松尾の日常・所感

【中小企業診断士の取得後】4年間で起こった変化について淡々と(3/3)

どうも、Webマーケター兼中小企業診断士のトーマツです。

診断士とって何か変わった?ぶっちゃけどう?

…と、このようなストレートに聞かれることは稀ですが、要約するとまさにこれが聞きたいんだな、と思われる質問を受けることは多々あります。

私の答えは人生が大きく変わるほど変化したです。

2019年に合格し、4年ちょい経ったさほどキリのよくないタイミングではありますが、つい最近独立を決めたこともあり、診断士になってからの変化について振り返りたいと思います。

自己満記事ではありますが、診断士を取得した人間の「その後」の一例として参考にしていただければ幸いです。

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前編では診断士を取り立ての1年目の活動(ブログコミット期)、中編では研究会立ち上げ期について解説しました。

前編が気になる方は以下からどうぞ↓

③マーケ顧問どっぷり期(2022年8月〜2024年1月)

2022年、第1子も生まれ研究会メンバーとも企業支援に取り組み、充実な日々を過ごしておった頃、ときを同じくして事業者様からの相談が色々なルートから殺到し始めます。

これまで仕込んできた集客チャネルが開花していったイメージです。

進め方に迷う

ただ、ここで少し進め方に悩みます。

研究会を立ち上げた当初は、事業者様からのご相談を「すべて研究会チームで受ける」想定でおりました。

というのも研究会の運営思想は「実践を通じて実践に活かせるマーケティングスキルを獲得すること」であるからです。

研究会メンバーには事業者様の支援に触れられる機会を極力提供したい。そんな想いがありました。

ただ、前回記事でも触れた通り、企業内診断士の多いチームで行動するとどうしてもチーム内の高いコミュニケーションコストがかかります。

また、研究会メンバーといえど、皆が最初からプロフェッショナルではなく、育成という負担も伴う。

つまり「チームメンバーの育成+事業者様の支援」を回さないといけない。

1人で推進するには限界を感じました。

割り切って1人で進めることに決定

そこで、ある程度の割り切りは必要と考え、事業者様からの相談を1人で受ける方向で進めることにしました。

その判断を経て気づいたのは「中小企業支援を始めるのであれば、最初は1人でやった方が良いこと」です。

というのも、中小企業と顧問契約を結んで相談に乗り始めると、どうしてもスコープをキッパリ分けて(いわゆるcrystal clear scope)、明確になったアクションを捌いていくみたいなスタイルが取れない訳です。

社長や役員から伝えられる属人的かつアメーバ的対応を求められる相談事をチームで処理するのはとても相性が悪いことに気づきました。

また、単純に上流での「戦略設計」という仕事には複数人つけるほどのリソースを必要としないという都合もございました。

どんどん顧問契約を積み上げていく

1人で進め始めると逆にキャパシティに余裕が出ることに気づきました。

勢いに乗った私は、どんどん顧問契約を積み重ねていくスタイルを取り始めます。

そして程なくして、2023年の頭には顧問契約数を10社まで伸ばします。

各企業様からいただく相談内容は「マーケティング」ですが、業種・業態が異なるため毎回とても刺激的でした。

また、事例のストックが増えると普遍的なマーケテイング成功法を見出すことにつながる点もよかったです。

例えばSaaS企業向けに提案した施策が、コンサルティングファームのマーケティングにも転用できることに気づくなど、アナロジー思考を駆使すれば、どんな事業者も支援できる。

こんなことにも気づきました。

どんどんのめり込んでいきました。

DMLメンバーはよくご存知と思いますが、私は深掘りが好きで自分自身が支援先のマーケをもっと伸ばしたい、という想い先行で突き進みますので、契約の範囲を超えるような分析・Outputをどんどん行なっていきます。

すると、松尾のノウハウが伸びる→結果が出る→企業様が喜ぶ→勝手に契約金額を増やしてくれる、というサイクルが回り始めます。

診断士は最初からコスパを考えたら死ぬ

少し話がずれますが「コスパ思考の負の側面」について触れます。

いろんな見方があると思いますが、私は中小企業診断士は「最初からコスパを考えない方が良い」と考えております。

というのもコスパを考えて仕事をしてしまうと、事業者様への支援に割ける時間に対して自らで制約をかけてしまうからです。

すると、何が悪いかというと「実績をあげる機会」と「成長機会」が奪われてしまいます。

これがまずいのです。

実績がない人が使えるのは時間だけ

例えば「あと50時間脳みそを振り絞ったら結果が出る」という状況があった場合、みなさまならどういう判断をするでしょう?(現実にこんなシンプルな状況はないと思いますが、、、)

まあ、コスパを考える人は頑張らない判断をするでしょう。

50時間費やすという行為がコスパを悪くしてしまうからです。

ただ、そうすると当然結果は出ません。結果を出せるまで自分の脳みそで汗をかく経験を自ら放棄している訳ですから、成長機会もありません。

また、結果が出ないので支援先からの信頼も失墜し、契約は更新されなくなるでしょう。

「いやいや、最初から高い単価で契約できていたらいいじゃん」という反論をされる方もいるでしょうが、これが許されるのは最初から実績豊富、かつ特定分野の権威みたいな人のみでしょう。

99.9%以上の診断士は、資格を取り立ての時点で、何の実績もスキルもありません。

そんな実績もスキルもない人が使えるリソースは時間しかありません。

私は結構これが当たり前のことだと思っておりますが、周りの診断士の方々を見ていると、最初からコスパ思考の人が多いことに気付かされます。

そしてそういう方々の大半は当然、全然うまく行っておりません。

コスパを考えない人こそ、高コスパ体質になれる

コスパを考えず「事業者様の成功」。

この1点に集中するから、実績もスキルも、そして支援先からの信頼が得られるのです。

そして、このサイクルは指数関数的に自分の位置を引っ張り上げてくれます。

私が企業勤めしながら15社まで顧問数を増やせたのは、最初からコスパという概念に縛られていなかったからです。

結果、誰よりもコスパの良い体質になっていると感じます。

これから診断士を目指す方は、ぜひ支援先の成功にコミットする経験を積んで欲しいと思います。

実務特化型勉強会開始!

話を戻します。顧問先の数を増やしながらどんどんノウハウを蓄積していった私は次の壁にぶち当たります。

それは「1人だともう流石に受け切れない」です。

当然といえば当然ですね。

1人の人間のリソースには限界があるので、支援可能な企業数にも当然限界はあります。

しかし、ありがたいことに相談してくれる事業者様は止まりません。

せっかくこちらの能力に期待して相談してきてくれているのにも関わらず、リソースが足りないということでお断りした内容もたくさんございます。

こういう経験を痛感するのは「断ることのストレスと悔しさ」です。

これは何とかせねばと思い、「集客の出島」メンバーで相談を受ける体制を構築することを目指すことにしました。

集客の出島の問題点

相談を受ける体制を考える上で明確な問題点がありました。

それは、相談案件を研究会メンバーに紹介(公募)する際に、うまくマッチングができないことです。

このマッチングがうまくいかない理由は二つありました。

一つ目は「情報不足」です。案件を割り振る立場である私がメンバーのスキルセットと空き状況を把握していないため、担当可能なメンバーを探し当てることが難しいという点。

そして二つ目は「PM希望者不足」です。これは研究会を始めて知ったのですが、診断士ホルダーの方々の多くは意外に慎重体質な方が多く、経験・自信がない領域では矢面に立ちたがらないという点。

PMが担えないとなると、結局、松尾がPMをやらないといけないため、何の解決にもつながりません。

実務特化型勉強会を企画

そこで考えた対策がDML内で「実務参画希望者」を募りリスト化・管理することでした。

そして、該当者向けの実務特化型勉強会を開催し、PMスキルセットを提供し、勉強会を完了された方に最終課題を出して実力を測ることができれば、全ての問題は解決するだろう。

そんな気持ちで企画・実行に移しました。

結果、30名以上の方々にご参加いただき、PMの門戸を叩いていただきました。

現在、該当メンバーと事業者相談を進めており、既に受注も取れ始めております。

今後はこの動きを加速させていき、年度内に5件の受注を重ねたいと考えております。

第2子爆誕!

少し時系列はズレますが、23年6月には待望の第2子(長男)が爆誕します。

娘が可愛すぎて、「息子(同性)を可愛がってやれるのか?」という自分自身への不安を抱いておりましたが、取り越し苦労でした。

よく言われることですが、息子の方が性格も単純ですし、太陽のような笑顔を降りそそでくれるので、ほんと天使です。

ちなみに、この時の状況や想いを綴ったブログ記事です↓

結構、私の周りでも「ぶっちゃけすぎてて面白かった」と言ってもらえる良コンテンツなので、暇な方は読んでみてください。

④独立準備期(2024年2月〜Now)

そんなこんなで公私共に大変な時期を送っていた私ですが、2024年2月に突然独立を決意します。

元々、ゴリゴリの安定思考で、ずっと会社員を全うする気持ちで生きてきたので、この決断に至ったことに自分自身が一番びっくりしております。

独立理由は?

別記事にまとめる予定ですが、様々な要素が複雑に絡み、自分自身でも言語化できておりません。

最近よく感じるのは自分自身のことを自分自身が一番わかってないんじゃないか?ということです。

話が逸れそうになりましたが、独立理由を無理やり一言にまとめると「挑戦の機会を逸してしまうことへの恐れ」。

これに集約されると考えます。

正直、自分で言うのもなんですが会社員としては相当評価されておりました。

10年弱飛び級させていただき管理職につきましたし、驕り高ぶっているように聞こえるかもしれませんが、このまま頑張れば社長になるルートも明確にイメージできておりました。

また、複業家として活動しておりましたので、完全に自慢ですが収入もえげつなかったです。あと数年でFIREというルートも明確にイメージできました。

ただ、「会社に残って社長を目指す」「FIREする」。正直このどちらもワクワクしませんでした。

サラリーマンとして死んだ

会社員として行っている仕事は好きでした。

ただ、自身の成長曲線はかなり前の段階で飽和し切っており、ここ数年、踊り場にいる感覚があったのは間違いないです。

ときを同じくして、会社のお偉いさんからも超大型事業開発案件のPMにも抜擢されました。

当社の向こう数10年を支える収益の柱を作る。そんな大型PJでした。

ただ「自分ならやれる」という感覚は持てつつも、その先に自身が成長している感覚がイメージできず、そのお誘いもお断りしました。

出世を目的とするのであれば迷わずテイクする案件でしたが、その誘いを断ったことで、自分の中で「サラリーマンとして死んだ」という感覚にはなっていたと思います。

挑戦の機会を逸してしまうことの恐れ

そんな「サラリーマンとして死んだ」感覚になると、当然、外に目を向け始めます。

自分も30代中盤になりました。

周りを見渡すと同年代で上場社長になっている人や特定分野の専門家として世の中に大きな価値を提供している人たちが多いことに気づきます。

そういう人たちと比べると、自分はなんて縮こまった場所に留まっているのだろう。

もっともっと自分自身のコアバリューを発揮できる領域があるし、そのコアバリューを通じて世の中に大きな価値を提供したい。

就活生が考えそうな、そんな青臭いことを再び考えるようになりました。

もっというと、会社員としてのしがらみ・安定を捨て、背水の陣を敷いて挑戦できる環境に飛び出したい。

一方、決断を遅らすことは簡単でした。

「子供が2人いるし」「もう少し手がかからないようになってから」など止める理由はいくらでも思いつきます。

ただその一方で、30代中盤になってくると時間は一瞬で過ぎてしまうこともわかっておりました。

これを先延ばしにすると気づいた時には40代、50代になり、挑戦の機会を逸してしまう。

ズルズルいくのが目に見えておりました。

最終的にはこのズルズルの罠、すなわち挑戦の機会を逸してしまうことへの恐れが自分を突き動かしたんだと考えます。

独立を決めてからの流れ

そこからは一瞬でした。ざざっとまとめるとこんな感じです。

  1. 現在のプロジェクト状況を考慮に退職時期を考える
  2. 上司に伝える
  3. チームメンバーに伝える
  4. 引き継ぎ開始
  5. 人生計画作成
  6. 新会社の方針・計画作成
  7. 会社名決定
  8. ドメイン獲得
  9. ロゴ作成、Tシャツ作成
  10. 同じタイミングで税の勉強開始
  11. 税理士探し開始
  12. リクルートの仕込み開始
  13. 既存顧問先に連絡
  14. 取引先に連絡開始
  15. 徐々に会社の他の方々に挨拶

私は独立直後から法人立ち上げ予定ですので、その辺りのノウハウも含め、この辺の流れもこの記事で記載する予定でした。

ただ、ちょっとあまりにも長くなり過ぎてしまいましたので後続記事に委ねたいと思います。

お楽しみにしていた方、少しお時間をください。

これから、さらに羽ばたきます

めちゃくちゃ雑なエンディングになりそうですが、これからは独立後の立ち上げでバタバタすることが予想されます。

ただ、私は今後より一層高みを目指して羽ばたいていきたいと思います。

今の所の目標ですが、今後は自社サービスをグロースさせ、43歳までの上場を目指します。

その景色を松尾と一緒にご覧いただくには方法は二つしかありません。

一つ目はこのブログを読むこと。

二つ目はDMLに入ること。

今後の松尾をもっと応援したいという方は、ぜひどちらかを選択してください。

そしてこれからもよろしくお願いいたします。

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