どうも、Tomatsuです。
- 財務・会計の出題範囲は?
- 難易度はどんなもん?
- どうやって勉強すれば良いの?
- 必要な勉強時間は?
このような疑問を抱えていませんでしょうか?
私は中小企業診断士を受験するまで、実務において財務・会計に触れることがなく、財務・会計の勉強には大変苦労しました。
最終的には得意科目にはなったのですが、本記事では「財務・会計を学び始める前に知っておきたかったな~」というポイントをお伝えできればと思います。
この記事を読み終えることで「財務・会計の勉強に取り組む心構えや実際の勉強法」が分かるようになります。
ぜひ最後まで読み進めて頂ければ幸いです。
- 中小企業診断士の勉強を始める方
- 既に1次試験対策に取り組んでいる方
- 財務・会計が苦手な方
財務・会計の概要(出題範囲・難易度)
財務・会計は1次試験科目の中で最も「得意・不得意が分かれる科目」と言われています。
ただし「不得意」だと思っている方は「演習量が足りていない」だけであって、数をこなしていけば必ず苦手意識は払拭できます。
この記事で要点を押さえて、ぜひ安定的に60点以上を狙える実力を身につけましょう。
また、2次試験の「事例IV」との関係も強いので、ぜひとも得意領域にしておきたい所です。
出題範囲
財務・会計では以下の分野が出題されます。
[会計]
- 経営分析
- 制度会計
- 管理会計
- 原価計算
- 意思決定会計
[財務]
- コーポレートファイナンス
- 証券投資
これらの領域に対応する上で、ベース知識として「財務3表を理解することがかなり重要」になります。
模式図に表すとこんなイメージです。
経営分析
損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)から、企業の「収益性」「効率性」「安全性」などを評価する手法です。
管理会計の一部という位置づけですが「あまりにも重要」なので一つの項目として抜き出させて頂きました。
シンプルな計算問題が出題されることが多く、大半の受験生は正解をもぎ取ってくるため「必ず取れるようにしておきたい領域」です。
ちなみに、2次試験の事例IVでも毎年必ず出題されます。
重要度:★★★★★
(注)二次試験用の参考記事です
制度会計
簿記の知識問題やキャッシュフロー計算書の穴埋め問題、会計規則などが出題されます。
出題範囲があまりにも広くコスパが悪い領域ですので「深追いは厳禁」です。
一方、「キャッシュフロー」「リース会計」「分配可能額」「本支店会計」は出題頻度が多いので過去問をしっかり振り返りましょう。
重要度:★★★・・
管理会計
CVP分析(損益分岐点分析)や売上高差異、価格差異問題、セグメント会計などが出題されます。
CVP分析は毎年出題されますし、2次試験の事例4でも頻出ですので必ず押さえたい領域です。
重要度:★★★★★
(注)二次試験用の参考記事です
原価計算
原価計算は出題頻度こそ少ないものの、対策ができていれば解ける問題が多いです。
余裕がある方は注力して欲しい領域です。
正直、原価計算はわたしが一番苦労した論点です。ただ、その分めちゃくちゃ勉強しました。
ノウハウを4つの参考記事に集約しておりますのでぜひ参考にして頂ければと思います。
重要度:★★★・・
意思決定会計
DCF法(Discount Cash Flow法)を中心に投資判断のための手法を学びます。
超頻出問題ですし、比較的対応が簡単ですので、絶対に抑えておきたい領域です。
重要度:★★★★★
コーポレートファイナンス
企業価値、株式指標、最適資本、MM理論など、超重要論点が集中しています。
学習初期はとっつきにくい分野ですが、一度覚えてしまえばポイントゲッターにできますので、是非とも対策しておきたい領域です。
対策記事も豊富に用意しておりますので、参考にしてみて下さい。
重要度:★★★★・
証券投資
「期待収益率」「リスク」「共分散」「相関係数」「CAPM」「デリバティブ」など、証券投資における重要な考え方を学びます。
オプション取引などは一見とっつきにくいですが、ワンパターンな計算問題が多いので、ぜひとも習得しておきたい領域です。
重要度:★★★★★
難易度・合格率
財務・会計の難易度は「ムズかしい」です。
参考までに以下は直近5年間の合格率となります。
年度 | 合格率(60点以上) |
令和2年度 | 10.8% |
令和1年度 | 16.3% |
平成30年度 | 7.3% |
平成29年度 | 25.7% |
平成28年度 | 21.6% |
H29は易化しましたが、その後のH30は10%を切っており、難易度を如何様にも操れるのが分かります。
令和2年度は若干難化したため、3年度は易化するのではないかと予想されています。
難易度は低くありませんが、頻出論点を取りこぼさないよう対策が出来ていれば6割超は狙えます。
頻出論点をしっかり把握し、コスパの良い対策を心掛けましょう。
財務・会計の特徴
財務・会計は計算問題が多い科目と捉えられがちですが、意外と半分程度「知識問題」が出題されます。
知識問題は変化球が多いため深追いは避けた方が良いでしょう。
一方、計算問題は比較的対策がしやすいので、何度も演習を繰り返し解き、得意領域にする必要があります。
財務・会計は「60分で25問出題されます」ので「1問あたり2分ほど」しか割けません。
つまり、時間との勝負になります。
頻出論点に関しては「問題文を読んだ瞬間にパパっと解法が思いつくレベル」まで強化しておきたいところです。
財務・会計は時間との勝負なので、解法を体に叩き込む必要がある
財務・会計の勉強法
ここからは「財務・会計の勉強法」について解説します。
初期の勉強法
初期の勉強では「財務・会計で問われる論点をささっと把握すること」が重要となります。
そのために、まずは「テキスト」と「スピード問題集」を一気にやり終えて下さい。
- TACスピードテキスト
- TACスピード問題集
最初は解けない問題が多いかと思いますが全然OK。
難問は上手く飛ばしつつ、まずは全体像を把握することに注力しましょう。
初心者の方は「簿記3級」から始めるべきか?という質問が良くありますが、私はおすすめしません。
診断士試験で最もコスパの高い勉強法は「診断士試験対策」を行うことです。
もし余裕すぎて時間が有り余っているという状況でしたら取ってみても良いかと思いますが、余裕が無い方は診断士対策に集中しましょう。
中期の勉強法
テキスト、スピード問題集を一気にやりおえたら、すぐ「過去問」にとりかかりましょう。
ココで一度、過去問の難しさに挫けそうになるかと思いますが、ぐっと堪えて下さい。
必ず解けるようになります。
この時期にはスピードはあまり意識せず「各論点の知識を蓄積すること」「本試験で問われる問題の難易度や出題範囲を把握すること」が大事となります。
中期の勉強法としておすすめしたいのが、「論点毎のヨコ解き」です。
TACの過去問集では、後ろの方に論点毎の年度・設問番号がまとめられておりますので、そちらを参照しながら解き進めていくと良いでしょう。
財務・会計はスポーツ的な要素もありますので「出来るだけ毎日取り組む」ようにしてみて下さい。
躓きやすい論点に関しては、当ブログの記事を参照頂ければと思います。
本ブログは「予備校テキストではスルーされがちだけど実は大めちゃくちゃ事だった」みたいなポイントを意識的に記述するようにしております。
きっとお役に立てるかと思います。
後期(直前期)の勉強法
直前期にやるべきことはただ一つ。
それは、本試験を意識して「過去問をタテ解きすること」です。
過去5年分の過去問を最低でも3回以上回せると良いでしょう。
時間も意識しながら、60分以内で解き終えることを目標にしてみて下さい。
間違えがちな論点はメモに残しておいて、テキストや過去問解説集を何度も読み「理解を重視しながら」論点強化に取り組んでみて下さい。
財務・会計に必要な勉強時間
では、財務・会計ではどの程度の勉強時間が必要なのでしょうか?
私個人の例で言うと「約80時間」でした。
一般的に必要とされている時間とほぼ同じですね。
毎日少しずつ着手していれば、80時間はあっという間に積みあがっていきます。
ぜひ「毎日演習」を心掛けて対策に励んで下さい。
まとめ
以上、本記事では「財務・会計の勉強法」について解説させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
本記事が皆さまのお悩みにダイレクトにお答えできていれば嬉しいです。
もし、「この内容がよく分からない」「深掘りして欲しい」みたいなコメント・要望があれば是非コメント下さい。
可能な限り解答させて頂きます。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。