになったことを覚えています。

TimeSkipが提供する営業教育支援ツール「TimeSkipプレイブック」

――その感覚はとても良くわかります!私も萩原さんと同じような理由で必要に迫られて診断士の勉強を始めたのですが、勉強した内容が業務遂行力を向上させてくれたと実感します。ちなみに他に診断士資格を獲得して実感したメリットはありますでしょうか?

萩原さん:まず診断士資格を取ったことが、いくつかの案件を受注する上でプラスに働いた可能性があり、これは直接的なメリットになりました。

また、私は研究会には所属していませんので、あまり知り合いは多くありませんが、受験生時代の知り合いなどとは今でも繋がっておりますね。

それから診断士資格を取ってよかったと思うのは、こうやってトーマツさんと話ができていることでしょうか?(笑)

次回:今後の展望 / Twitter運用 / 後輩診断士へのメッセージ

――またまた〜(照)。単純なので、額面通り受けとめさせて頂きます(笑)
さて、次回は、実務家としての今後のご展望も含め、萩原さんご自身についてより深掘りするインタビューをさせて頂ければと考えております。引き続きよろしくお願いいたします!

萩原さん:了解です!こちらこそ引き続きよろしくお願いいたします。

萩原さん、ありがとうございました!

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