中小企業診断士の勉強法

【中小企業診断士】企業経営理論の勉強法を分かりやすく解説

どうも、Tomatsuです。

受験さん
  • 企業経営理論の出題範囲は?
  • 難易度はどんなもん?
  • どうやって勉強すれば良いの?
  • 必要な勉強時間は?

このような疑問を抱えていませんでしょうか?

「企業経営理論」ではヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効率よく稼働させて利益を生みだすメカニズムを学びます。

おそらく中小企業診断士の勉強を志したほとんどの方が企業経営に興味を持っていると思いますので、学んでいて一番楽しい科目になろうかと思います。

一方、試験問題は日本語が難解かつ応用力が問われるため、最初の方は全く点数が伸びず、もどかしい思いをされる可能性が高いです。

私の場合、最終的には学習量で何とかカバーしたのですが、本記事では企業経営理論を学び始める前に知っておきたかったな~というポイントをお伝えできればと思います。

この記事を読み終えることで企業経営理論の勉強に取り組む心構えや実際の勉強法が分かるようになります。

2次試験の「事例I」や「事例II」にもつながる最重要科目ですので、ぜひ得意領域にしておきたいですね。

ぜひ最後まで読み進めて頂ければ幸いです。

企業経営理論の概要(出題範囲・難易度)

企業経営理論では「経営戦略」「組織論」「マーケティング」という3大テーマを扱います。

社会人であれば、どの論点もご自身の業務と多少は関係があるのではないでしょうか?

そういった意味でも非常にイメージしやすい科目ではあります。

一方、上述の通り、試験問題自体は非常に難しく設計されておりますので、頻出論点については詳細な理解と応用力が求められます。

中小企業は大きな企業と比べて経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)に乏しいです。

中小企業診断士は、その貴重な資源を上手く活用していくことを促す立場として「企業経営理論」を理解しておく必要があります。

そういった意味でも、企業経営理論は得意領域にしておきたいですね。

出題範囲

企業経営理論では以下の分野が出題されます。

[経営戦略]

  1. 経営戦略
    (経営理念、外部環境分析、経営計画)
  2. 企業戦略
    (ドメイン、リソースベースドビュー、多角化、PPM)
  3. 事業戦略
    (ポーターの競争戦略、5フォース、競争地位別戦略)
  4. 技術経営(Management of Technology)
    (製品アーキテクチャ、デファクトスタンダード、ベンチャーマネジメント)

[組織論]

  1. 組織の形態と構造
    (組織構造設計、組織ライフサイクル)
  2. 組織の行動理論
    (モチベーション理論、リーダシップ理論、組織文化)
  3. 人的資源管理
    (労働関連法規、雇用・報酬・育成・評価管理)

[マーケティング]

  1. 消費者行動
    (消費者行動モデル)
  2. マーケティング・ミックス(4P)
    (製品、価格、チャネル、プロモーション)

経営戦略
(経営理念、外部環境分析、経営計画)

企業経営のベースとなる「経営理念・環境分析・経営計画」の考え方について学びます。

外部環境分析の一つの手法である「SWOT分析」は2次試験で必須知識になりますが、1次対策上の重要度は低くなります。

重要度:・・・

企業戦略
(ドメイン、VRIO、多角化、PPM)

企業が長期間にわたって成長を遂げていくための戦略を練る上で必要となる考え方について学びます。

「経営戦略」テーマの中で、再頻出かつ最もポイントを稼ぎやすい論点ですので、しっかり対策しておきたいですね。

下記論点は特に頻出ですので、しっかり押さえておきましょう。

[ドメイン]

  • 物理的定義
  • 機能的定義
  • 「企業ドメイン」と「事業ドメイン」の違い

[リソースベースドビュー]

  • VRIO分析
  • 模倣困難性の要因
    (歴史、因果関係の不明性、社会的複雑性、etc.)
  • ケイパビリティとコンピタンス

[多角化]

  • アンゾフの成長ベクトル
    (市場浸透、新市場開拓、新製品開発、多角化)
  • シナジー
  • 範囲の経済性

[PPM]

  • 製品ライフサイクル
  • PPMのカテゴリー
    (問題児、花形、金の生る木、負け犬)
  • PPMの限界

重要度:★★

事業戦略
(ポーターの競争戦略、5フォース、競争地位別戦略)

事業戦略では、ポーターが提唱した5フォースモデルや競争地位別の戦略について勉強します。

経営理論の基礎中の基礎でもありますし、1次対策上も非常に重要な論点ですので、しっかり対策しておきましょう。

[ポーターの競争戦略]

  • 参入障壁と移動障壁
  • コストリーダーシップ戦略
  • 差別化戦略
  • 集中戦略
  • バリューチェーン

[5フォースモデル]

  • 既存競合事業者との競争
  • 売り手の交渉力
  • 買い手の交渉力
  • 新規参入者の脅威
  • 代替品の脅威

[競争地位別戦略]

  • リーダーの戦略
  • チャレンジャーの戦略
  • フォロワーの戦略
  • ニッチャーの戦略

重要度:★★★★

 

技術経営(Management of Technology)
(製品アーキテクチャ、デファクトスタンダード、ベンチャーマネジメント)

技術経営では企業の競争力の源泉となる技術を確立するための技術戦略について学びます。

ここでの頻出論点は何と言っても「製品アーキテクチャ」となります。

特に「モジュール型アーキテクチャ」と「インテグラル型アーキテクチャ」の違いについてあらゆる角度から問われますので、しっかり対策を取っておきましょう。

重要度:★★

 

組織の形態と構造
(組織構造設計、組織ライフサイクル)

企業活動の運営主体となる「組織」について、構造設計方法やそのライフサイクルについて学んでいきます。

1次試験で問われる問題数は少ないのですが、「機能別組織」「事業部制組織」「マトリックス組織」のメリット・デメリットについては2次試験で必須の知識になりますので、しっかり勉強しておきましょう。


[
組織構造設計]

  • 均衡
    (誘因と貢献)
  • 権限責任一致の原則
  • スパンオブコントロール
  • 組織構造
    (機能別・事業部制・マトリックス)

[組織ライフサイクル]

  • ライフサイクルモデル
    (起業者・共同体・公式化・精巧化)
  • 官僚制の逆機能

重要度:★★・・

 

組織の行動理論
(モチベーション理論、リーダシップ理論、組織文化)

「組織論」の中で最も重要となる論点です。

特に「モチベーション理論」と「リーダーシップ理論」は必ずと言って良いほど出題される超頻出論点ですので、「誰が提唱したのか」と「何を提唱したのか」までしっかり抑えておきましょう!


[
モチベーション理論]

  • マズローの欲求段階説
  • アルダファーのERG理論
  • アージリスの未成熟=成熟理論
  • マグレガーのX理論・Y理論
  • ハーズバーグの動機付け=衛生理論
  • マクレランドの三大欲求理論
  • 過程理論
    (強化説・公平説・期待理論)
  • 内発的動機付け

[リーダーシップ理論]

  • リーダーシップの源泉
    (報酬勢力・強制勢力・正当勢力・準拠勢力・専門勢力)
  • レビンのリーダーシップ類型論(アイオワ研究)
  • オハイオ研究
  • ミシガン研究
  • PM理論
  • マネジリアルグリッド
  • フィードラーのコンティンジェンシー理論
  • ハウスのパス・ゴール理論

[組織文化]

  • アドホクラシー文化
    (適応主義)
  • クラン文化
    (仲間主義)
  • マーケット文化
    (ミッション主義)
  • ハイアラーキー文化
    (官僚主義)

重要度:★★★

 

人的資源管理
(労働関連法規、雇用・報酬・育成・評価管理)

人的資源管理は「企業経営理論最大の鬼門」となります。

というのも、出題者側が出そうと思えば、いくらでも細かい問題を出題することが出来るからです。

はっきり言って勉強上のコスパは悪いので、過去問で出題された基礎中の基礎レベルの論点のみに留めておきましょう。

重要度:・・

消費者行動
(消費者行動モデル)

マーケティング戦略を立案する上で知っておくべき「消費者行動心理」や「ブランドの力」について学習します。

個人的には勉強していて一番楽しい論点でした。

受験対策上も非常に重要ですので、下記のキーワードはしっかり抑えておきましょう。

[消費者行動モデル]

  • S-Rモデル
  • S-O-Rモデル
  • 精緻化見込みモデル
  • 関与と知識
  • 口コミと準拠集団
  • ブランドカテゴライゼーション
  • アサエルの購買行動類型
    (情報処理・バラエティシーキング・不協和解消・週間型)

重要度:★★★

マーケティング・ミックス(4P)
(製品、価格、チャネル、プロモーション)

「マーケティング4P」すなわち「製品戦略・価格戦略・チャネル戦略・プロモーション戦略」について学びます。

当然のことながら「マーケティングの章」で最も重要な論点となります。

どの論点も重要なのですが、下記キーワードはばっちりにしておきましょう。

[製品]

  • 製品の分類
    (最寄品、買回品、専門品、悲探索品)
  • 製品ライン・アイテム
  • ブランドの要素
  • ブランド採用戦略
    (ファミリーブランド、ダブルブランド、ブランドプラスグレード、個別ブランド)
  • ブランド戦略
    (ライン拡張、ブランド拡張、マルチブランド、新ブランド)
  • パッケージング
    (個装、内装、外装)
  • サービスマーケティング

[価格]

  • テクノロジーライフサイクル
    (イノベーター、アーリアドプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)
  • 価格設定
    (コスト志向的、需要志向的、競争志向的)
  • 価格設定テクニック
    (端数価格、慣習価格、名声価格、プライスライニング)
  • その他価格戦略
    (キャプティブ価格、バンドリング、ロスリーダー政策、EDLP政策)

[チャネル]

  • マーケティングチャネルの類型
    (伝統的、VMS)
  • VMSの類型
    (企業型、契約型、管理型)
  • フランチャイズチェーンとボランタリーチェーン
  • サプライチェーンマネジメント

[プロモーション]

  • プロモーションミックス
    (広告、パブリシティ、人的販売、販売促進)
  • 広告媒体
  • 広告効果
    (リーチ、GRP、フリクエンシー)
  • 消費者反応モデル
    (AIDMA、AISAS)
  • リベートとアローアンスの違い

重要度:★★★★★

難易度・合格率

企業経営理論の難易度はちょいムズです。

参考までに以下は直近5年間の合格率となります。

年度合格率(60点以上)
令和2年度19.4%
令和1年度10.8%
平成30年度7.1%
平成29年度9.0%
平成28年度29.6%

平成29年~令和元年の期間、合格率が低迷していましたが、令和2年度は若干易化しました。

何度も学習を繰り返して基礎をしっかり固めていれば高い確率で60点以上が狙える科目ではありますが、H29やR2のように劇的に難化する年もあります。

7科目受験の人にとっては、初日の3番目の科目となります。

経済、財務で脳みそをフルに使い切った後に「日本語的に難解な問題」に90分立ち向かう必要があります。

疲労に慣れていない人は普段やらないようなミスをしてしまいますので、普段から疲労を想定したトレーニングを積みましょう(夜に演習問題を解くなど)

企業経営理論の特徴

企業経営理論の特徴はなんといっても難解な日本語幅の広さです。

過去問に取り組んでいない方はイメージしづらいかと思いますが、初学者の方は質問や選択肢の意味が分からず、困惑することになると思います。

また、「経営戦略」「組織論」「マーケティング」と本当であればそれぞれ独立していても良い科目が含まれておりますので、学ばなければならない論点数は中小企業診断士科目の中で最も多いです。

予備校テキストに含まれていない論点が出題されることも多々ありますので、学習時間が得点に直結しない難しさはあります。

しかし、経営理論ということで学習内容自体は非常に興味深いですし、多くの受験生の方々にとって本業で活かせる知識となるはずです。

ぜひ、ご自身のパワーアップを感じながら、楽しんで学習を進めて頂ければと思います。

企業経営理論の勉強法

ここからは「企業経営理論の勉強法」について解説します。

初期の勉強法

初期の勉強では何よりも企業経営理論で問われる論点を把握すること」が大事となります。

そのために、まずは「テキスト」「スピード問題集」を言ったり来たりしながら理解の定着につとめてください。

  • TACスピードテキスト
  • TACスピード問題集

学習初期の段階では、理解度はそれほど追い求めなくてもよいので、テキスト・問題集をスピーディに終わらせることを意識しながら進めてみて下さい。

中期の勉強法

論点把握できたら、次に過去問にとりかかりましょう。

過去問の勉強法としては、論点毎のヨコ解きをおすすめします。

企業経営理論は範囲が多いので、最初の方はなかなか論点知識が定着しないかと思いますが、挫けず、ヨコ解きで2周ほど回してみて下さい。

別の科目との兼ね合いで学習時間が捻出できない場合は、重要度の高い順から取り組んでみて下さい。

企業経営理論で得点を安定させるには頻出論点で稼げるようになる必要があります。

学習中期の時点では、本ブログ記事で取り上げた重要度の高い論点のみに集中しましょう。

後期(直前期)の勉強法

直前期にやるべきことはただ一つ。

それは、本試験を意識して過去問をタテ解きすることです。

過去5年分の過去問を最低でも3回以上回せると良いでしょう。

その過程で是非取り組んでほしいのが、過去問の間違い選択肢のどの部分を修正すれば正解回答にできたか?を考えることです。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)はココを抑えておけばOK!②にPPMを例にこのトレーニングのやり方を解説しておりますので、併せて参考にして頂ければと思います。

企業経営理論では「どうしても最後の2択までしか絞れない。。。」という問題も多く出てくると思います。

私もそうでした。

最後の2択を「50:50」にするのではなく、少しでも「60:40」や「70:30」に近づけていくには、過去問を何度も回して「企業経営理論のクセ」を掴んでいくことが重要です(うまく言語化できずすみません。。。)。

バカの一つ覚えで恐縮ですが、やはり何度も過去問を回していくことが重要となりますので、時間を十分とってゴリゴリ何度も回して頂ければと思います。

企業経営理論に必要な勉強時間

最後に勉強時間について触れます。

企業経営理論ではどの程度の勉強時間が必要なのでしょうか?

私個人の例で言うと「約80時間」でした。

元々、ビジネス書をたくさん読むタイプではなかったのですが、本業で取り組んでいる組織開発であったり新規事業開発などと関連する知識が多めだったので、多少入りやすいというのはあったのかもしれません。

一方、真っ新な状態から着手される方は100時間程度は見ておいた方が良いかもしれません。

上述の通り、2次試験にもつながる科目となりますので、学習時間が多いに越したことはありません。

まとめ

以上、本記事では「企業経営理論の勉強法」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

本記事が皆さまのお悩みにダイレクトにお答えできていれば嬉しいです。

もし、「この内容がよく分からない」「深掘りして欲しい」みたいなコメント・要望があれば是非コメント下さい。

可能な限り解答させて頂きます。

それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。