どうも、Tomatsuです。
サラリーマン
- 実務補習って忙しいサラリーマンでも大丈夫?
- 費用ってどのくらいかかるの?
- メリット・デメリットが知りたい
このような疑問を抱えていませんでしょうか?
つい最近、サラリーマンの立場で実務補習を受けてきましたので、その経験を基に上記の疑問にお答えしたいと思います。
記事の前半では「実務補習の内容」を解説しつつ、後半では「実務従事と比較したメリット・デメリット」について具体的に解説します。
この記事を読み終えることで「実務補習を受けるべきか?」が判断できる状態になります。
- サラリーマンで実務補習の受講を検討中の方
- 中小企業診断士を受験中の方
実務補習の目的
そもそも実務補習の目的は何なのでしょうか?
中小企業診断士になるには、試験合格後3年以内に、15日間の実務に携わる必要があります。
登録に必要なポイントを稼ぐ一つの手段
この15日間の実務に携わる方法としては
- 実務補習を受ける(15日コース or 5日コース×3回)
- 実務従事に携わる
- または上記の組み合わせ
の3パターンがあります。
つまり、実務補習はあくまでも
「診断士として登録するために必要なポイントを稼ぐための一つの手段」に過ぎません。
『総合コンサルティング』の練習機会
とはいえど、実務補習は中小企業診断協会が用意している品質がしっかりした研修プログラムです。
詳しいメリット等は後述しますが、診断協会が用意してくれている『総合コンサルティング』の良い練習機会とも捉えられます。
なので、多くの方は1回につき5日間の実務補習を、計3回受講する形で診断士登録を目指します(上記で言うところの①のパターン)。
ちなみに理由は後述しますが、私は③のパターンでの診断士登録を目指しております。
- 実務補習5日コース ⇒ 5ポイント
- 実務従事10日間 ⇒ 10ポイント
実務補習の内容
ではここからは、実務補習の内容について見ていきましょう。
実施時期・開催地区
実務補習は例年、下記の期間に実施されます。
- 2月(5日間コース、15日間コース)
- 7月(5日間コース)
- 8月(5日間コース)
- 9月(5日間コース)
開催地区は下記の通りです。
- 札幌
- 仙台
- 東京
- 名古屋
- 大阪
- 広島
- 福岡
一部の都市での実施に限定されておりますので、地方の方々は利用しづらいなどのデメリットはありますね。。。
8月のコースは東京、名古屋、大阪の3地区に限定されますので、ご注意下さい。
スケジュール
では次にスケジュールを見ていきましょう。
下記は5日間コースの一例です(私の実例です)。
5日間コースという体ですが、実質的には
「15日間」
は実務補習に時間を費やすことになります。
また、平日の稼働日が二日間ありますので、サラリーマンの方は有給消化が必須となります。
5日間コースというのは「5日間拘束される」という意味であって、本当はもっともっと多くの時間を費やすことになるということです。
費用
ちなみに、実務補習は費用もそれなりに高いです。
しかも令和2年度の7月コースから値上がりとなりました。。。
- 5日間コース
テキスト込み-55,000円(税込)
テキスト抜き-54,300円(税込) - 15日間コース
163,600円(税込)
地方から参加される方の場合は、上記に加え多額な交通費がかかりますし、懇親会の出費も加えると更に数万円の負担がかかります。
申し込み方法・時期
申し込みの方法は、
- インターネットによる方法
- 郵送による方法
の二種類がありますが、基本的にインターネット(中小企業診断協会HP)で申し込みましょう。
下記の通り、申込期間が相当短いので診断協会HPは常にチェックしておきましょう。
- 2月コース
12月下旬の1週間 - 7月、8月、9月コース
5月中旬の1週間
また、枠が埋まるのが相当早いので、早めの申し込みをおすすめします。
実務補修の内容
いよいよ本題です。
実務補習では、診断士経験5年以上の指導員のもと、1班6人のチームを形成して「実在する中小企業1社」向けに総合診断レポートを作成します。
ちなみに、6人にはそれぞれ下記の役割が割り当てられます。
- 経営戦略(リーダー)
- 財務(サブリーダー)
- 販売
- 生産
- 情報システム・IT
- 労務
まるでドラクエのパーティのようですねw
冗談はさておき、このようにそれぞれのメンバーに役割が与えられ上で、中小企業の経営者にヒアリングを実施し、そのヒアリング内容と多面的な経営分析を基に一つのレポートを作り上げます。
大まかな流れは下記の通りです。
- 指導員からメール受領(初日の1週間前)
- 事前調査
- 経営者ヒアリング(初日)
- 分析・助言の方向性議論(2日目)
- 各自レポート作成
- レポートの方向性確認・修正(3日目)
- レポートの完成(4日目)
- 経営者向けに最終プレゼン(5日目)
ちなみに、レポートは約90ページ(1ページ:40字×30行)が目安で相当のボリュームがあります。
また、限られた時間でヒアリング内容の咀嚼、診断・助言の方向性を行った上で作り上げる必要がありますので、時間との勝負になります。
本業を抱えている方は、レポーティングにあてられる時間に限りがありますので、事前に同僚に事情を伝えて定時上がりにさせてもらうなど、工夫をしないと詰んでしまいます。
チームの足も引っ張ることにもなりますので、絶対に時間確保はしておきましょう。
Tomatsuの実例(体験レポート)
参考までに私の実例をまとめた記事を貼っておきます。
興味ある方はぜひ!
事前準備(テキスト・本)
ちなみに、実務補習に申し込むと以下のテキストが郵送されます。
とても薄いテキストなのですが、コンサルティングの基本的な考え方や進め方などがまとまっておりますので、個人的にはありがたかったです。
ただ個人的にこのテキストのみでは心細かったため、私は以下の本を購入して勉強しておりました。
指導員の方が必要な知識・ノウハウ・考え方を教えてくれるので上記は必須ではありませんが、事業デューデリジェンスの基礎を学ぶことができ頭が整理できますので、おすすめです。
実務従事と比較したメリット・デメリット
では、実務補習のメリット・デメリットは何なのでしょうか。
それぞれ3つずつ挙げてみました。
[メリット]
- 総合診断の経験(学びがすごい)
- 指導員・同期との繋がり
- 自分で診断先を探す必要がない
[デメリット]
- テーマが広く浅い
- 出費が多い
- スケジュールに柔軟性がない
(平日に拘束される)
一つずつみていきましょう。
メリット①:総合診断の経験が得られる(学びがすごい)
まず最初にして最大のメリットですが、実務補習では『総合診断が経験』できます。
経営者からのヒアリングを基に、「経営」「財務」「販売」「生産」「情報」「労務」などあらゆる観点から企業の現状分析・課題設定を行い、最終的には具体的な提言を作り上げる。
これが大変貴重な経験となります。
指導員の先生が、「総合診断の機会は中々ないため、その機会は買ってでも勝ち取るべき」とおっしゃっていたのが印象的でした。
メリット②:指導員・同期との繋がり
二つ目のメリットは指導員・同期との繋がりです。
15日間もの間、毎日はげしく議論(口頭・チャット・etc.)しあいますので、同期との関係は相当深くなります。
引き続き情報交換をしたり、実際に一緒に仕事をしたりと、ここで培った人脈は今後の診断士活動において重要になります。
実務補習後も連絡を取り合ったりと、かなり強い関係性を築くことができます
メリット③:自分で診断先を探す必要がない
3つ目のメリットは「自分で診断先を探す必要がない」ことです。
普通にサラリーマンをしている方の場合、中小企業の社長とのコネクションが無いことが普通ですよね。
自分で診断先を開拓するのは相当難しいですので、そういった方にとっては、実務補習制度を使う方法が最も楽な方法となります。
デメリット①:テーマが広く浅い
一つ目のデメリットは「テーマが広く浅い」ことです。
これは「総合診断ができる」というメリットの裏返しになってしまいますが、仮に診断先企業が「生産面」に重大な課題を抱えていたとしても、リソースを多角的な診断に割かなければなりません。
実務従事の場合は、診断内容を診断先と相談の上決定できるため、深掘りが必要な所に集中することができ、より実用的な提言がまとめられます。
デメリット②:出費が多い
二つ目のデメリットはやはり「出費が多い」ことです。
実務従事の場合は、逆に報酬がもらえますので(あるいは無償診断)、この辺りは実務補習とは雲泥の差ですね。
実務補習の機会を提供している民間企業もおります。
この場合、有料になるケースの方が多いので、実務従事だからといって出費が無いとは限りません
デメリット③:柔軟性がない(診断先が選べない、平日に拘束される)
最後のデメリットは「柔軟性がないこと」です。
実務補修は、診断協会が全てお膳立てしてくれる分、スケジュールや診断先がガチガチに固まっており、自分の都合で進め方が決められません。
なので、突発的な出張が入ったり、緊急の用事が生じてしまっても、フレキシブルに日程が変えられないことがデメリットとなります。
一日でも欠勤してしまった場合は、ポイントがもらえなくなりますので、実務補習期間中は突発的な用事・出張が入らないよう調整しておく必要がありますね。
まとめ
以上、中小企業診断士の実務補習について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
私は5日間コースを1回受けただけですが、心の底から参加して良かったと思いますし、もし今回紹介したデメリットが気にならないということであれば、是非読者の方にも参加して頂きたいと思っております。
実務補習関連でご質問ある方は是非コメント欄に書き込んで下さい。
お答えできる範囲で答えさせて頂きます。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。