業界研究

【プラント業界】建設・施工管理エンジニアの仕事内容・キャリアパス【業界研究】

どうも、Tomatsuです。

エンジ会社で設計エンジニアを担当している30代会社員です。

下記の記事では、エンジニアリング会社における設計エンジニアのキャリアパスについて解説しました。

建設・施工管理エンジニア(以降:建設エンジニア)のキャリアパスについても書いて欲しいという嬉しいご要望を頂きましたので、今回は建設エンジニアの仕事内容とあわせて紹介したいと思います。

「エンジ専業三社における建設エンジニアの話」ですので、その点予めご了承下さい

建設・施工管理エンジニアの仕事内容・キャリアパス

プラントエンジニアリング業界の仕事内容(プロジェクトマネージャー編)でも紹介させて頂きましたが、エンジ会社の仕事(EPCプロジェクト)には下記のような特徴があります。

  • E (Engineering : 設計) → P (Procurement : 調達) → C (Construction : 建設) の順番で進められる
  • 最近の大型プロジェクトのプロジェクト期間は大体3~5年
  • プロジェクト組織はプロマネをトップとしたピラミッド構造

これを踏まえて建設・施工管理エンジニアの仕事内容について確認していきましょう。

建設エンジニアの仕事内容

EPCの流れで考えれば建設エンジニアの出番はプロジェクト後期の現場での工事のみと考えられがちですが、これは間違いです。

建設エンジニアの仕事は大きく分けて「見積・計画フェーズ」「施工フェーズ」に分けられます。

1. 見積・計画フェーズ(計画チーム)

プロジェクトを安全かつ最短スケジュール・最小コストで完遂させるための計画を立案

2. 施工フェーズ(現場チーム)

リーダーシップを発揮し、日々目まぐるしく変わる現場をコントロールしながらプロジェクト納期・予算を死守する

見積・計画フェーズ

一般の方は「施工フェーズ」のみをイメージしがちですが、 建設エンジニアの仕事はプロジェクトが実際に開始する前の「見積・計画フェーズ」から始まります。

「このフェーズにおける見積の精度がプロジェクトの成否を握っている」と言っても過言ではありません。

巨大なプラントを建設するためには、サブコントラクター何十社から「数千~万人におよぶ工事従事者」の参画が必要ですので、建設段階における人件費は巨額になります。

また、人件費は工期に比例して大きくなっていきます。

つまり、工数・必要リソースの少しの見積ミスも許されません。

近年では人件費の高い「北米シェールガスプロジェクト」や「激僻地(モザンビークなど)でのプロジェクト」が増えてきておりEPC全体に占める「建設段階のコスト」が跳ね上がっています。

これに伴いEPC全体における「建設」の重要性が増してきていますので、見積・計画の精度は相当重要になってきています。

今回は導入記事ですので詳細は割愛しますが、見積・計画フェーズにおいて考慮すべきポイントを下記にまとめました。

  • 設計エンジニアやプロジェクトエンジニアからあがってくるプロジェクト情報やBM・BQを基に建設コスト・スケジュールを高精度に見積もること(Bill of Material (BM):工事材料数, Bill of Quantity (BQ) : 工事工数) 
  • 世界中の外部建設リソース情報(余力)等をもとに、競争力の高いサブコントラクターを選定する(世界中の建設業者から引き合い)

詳細については今後の記事で解説していきますので楽しみにしていてくださいね。

施工フェーズ

「施工フェーズ」における建設エンジニアの使命は、「建設工事を計画(品質・コスト・納期)どおりに完遂させること」です。

そのため、建設エンジニアはリーダーシップやマネジメント力を発揮し、何千~万人にもおよぶ組織や日々発生するトラブル、目まぐるしく変わる現場工事状況等をマネジメントします。

現場に関わる関係者は非常に多く、顧客・サブコントラクター・装置サプライヤー・ライセンサーなど、国籍や文化の異なる各プレイヤーを上手くまとめげる必要がありますので、高いコミュニケーション力(理解力・発信力・共感力)が必要となります。

また、施工とひとことで言っても、下記のように様々な分野があります。

  • シビル工事(造成・基礎・鉄骨)
  • 配管工事(配管据付など)
  • 機械工事(装置・回転機据付など)
  • 電気工事
  • 計装工事
  • 建屋工事

分野毎に異なる専門性を要求されますので、コンストラクションマネージャーの配下に各分野の工事責任者を据え置き、それぞれの裁量で工事を進めさせるケースが増えております。

言わずもがなですが、各分野の工事はそれぞれが前工程・後工程の関係となっており関連し合っていることがほとんどです。

そのため、互いの工程を邪魔しないよう、密なコミュニケーションを取り合い、全体最適な建設シーケンスを意識しながら協力しあう必要があります。

これが言うは易しなんですが、実際に実行するのはめちゃくちゃ難しいです。

詳細については今後の記事で取り上げたいと思っております。

建設エンジニアのキャリアパス

「建設エンジニアのキャリアパス」と一言でいっても色んなケースがあります。

感覚値で恐縮ですが、個人的には「豊富な現場・工事知識を駆使して建設フェーズに強いプロマネを目指す」というケースが多い気がしますので、本記事ではプロマネルートをモデルケースとして解説したいと思います。

モデルケース
  1. 建設エンジニア [入社時]
  2. シビル・配管・機械担当 建設エンジニア [2年目]
  3. エリアコンストラクションマネジャー [10年目]
  4. コンストラクションマネジャー [20年目]
  5. プロジェクトマネジャー [25年目]
  6. プロジェクト部門長 [30年目]
  7. 役員・トップマネジメント

キャリアの途中で「スケジュールコントロール」「コストエンジニア」、建設と関りが深い「シビル設計」などへのローテーションなどを挟むことも多いですが、おおむね上記のパターンが王道とされています。

まずはコンストラクションマネージャーを目指す

ここからは少し深掘りして、建設エンジニアとして最初の数年間のキャリアについて解説したいと思います。

建設エンジニアの仕事は上述の通り、「見積・計画」「施工(現場)」の二種類に分けられます。

新入社員にとっては現場で経験を積むことが重要なので、まずは「施工チーム」に配属されることが多いです。

そして、現場を幾つか渡り歩いていく過程で「コンストラクションマネジャーになるための知識・経験」を積んでいきます。

大きな権限・裁量を与えられ、爆速で成長できる

日本のエンジ会社は、海外コントラクターと比べて多くの本社スタッフを現場に派遣する傾向がありますが、そうとは言えども「人件費の観点から日本人スタッフ数は最小限」に抑えなければなりません。

そのため、建設エンジニアは新人時代から必然的に「大きな権限・裁量」が与えられます。

私も現場研修で「建設エンジニア」を経験したことがありますが、何も分からない状態から数十人の部下を抱えて工事を進めた経験があります。

キングダムで例えると、「伍長」をすっとばしていきなり「百人将からスタート」するみたいなイメージです。

「数年前まで学生だった人間がいきなりマネジメント経験をする」という普通では考えられない状況ですが、エンジ会社ではこれが当たり前です。

建設エンジニアは新人時代から常に組織をマネージする立場で業務を経験し、現場を幾つか渡り歩いていく過程でマンパワー管理やスケジュールコントロール、建設技術などの要素技術を学びながら、「百人将」「三百人将」「千人将」と位を上げていくことになります。

「建設知識」を武器としたITエンジニアというキャリアパス

少し話が逸れてしまいますが、一通り現場経験を積んだ人間の新しいキャリアパスとして「建設管理システムの開発業務」に従事する「ITエンジニア」というルートも今後どんどん増えてくるものと予想されます。

近年、ビッグデータやAIの活用が注目されていますが、エンジ業界の建設分野も例外ではありません。

建設フェーズで使用される膨大な量の図面・物品データは上手く活用されているとは言い難く、リアルタイム性、正確性を追求し、AIによるインサイト(気づき)と組み合わせたより付加価値の高い建設管理システムの開発が求められています。

こういった類のシステムは、システムベンダーを巻き込んだだけでは当然開発できず、実際の現場における課題・ニーズを把握している「建設エンジニアのドメイン知識が必要」です。

ビッグデータ・AI時代における生き方としては「建設知識を武器としたITエンジニアを志向する」というのも面白いかもしれません。

いかがでしたでしょうか?

本記事では、建設エンジニアの仕事内容・キャリアパスについて説明させて頂きましたがいかがでしたか?

ここまで説明しておいて何なんですが、前回の記事でも述べた通り、キャリアパスは自分で作り上げていくものです。

参考にならなかった場合は、自分のキャリアパスは自分で開拓してやる!という気概で仕事に励んで頂ければと思います。

それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。